神様なんてことしてくれたんだ。
目が覚めるとお約束のように森の中で目覚めた。手足も普通にあるしスライムや魔物にはなっていないようだ。私はさすがに普通の高校生だった身としては国を興したり魔王と戦ったりなんかは避けたい。異世界でのんびりゆっくり、スローライフを送りたいだけなのだ。
「こういう時は、ステータス、何ていえば自分の能力が見えたりするものだけど…」
ステータス、と言葉を発すると承認と機械音がして目の前に何か書かれているスクリーンのようなものが現れた。
「名前、、ない、というか読めない…」
名前の部分にひどいノイズが走っていて読めなくなっていた、私は私で頭を打ったのだろうか、名前の記憶だけがするりと抜けていた。
「ううん…ま、まぁ、一回死んでるんだもんな、私。」
一度深呼吸をしてから引き続きステータスを軽く見ていった。
「魔力量、神の加護により、そ…測定不能、た、体力、神の加護により耐毒、耐外傷、耐魔法、全武器種、全魔法からのダメージを無効化…、」
おいおいおい、私の書いた俺TUEEEEでもこんなにバランスめちゃくちゃなことはなかったぞ、あまりにもめちゃくちゃだ、神の加護とかいう万能スキル、どんな魔法でも、どんな武器でも扱えるし、わからない事があれば天啓とかいうもので教えていただけるらしい。
「まあ、きっと強いことに越したことはな、ないもんね」
そう、私はビビりである、さすがに持て余してしまうこんなチート能力を使いこなせるわけ…
てしまった、使いこなせて、しまった。
なにかのライトノベルで読んだ、指パッチンで炎をともすやつ、できてしまったし、何なら火柱が上がった。イメージしたものが形になって出てきてしまう。
「う、うわあ…」
私は第二の生を謳歌する前に、このバカげた力をどうにかしなければならない。と肩を落とした。