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作られた世界で俺は生きてく。  作者: 伊ノ獅子
アナザーエデン ステージ1
3/6

契約

いつもありがとうございます。今回は多分1話分しか投稿できないと思います。すみません。

ピピピッピピピッ!!!!


目覚まし時計が鳴る音を聞きながら俺は目覚める。ベットから出てカーテンを開け、朝の日差しを浴びる。そして顔を洗い、朝ご飯を自分で作り食べる。出勤時間までは余裕があるのでくつろいでいると

スマホが鳴った、スマホを確認すると九条さんから連絡が来ていた。


『型月さん、おはようございます。知っているとは思いますが、今日はアナザーエデンの発売前説明会があります。なので9時頃には会社に着いておいて下さい』


『了解です』


メールを返すとすぐに準備をし、家をでる。


会社に行く途中で見覚えのある後ろ姿を見つけたので追いつき挨拶をする。


「柊木さん、おはようございます。今日が発売日ですね」


「型月か……。おはよう、私達のゲームがいよいよ発売するのかぁ……。なんか緊張してくるわね」


「緊張ですか? 柊木さんは緊張しないタイプかと思ってました。」


「失礼ね……。私だって緊張ぐらいするわよ。

でも今回は緊張してるだけじゃなくて少しワクワクしてるかな」


「ワクワクですか? 」


「私達って今まで個人でゲームを作ることはあってもみんなで1つのゲームを作ることは無かったし、私の夢でもあったから今すごいワクワクしてるのよ」


確かに今まで1つのゲームを作った経験はなかったなぁ。でも柊木さんがそんなこと思ってたなんて知らなかった。そう考えていると


「だーれだ!!!!」


元気な声と共に俺の視界は塞がれた。


「廣瀬だ‼︎ 」俺はドヤ顔で言い放った。


「ざんね〜ん、正解は私と九条さんでした〜。」


廣瀬の発言に疑いを持ちながらも後ろを向くとにやけ顔の廣瀬と笑顔で挨拶をする九条さんがいた。声の感じから廣瀬しかいないと思っていたが実際は廣瀬が俺の目を塞ぎ、廣瀬の声真似を九条さんがしていたみたいだ。なんでもできるな、この人。


「間違えた型月さんは罰ゲームとして購買のプリンを社員全員分買って来てもらいます。」


笑顔で九条さんはとんでもないことを言う。待て待て購買のプリンは1個200円だから社員全員分買ったら1000円分になるじゃないか。


「ほらほら〜型月も男でしょ? 男ならカッコいい所、見せてよ〜。」


柊木さんも敵になりやがった。俺の味方は誰もいないのかよ


「あっそういえば、昨日の柊木さんとの写真、他の人にみせていい? 」


は? 待て待てそれはヤバい。でもあの時写真撮ってたのって健しかいなかったから廣瀬が持っているわけないな。そう思っていると


「ほら、これ」


「今、買ってきます‼︎ 」


結局俺は社員全員分のプリンを買ったのだった。


「敏くん、おはよ〜 いや〜女の子3人と一緒に出勤なんて羨ましいな〜」


会社に入ると1番に長原さんがからかってきた。長原さんはこの3人が何にみえてるんだろうか? 俺は悪魔にしかみえない。


「ところでその袋はなんだい? 」


「購買のプリンですよ。型月さんが全員分買ってくれました。」


九条さんはプリンを机に出しみんなに配った。


「あの敏が奢るなんて、いったいどうしたんだ? 」


「お前のせいだよ!!!」


健に恨みを込めながらツッコんだ。


プリンをみんなで食べながら談笑していると発表会に向かう時間になったので会場に向かった。




発表会が一通り終わり質疑応答に移ると1人の女性が手を挙げた。


「セーレと申します。型月さんはいらっしゃるでしょうか? 」


ご指名で質問して来たその女性は魔法使いのようなローブを羽織っていてフードで顔を隠していた。発表会にそんな格好できて目立ったなかったのなぁと思っていると九条さんからマイクを渡された。


「初めまして、私が型月敏です。ご用件はなんでしょうか? 」


ここでのミスは会社の信用に関わるので俺は相手に細心の注意を払い答えた。


「あなたの願いを叶えましょう。契約を行なうので場所を変えましょう。」


そう言ってセーレさんは指を鳴らすと目の前景色が一瞬にしてかわった。周りは真っ暗で蝋燭が何本かあり、床には7芒星が書かれている。


「え? これ、どうなってんの? 」


俺は出口を探そうと部屋の中を歩き回るが一向に出口は見つからない。

 

「ふふふ、落ち着いてください。まずはゆっくりと話をいたしましょう」


セーレさんはそう言って手をかざすとどこからか テーブルと椅子が出て来た。セーレさんは俺の前に座ったので俺はセーレさんの向かい側に座った。


「まずはこれを見てください。」


セーレさんがフードを外すと赤い髪とそこから生えている角が見えた。


「悪魔か。」


「はい、その通りです。」


「それで? 話ってなんですか? 」


俺がセーレさんの顔を見るとセーレさんは驚いた顔をしていた。


「悪魔と聞くと人間は追い払ったり、怯えたりするものだと思っていたのですが、あなたは違うようですね」


当たり前だ。この世界は"そういう風"に出来ているからな。今更、悪魔が俺の前に出てきたって俺は驚かない。だか今は時間が惜しい、もうすぐ、物語は動きだすのだから。


「単刀直入に言います。あなたの目的はなんですか? 」


「あなたと契約し、あなたの力になることです」


契約?なんのことかわからないがなぜ、俺じゃなきゃいけないんだ?


「なぜ、俺と契約しようと思ったんですか? 」


「私は今まで色々な人間を見てきましたがあなたはここの世界の人間とはどこか違うような感じがします。そんなあなたに興味を持った。ただそれだけです」


信用はできないが契約する価値はあると思う。それにもう時間がない、契約することで力が手に入るのなら契約をするしかない。


「わかりました。契約をしましょう」


俺は契約をする覚悟を決めた。


「わかりました。まず契約する前にあなたの願いを聞きましょう」


「俺の願いは皆んなを守ることです。この世界の悲劇から」


これは俺の願いであり、義務だ。俺は何としてもこの責任を果たさなければならない。


「わかりました。それでは対価を差し出していただけましょう。対価は人間のものでないといけません。」


「人間のものっていうとお金とかですか? 」


「いいえ、お金では対価になりません。対価は人間の身体の一部でなくてはいけません」


俺は少し考え、あるものを対価にすることを決めた。


「俺がこの世界に来る前の記憶を差し出します」



「………わかりました、契約を始めます」


そう言ったセーレさんの顔はどこか悲しそうに見えた。セーレさんと俺が魔法陣の前に立つと魔法陣は光りだした。そしてしばらくすると光は消えた。


「契約はこれで終わりです。私の力、存分にお使い下さい。」


そう言うとセーレさんは光になり俺の中へ消えていった。


こうして俺は記憶を代償にセーレの力を手に入れた































ご愛読ありがとうございました。次回はついに異世界に向かいます。

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