学校と犬
精読だ
今日もまた1日が始まる。そんな事を思いながら学校へ向かう。重い教科書を背負いながら、自転車で高校まで。
家から近くそこそこ偏差値の高いため男子校に通っているが、時折、駅へと向かう共学生徒が羨ましく思う。彼らは電車やバスに乗るだけで目的地に着くし、学校には華がある。そんな事を考えペダルを漕ぐ。朝には癒しである猫もいないし、道路は混むので良いことがない。
雨が降れば最悪。レインコートを着なければならないのだから。
学校は65分間の5限制。入学したては1限ごとの授業時間が15分も増え苦痛であったが、今ではそれさえも楽に感じる。中学のときの様な騒ぐメスはいないし気を配る必要もない。しかし、思春期を迎えた男子高校生にとっては、メスではない所謂JKというものはどこか可愛らしく思う。この前、中学生の頃に同級生であった女子たちに出会ったが、以前より少しばかり華奢に見え垢抜けしたように見えた。不揃いのスカートに香るリップクリーム。言葉では表せないものがあったようだった。
5限目の世界史が終了し、放課後を迎える。友人と挨拶を交わし帰路に就く。帰宅時に自動車周辺を見てみるが今日は彼らは眠っていない。そして我が家て飼っている犬の散歩の時間になった。先日、11才の誕生日を迎えた犬だ。名は"モモチャン"。モモではなくモモチャンだ。無論、雌である。玄関の戸を開け、自動車を見てみると、彼らはそこにいた。しかし、彼らとモモチャンは仲が良くないようで、モモチャンが吠えると、三匹とも不貞腐れたように裏路地へと消えていってしまった…。