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ダンジョン日和!ー最強のダンジョンに至るまでー  作者: 波風 多子
第3章 人里日和!ー騒動の始まりー
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引越日和!ー拠点を移し、再始動ー

人里編は前回でおしまい。


これからは新地編になります。

 「お帰りなさ…なんでそんな沈んだ顔してんの?」

 

 「……引越(ひっこ)します。」


 「「「え?」」」


 急な俺の宣言に戸惑う一同。まあ、そうっすよね。そうなりますよね。


 「え?で、結局なんでそんなに泣きそうな顔になってるん…」


 「します。」


 質問してくるクレセイノを有無を言わさぬ口調で黙らせる。


 「それはいいのだが…なぜ急にそんなことに?」


 「うん。それなんだけど大きく二つの理由がある。一つはケバビーっていうかあそこの都市にいられなくなった。」


 「うん。でもそれだとりゆうがうすくなーい?ダンジョンはまちのなかにあるわけじゃないし」


 ドグがまともなことを言っている…明日は雨かもしれない。


 「…やっぱりあつかいがおかしいきが……」


 「2つめの理由はこのダンジョンでまったくもってDPが稼げなくなったことだ」


 「なるほど、最もだな。」


 体を鍛えたり魔法を使ったりしてDPを確保する努力はするものの、やはりDPのたまり具合が少ない。DPとはダンジョン、つまり俺の力そのものとも言えるので、ないと困る。ていうかDPがあまりにも少ないと俺のダンジョンの系統が悪影響をうける。その最たるものがおれだ。


 すると、生きるために、一種の自己防衛策としてDPは絶対に必要だ。そもそも活動には力が必要だし、力はDPなのだから、体を維持するためにもDPを貯める必要がある。


 そこで新しいダンジョンを作ってそこの難易度を死なず、しかし簡単すぎない…程度になんとか調整、定期的に人が入るように…何ならダンジョンを街の近くに置く、なんてこともしてみたい。


 という理由から引っ越しをする。ただ水晶はここにおいとくほうが安全だからこっちに放置。危なくなったらワープで回収しつつ逃げる。



 「それはもういいわ。ところでどこに引っ越すの?」


 「ふふふふふ。よくぞ聞いてくれました。」


 だんだんいつもの雰囲気に戻ってきた俺に、少しだけ場の空気が軽くなる。


 「クレセイノはペルティ公国から来たんだろ?」


 「うん、まぁ。」


 「んで、3つあるうち1つのダンジョンを経由してきたと。」


 「うん、まぁそうなるわね。」


 「ダンジョン移動機能を使ってお前のダンジョンに行けないか?」


 「なるほど?そういう事ね」


 「っとこで頼めるか?」


 「別にそのくらいならいいわよ。じゃあ早速行きましょうか?」


 「い、いやまだ流石にいかんぞ。もうちょっと準備を整えないと。俺の考えてる3つの条件は、行きやすい死にづらい見つかりやすい、だ。」


 「それは…たしかに重要ね。」


 「俺のとこはたまたまペルシャが通ってたからすぐ発見されたが、普通あんなとこすぐに見つからないわけだし」


 「と、いうことで、お前らは引っ越しの準備をしておけ、引っ越し作業中の主要滞在組はブロ、アヴァロンだ。アヴァロンにはお前が伝えといて。」


 「了解いたしました。」


 「んで、ついてくのが、メイトとドグ、あとは…そのくらいかな。」


 「お待ちください。」


 聞いたことがない声がかかる。誰かと思って振り返ると、そこには深い蒼の着物を着た美しい女性が佇んでいた。


 「えっと?誰ですか?」


 「私の名は…ありませんが、水精霊の主でございます。」


 「は、はぁ。そんな方がどうして俺のところに?」


 「あなたが生み出されたのですよ?私はあそこのウンディーネ達の中のまあ、異常個体みたいなもんです。」


 随分と適当だなぁ。


 「私をお連れくださいませ。足手まといにはならない筈です。」 

 

 ダンジョン産のモンスター亜種かぁ、強いのかな?


 「あんたんとこのダンジョン、ヴェルウルフと言いウンディーネといい、異常個体の楽園ね…。」


 そうなのかな?他のやつのダンジョンを見たことないから分からんのだがなぁ。


 「まぁ、いいんじゃない?ダンジョン産ならあんたに敵対しないでしょう」


 ま、そうだな。邪魔になるようなら返せばいいし。


 「じゃあこれで異論はないな?」


 「あぁ。」


 「うん!」


 「は。」


 なさそうだな。


 


 しかし、向こうでは、どんなダンジョン生活が待ってるんだろう。

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