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ダンジョン日和!ー最強のダンジョンに至るまでー  作者: 波風 多子
第3章 人里日和!ー騒動の始まりー
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帰還日和!ー英雄の凱旋ー

今日もたまたま頑張るゾイ!


環境破壊は楽しいゾイ!(露骨)

 「クラスの旦那が帰ってきたぞー!!」


 「うおぉぉぉおぉぉぉお!」


 「おい、片腕失った相手になんだこれは。ちっとは心配しやがれ。ったく。」


 そう言いながらも笑うクラスに、慌てたように冒険者達が心配の声を掛けるが、その様子にクラスは豪快に笑い飛ばす。クラスの怪我は酷いもので、肩から右腕がごっそりなくなっている。それも抉り取られたような怪我の仕方だ。その痛みは想像出来ない。


 そしてあんな怪我をおっても人に弱みを見せない精神力、どんな修羅場を乗り越えてきたのか…。少なくとも俺には想像もつかんな。


 「兎にも角にもクラスの旦那がこうして生きて帰ってきたんだ!かんぱいだ、乾杯!」


 その言葉を皮切りに、組合がお祭り騒ぎになる。泣き出す者、酒を飲む者、様々な者がいるが、やはり喜びの声が一番大きかった。


 「おい、リーナ!お前の愛する人が帰ってきてよかったな!」


 「黙れ!」


 「旦那!こいつ毎日毎日旦那のこと考えてボーっとしてたんすよ!」


 「こら。あんまからかってやるな。」


 そんな風にクラス帰還祝をしている組合の戸がゆっくりと開かれた。その姿を見、跪く冒険者達。そこに足を踏み入れるジャムサードは、跪く冒険者たちへとよく通る声で一言、静かに言った。


 「面をあげよ、皆のもの。」


 その言葉に、冒険者達が顔を上げ始める。その顔には達成感をうかべ、これから褒められるであろうことを期待し、今か今かと待ち構えている。


 「此度の成果。誠に私を満足させるものであった。先日の侮辱は撤回しようぞ。」


 「功績あげたクラスの回復にも尽力しよう。重要な戦力を失うのは私も好ましくないのでな」


 そういってマントを翻し、戸へと向かっていく。ごくりと唾をのむ音が聞こえ、貴族様の前でなければ歓声を上げていただろうという感じだ。それほどまでに彼らの笑顔は深かった。そして去り際にこちらを一瞥すると一言。


 「大儀であった。」


 そして組合から貴族が去る。





 「……っっしゃああああ!」


 「旦那!よかったですね、おとりつぶしはなしですよ!」


 「あの貴族やろうザマァみろ!馬鹿にしやがってクラスさんはすげぇんだぞ!?」


 これだけのことを言うためだけに組合まで自ら来るとは、本当はいいやつなんだなぁ。冒険者達にも嫌われてる訳じゃなさそうだし、相当優秀なんだろう。と、そこへ一人の冒険者の声。


 「クラスさん、でもクラスさんの魂が今回の戦いで異常に磨耗しています。それじゃあもう大きな戦いは……」」


 組合内に静かに沈黙が舞い降りる。聖霊術という力を持つものが希にいる。彼らは生き物の根幹である魂に敏感だ。つまり腕がなおったとしても彼は……。


 さすがに並大抵の魔物に後れを取らないと思うが、今回のような敵と相対するとなったら厳しいと思う。この様子を見てると今回も勝つべくして勝ったってわけじゃないだろうし。


 「ああ、俺は一線を抜けて指導教官に徹しようと思う。なんだかんだこの街には世話んなったしな。」


 つまりもう冒険者活動をやらないわけだ。よかった。成り行きで俺のダンジョンを攻略するってことになってたらおそらくブロドグで勝てないだろうからな。メイトが全力で戦うことになるだろう。それでも勝てるかどうか怪しいしな。まあなんていうかそんな奴がダンジョンで挑んでくれなくって物足りないような気はするが……。


 「おい、スタピラー。今回は礼を言うぜ。お前がいなけりゃどうなってたことか。」


 「やめてくれ。そもそも今回の騒動多分まだ終わってないぞ。」


 「「「「「「「「は?」」」」」」」


 なんだその変なものを見るような眼は。まあ、俺もこれでお終わってほしいけどさ。根幹だろうよ、話の。そもそも自然な大量発生なら帝国語を操るゴブリンなど生まれない。


 「いや、スタピラーの言う通りだと思うぞ?この騒動にはまだ何か、うらがある。」


 「流石、一流冒険者だな。じゃあ裏にいる奴の正体も気が付いてるのか?」


 「もちろんだ。危険度12の賞金首。化かし者(ラミリット)さ。」


 ……………え?危険度12?

評価をくれ、感想かき、レビューしなければ人は動かじ


byた、んこ

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