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ダンジョン日和!ー最強のダンジョンに至るまでー  作者: 波風 多子
第3章 人里日和!ー騒動の始まりー
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戦闘日和!ー苦戦とゴブリンの王ー

やあジョニー、気分はどうだい?


あぁ、最高だぜ。マイケル。ところで俺は何故縛られてるんだ?なぜ銃を向けられている?


心当たりはないかいジョニー。いや、『た、んこ』と読んだ方がいいかな。


クっ!だが待て。俺を殺したら二度とこの小説の続きが読めないんだぞ!?そもそもこんなんで殺されてたら今まで何回殺されたんだよ!


3回だ。その他にお前は復活し記憶を失う


わかった、投稿できなかったのには訳があるんだ。信じてくれ。


全てのお前はそう言った。そんで殺されたのさ。


か、風邪をひいていたんだ


そうかそうか…
















嘘だね。


なっなにィ!!!???


バカも大概にしろ。俺を書いてるのはお前なんだ、お前のすべてを俺は知ってる。


あぁ、メタいこといいやがって畜生!やめてくれ、もう遅れないから!


じゃあ次のお前に託すんだな。なにか言い残すことはあるか?


今回は……いつもより長いです……………バタッ



お前のこと、キライじゃなあなかったぜ

 何とかかんとか魔法を覚えたものの、初級魔術の『マルチ』とかしか使えないと言う「あ、これ死んだな」展開にも関わらず俺は落ち着きを保っていた。何故なら、


 「…スタピラーよ。魔法を行使するときはもっとこう一気にドカンみたいな感じで…」


 「あぁん!もう!やってるよ!」


 メイトがついてきているからである。メイトはローブかなんかを被ると正直、人と区別がつかない。本当はいきたくなさそうだったが、アッサリ死んだら困ると言うことで連れてきていた。そしてメイトは魔法を教えるのはあんまり、てか全然上手くない。


 一応理解しようとしてるのだが、さっぱりなのが多い。そもそも俺、魔法に対する適正高いはずなんだがなぁ。


 「『マルチ』」


 俺がそう唱えると、闇と闇が混ざり合ってどんどん威圧感が増していく。物理的にも。


 「いいぞ!その調子で…」


 ドン。


 とんでもなく重い音が響いた。どうやらあまりの高威力により、変な力を生み出してるっぽい。この魔術の本質は、空間に押し潰すこと。毎度おなじみダンジョン本には重力場をどうたら書いてあったが、さっぱり意味がわからなかった。


 「あの謎の新人、クラスさんと一緒に前線に出るってヤツ…さっきから相当な数の魔術使ってるんだけど…てか威力が初級魔術のそれじゃないんだけど」


 「おー、流石って言えばいいのか、戦闘前に大丈夫かって言えばいいのかわかんないな。あれ」


 話を戻そう。ここまでは問題ないのだ。魔術の行使までは。あと一歩がない。つまり魔術の同時多発起動である。


 「『マルチ』」


 2つ目…3つ目。そして最後の関門4つ目だ。ここさえできれば後は応用が聞くのだが…。


 「『マルチ』」


 「おおおおお!!でき…あ」


 気が抜けたのか魔力の供給をいくつかし忘れてしまった。お陰で残っているのは最後の2つのみ。難しいぞ。どう難しいか簡単に説明すると、水の出てくる柔らかい管を持って、それを全てから同じ割合で放出するために調整する感じだ。


 四つの同時発動は、指の間に管を挟んで脇でそれの調整をする感じなのだ。


 「今あいつ一瞬4つ魔術使ってなかったか!?魔力量も制御能力も可笑しいだろ!」


 「てかさっきあいつクラスさんに付け焼き刃だから期待するなって言ってたよなぁ!怖い、俺あいつ怖い!隠してるだけで二つ名持ちだったりしない!?」


 そんな事をやりながら指示が来るのを待っている。囮組の陣は、俺、クラスの二人が最前列に、その後ろに数を増やしつつ構える。一番後ろは補給部隊と低級冒険者だ。


 と言うか森の前に陣を構えたのだが、ゴブリン達が動く様子がない。これは森の前に陣を構えたのは失敗だったかもなー。


 「グギャァア!」


 は?


 「ふん!」


 ゴブリンの鳴き声がすると思ったらメイトが即座に切り捨てた。来たか…。最前列のもうひとつのの野営地にも伝え…って遠!これは直で行くより大声の方が伝わるかな?


 「ゴブリンが来たぞーーーーー!」


 するとクラスの方向から矢が飛んでくる。ん?なにか巻き付けてあるな…。それが刺さったところに行って抜くと…


 『分かった。即座に後退から、魔法団がゴブリンを殲滅。その後すぐに接近戦に移る。あと大声を出すな。軍の混乱を招く』


 と書かれていた。ああああ!始まる前に弓矢と紙を渡したのはそういう意味があったのか!マジかよめっちゃ恥ずかしいわ。


 そんな事を考えつつ、俺は魔法を行使していく。三つ連続である。一発撃つごとにゴブリンが一気に死んでいく。やべぇよこの魔術強えよ。


 「オラァァァァ」


 どうやらクラスが突っ走っていったらしい。


 「ゴブリンの雑魚共が!まとめて潰してやるぜぇぇ!」


 あいつの周りにどんどんクレーターが出来てんだけど。怖いよ。ってそんなことしてる場合じゃない。俺も仕事しないと。


 「メイト、ゴブリグラムみたいなやつ見つけたら片っ端から潰してくれ。おそらく指揮官級、じゃ無くても普通に強いから。」


 「了解した」


 そして俺は何をするかというと…



 鑑定!鑑定!鑑定!鑑定!鑑定!鑑定!見つけたこいつだ!


 死ねぇ!


 「ゴギャアァァ!」


 そう。俺が狙っていたのはゴブリマルという魔法を使うゴブリンである。魔法を撃たれると厄介なので俺はあいつ等を率先して潰していく方針に切り替えた


 さぁこっからは人間の反撃だ!覚悟しやがれゴブリン共が!



 …ま、俺ダンジョンマスターだし人間じゃないけどね。






 ◯◯◯


 ゴブリンを倒し始めて約一時間が経過した。最初は無策で突っ込むだけだったゴブリンだが、俺の魔術の兆候が見えると引き、止むと突撃といった作戦行動を見せるようになった。


 だからこそ絶対裏で指揮してる(やってる)やつがいると思うんだけれどなぁ。


 「おいこっちはもう片付きそうだぞ。」


 「こっちももうちょいだ。」


 奮闘してくれている冒険者達も、もうすぐ終わりだと感じていたのかより気合が入って見える。ま、俺の仕事はといえばゴブリマルどもをを殺すことなのだが。まぁそれももうすぐで終わる。そんな風に油断していると鑑定に恐ろしいステータスが見えた。


 ゼケ:ゴブリゾルト

 ステータス 

 M435

 S120

 A53

 G30

 W39

 スキル

 電気魔術

 魔力循環


 おそらくゴブリマルの上位互換なんだろうが他のゴブリンと比べて魔の力が高い。いくら冒険者とはいえあれを喰らったらやばいだろうと俺はそいつに向けて魔術を放つ。


 『グラメノ』


 『マルチ』


 電撃魔術か。どうやら一歩遅かったようで、冒険者の前線が一気に瓦解した。おそらく十人近くやられてるな。だがとりあえず倒したはずなので…ッ!?


 『『『『グラメノ』』』』


 4体もいたのかよ!しかも四体同時発射か。これはおそらく前戦壊滅してその上真ん中まで攻め込まれるな。冒険者のみんなごめん。


 「おい!やべえじゃねえか!やっぱり新人が大将ってのは無理があったんじゃ?」


 「クラスさんの判断だ。間違いないと思うがな」


おいそこの。言ってる暇あったらさっさと応戦しやがれ。そもそも俺が前線に行くこと自体俺了承した覚えないぞ。辞退もしてないからなんも言えんけど。メイトに頼りたいがメイトは今戦場を駆け回ってるだろうし呼び戻すのも悪い。ここは俺だけでなんとかしよう。


 「遠距離攻撃できる人はあいつらを集中的に狙え。接近戦のみの人は何とか前線を保って!」


 まあ無理だろうけどな。さっきの魔法攻撃でほとんどの前衛がやられてる。死んでなくとも、大怪我や気絶がほとんどだ。何とかここは俺が前線を維持するしかなさそうだ。


 「おう。助けに来たぜ。ずいぶん苦戦してるじゃないか」


 「あんたが突然前線とか言い出すからでしょうが!」


 クラスだった。いろいろ言いたいことはあるものの今そんなことを言ってもしょうがない。協力に来たならありがたく受け取らしてもらおう。


 「とりあえず前線を維持して。それだけでいいから」


 「おう。先輩に対して結構ガシガシ言うな。嫌いじゃねえぞ」


 残念だが俺は男に好かれて喜ぶ趣味はない。が、まあ助かったのは事実だしここは素直に甘えておくか。


 「てか自分の陣地はどうしたんだ」


 「ああん?そんなもん俺が全部ぶっ潰してきたのよ。なんかローブ着た謎の剣士も協力してくれたし早く終わったぞ」


 なるほどメイトもちゃんとお仕事こなしてるっぽいな。この戦いが終わったらご褒美上げよっと。

 そんな風に前線が回復していい気になっていた俺は、少し浮かれていたのかもしれない。


 「敵が後ろから攻めてきてるぞーーー!」


 は?ちょっと待て。あわてて後ろをみると、そこには圧倒的な威圧感を放つゴブリンと、ローブを被ったゴブリンがいた。鑑定を使用する。そこには


 「我らゴブリン軍団の前にひれ伏すがいい!ギャババババババ!」


 シャグゾウ:ゴブリザム

 ステータス 

 M215

 S652

 A325

 G482

 W615

 スキル

 指揮

 破壊衝動

 召喚ゴブリン


 な、は?は?ステータスが頭おかしい。しかも連れのゴブリンたちもやばい。これには劣るがそれでも強いスキル揃いだ。やばい。超嬉しい。


 「なんで嬉しそうな顔してんだ?」


 「え?嬉しそうな顔してたか?」


 「戦闘狂かよ…」


 どうやら顔に出てしまってたようだ。だが嬉しいのは本当だ。何故なら…。


 「作戦通り指揮は俺が取る。殿を任せたぞ」


 「りょーかい!」


 そう。この森の近く意外と狭いのだ。っていうか川に挟まれて作戦行動が取りにくい。だからこそ少数のゴブリンたちを殺し続けるのには適しているが、指揮系統が確立してるとなれば話は別だ。森の中の本陣に少数精鋭で攻め込み、本陣を叩く。


 まあその間俺たちは敵の目を引きつけておけば良いわけだ。だからこの作戦は長期展開をするわけだ。まぁ功績がほしいあまり命令違反とかはあるだろうけど、ければ俺には関係ない。


 俺たちはあくまで本陣を叩く…つまりオムズの部隊の囮だ。どのくらい時間を稼ぐかというと、二日である。


 少し話が飛ぶが、ダンジョンというのは多数の敵を相手取るのに非常に有利な位置である。管理者の立場から言わせると、ダンジョンの入り口を広くすると、DPを無駄に喰うので、利点がない。だからこそほとんどのダンジョンの入り口が狭いのだが、それはそうとして。


 2日経って連絡がない場合、俺たち殿はダンジョンに逃げ込みそこで戦闘を行うことになる。そう、そこでこの狭い入口がいきてくる。入り口が狭いことによって外側から大量の軍で人海戦術とはいかない。(ゴブ海戦術?)


 オムズは恐らく叩くまで戻って来ないし連絡もしないってかできないだろう。なので高確率でダンジョンへと行ける計算だ。ダンジョンまではおよそ半日。そしてダンジョンに逃げ込めば、兵士やゴブリンのステータス上昇や死亡で一気にDPが稼げるって寸法だ。ちなみに発案者は俺である。一階層は魔物も強いのがおらず安全だって説いたら通った。


 なーんて余裕かまして考えてると前線…というか低級冒険者だな、の奴らが吹き飛んだ。言葉通り吹き飛んだ。あいつ等ほんと貧乏くじだよなぁ。


 「主」


 「おゎ!ビックリした」


 そこにいたのはメイトであった。驚かされたのには納得がいかないが、しかしメイトが帰ってきたのは大きいな。おそらくメイト一人で前線を維持するのはぐっと楽になるはずだ。


 「メイト、不自然じゃない程度に前線を維持しつつゴブリザムを牽制してこれ以上前に進ませない様に。できるか?」


 「勿論」


 やっぱりメイトさん頼もしいっす。


 そして二日がたち…

          オムズ達は遂に帰ってこなかった。

次回はたぶん明日ぐらい(予定)

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