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ダンジョン日和!ー最強のダンジョンに至るまでー  作者: 波風 多子
第3章 人里日和!ー騒動の始まりー
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修行前日和!ー水面下で動く戦いー

ちゃんと投稿できたぜ

 謎の最前線宣言の後、慌てて我が家に帰って来た。やはり久しぶりの我が家はいいわ。我が家が一番!


 …馬鹿なこと言ってないでさっさと魔法するか。作戦まで時間は3日くらいしかないのだ。


 「メイト―!帰ったぞー!用があるから至急来てくれ。」


 「なんだ。」


 「うおっ!いたのかよ!?」


 後ろに立っているメイトに驚きつつも事情を説明する。つまりは最前線送りになったことなんだが。と、そこでメイトが冷静に突っ込む。


 「主よ。ひとつ言わせてもらうと組合には参加強制力はないのだろう?」


 「た、たぶん…。」


 メイトの言わんとすることが分かった俺は、うずくまって後悔する。


 「断ればよかったんじゃないか?」


 言わないでください。僕の硝子(ガラス)の心臓が砕けてしまいます。


 「えっとつまり、付け焼き刃でもいいからとにかく使える力が欲しいと?」


 「そうなんだよ。メイトに心当たりとかない?」


 「あるにはあるぞ。高原地帯に猫がいたろう?あいつらの一匹がナガクネスピュノヒュに進化したらしくてな。そいつに教わるといい。」


 ナガクネスピュノヒュって何でしょうか。即座に辞典で調べてみる。なるほど、ナガクネスピュノヒュってのは闇魔術系の猫か。


 ナガクネスピュノヒュ:闇の魔術を得意とする猫型の亡霊。共管という能力を持ち、触れた相手と意思疎通ができる。ただ彼らが意志あるものに触れるのは大変珍しく、無理に触ろうとすると魔法責めにされ殺されてしまうそうだ。


 なるほど把握。ナガクネスピュノヒュに魔術を鍛えてもらえと…。オイてか名前めちゃくちゃ言いづらいな!


 「あぁ…、スタピラーが闇魔術を覚えたあかつきにはきっと私は拘束されて力及ばず犯されてしまうのね…。」


 …ひとり恍惚としてる奴がいるが無視の方向で。


 とりあえずそこの階層まで転移で飛んでみるか……ということで転移!メイトを引き連れ高原地帯まで飛ぶ


 するとすぐそこでアヴァロンが出迎えてくれた。あれ、コイツこんな従順だったっけか?


 「ようこそいらっしゃった我が主よ。して何用で?」


 「あぁ、ちょっと魔法の練習をしにな。」


 「ナガクネスピュノヒュに用であったか。すぐ呼ぼう。」


 アヴァロンがひと吠えするとナガクネスピュノヒュが、ゲルミルバングの横に現れる。眷属召喚かぁ。いいなぁ。欲しいなぁ。取れないかなぁ…DPクッソ高いな。やめとこ。


 ナガクネスピュノヒュは、俺の姿を確認すると、唸り声をあげた。なるほど、たしかに俺は異物だもんね。そんなことを思いつつナガクネスピュノヒュに近づく。


 『我はお前の主。彼の者我の主。お前は共管使う。』


 おっと自分で話をつけようと思ったがその前にアヴァロンがやってくれたようだ。優秀な部下が多いなぁ。助かる。と、そこでナガクネスピュノヒュが俺に触れる。…うん。長いからテムとかいう名前にしよう。


 「テムって呼んでいいか?」


 コクリ


 良いみたいだ。


 「魔法教えてくれるか?」


 コクリ


 何こいつめっちゃ可愛いんだけどもふもふだし。なでなでしたい。めっちゃ撫でたい。


 「なでていいか?」


 ブンブン


 だめらしい。


 さ、触りたいなぁ。






 ◯◯◯


 想定外の自体が起きた。この街の一角にあった武器屋に置かれていた、かつて魔王を倒したとされる魔剣。それが盗まれたのだ。


 私の持てる部下全てを調査に回したが手がかり一つ掴めない。あれは、半端な魔力量では近づくことさえできない、とんでもない代物だ。


 それこそ戦略級と呼ばれる『神剣』や、『魔剣』と肩を並べるほどの力を持つ、いわゆる『呪剣(呪われた剣)』などと呼ばれるものだった。あれを使いこなす事で、奴を殺し念願を叶えることができたはずなのにっ!間違いない。この街にいる…まさかあの間抜け面した大罪持ちか!?まだ時期ではないと無視していたのがいけなかったのか。


 だからこそ今部下全てを呼んでいる。戦の準備をする為に。総力戦である。街にいてゴブリンどもと戦う気なら都合がいい。アァ、クソ気分がわるいな。気分を落ち着けるために自らを鑑定してみる。



 ???:???

 ステータス

 M9594

 S5426

 A2352

 G5008

 W1588

 スキル

 虚飾

 暗視

 暗殺

 隠蔽

 魔暴走

 献上

 偽装鑑定

 鑑定


 未だ自らの鑑定が完璧ではない。種族と名前がわからないのだ。果たして私は誰なんだろうか。とんでもないステータスである事にはそうなのだろうが。


 果たして私は何者なのか。これが分かるまでは少なくとも私は死にたくない。そして私が何であるかを分かるためには、奴を殺さなければいけないのだ。その為にはなんだってしよう。下等なゴブリンに頭を下げた時点でもう自尊心など捨てている。


 非情に、残忍に殺さねば。


 そう言って私は杖を取る。もはや引き返せないのだ。我が力が無くなろうと。()()()()()()()


 「おい。ローズ。」


 「は!」


 「戦の用意をしろ。最後で最期の戦になるやもしれん。」


 「お戯れを…」


 そう言ってローズが顔をあげる。マイキムトと言う黒い毛をした小柄な魔物。私の最愛の部下にして最高の従者。


 「いいか、私が死んだら私の財産は全てお前にやる。上手くやれ。」


 「そのお言葉を撤回して頂く為にもこの戦は負けられますまい。」


 「あぁ…

 

      そうだったな。」


 顔を上げると決意を固めたという部下達がいる。あぁそうか。そうだったな。




 …僕は。

感想、ブクマ、pt評価、ください、ください。あ、間違えた

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