ゴブリン日和!ー魔法を使えたたリーさんー
アニキ!空からた、んこ落ちて来やしたぜ!
ああ、あれは小説を書き終わって達成感に満ち溢れた私だよ。
へー、そうなん…え!!!???ドッペルゲンガ…ええぇ!!??
「おや、一般人かと思いましたが…違うのか。なかなか面白いスキルを持ってらっしゃるようで。」
直感で分かる。大罪スキルのことだ。ゲルニッカはおそらくこれのことを言っている。ゲルニッカの持っている大罪スキルが、俺の下位互換だった場合、負ける道理はないが、どちらでもない場合、ステータスで負けてる俺が勝てる道理もまた、ない。
「…知らないな。」
効果なんてないだろうが、あくまでしらを切り通すしか無いだろう。そもそも、勝てない戦いはしないのが生まれて間もない俺の信条だ。
「いいでしょう、今回は見逃しますよ。やりたいことがあるんでね。」
やりたいことが何かは知らないが関わらないほうがいいだろう…。そのまま去ろうとした俺は腰をあげると、場の空気が緩和する。やはりこの男、何かしていたな。
「貴方は何者だ。」
と、ここで。魔剣の魔力から開放されたブロが問う。平時なら間違いない対応だが、今回は時と場合が悪かった。
そもそも鑑定紙など使わずとも実力差は歴然、それこそ火を見るより明らかである。にもかかわらずゲルニッカに話しかけたのは、忠誠心ゆえか。しかし今回それが裏目に出そうだ。焦った俺はブロを止めようと…
「そ、そうよ!私のスタピラーに何の用よ!このへんてこ!ね、ブロ!」
馬鹿野郎があああああああああ!!!!!!!なぜ火に油を注いだんだよおいいいいい!!!!そしていつから俺はお前のものになったんだよ!!
「ほうほう。」
ゲルニッカが何故か感心したように頷く。
「随分慕われているようですね、特に一人…いや、なんでもありません。しかしヘンテコですか。面白い。」
殺意をみなぎらせて立ち上がる店員。やばい、逃げなきゃやばい!!!生唾を飲んで後ずさる。
そこへ、ドグとリーがやってくる。き、来ちゃダメだ…
「ふむ。やはり、今雌雄を決するのはあまり面白くないです。いいでしょう。暫くしたら、私から連絡するとしましょう。この剣は欲しかったですが…ね」
た、助かった…のか?
そして、ゲルニッカは空気が動くかの如く、自然にその姿を消した。
○○○
不安ながらも次の日を迎え、リーと集合し、ゴブリン討伐に向かった。
「結局あの人は、何だったんです?」
とリーが聞いてくるものの、
「知り合いだ。」
思考の中で頭をかかえる。ぶっちゃけ大罪スキルの正体がわからなすぎる。苦悩を味わうだの何だの。今のとこはそういうのはないけどちょっと怖い。
とそんなことを思っていたら、ゴブリンが現れた。一応購入しておいた魔力なしのレイピアを構える。正直魔法も剣術も使えない俺って役立たずだよな。
と、ここで一つ思いついたのだが、DPでスキルを取得できないかという事だ。
ちょっと試してみよう。スキルには初級、中級、上級とあるらしいのだが、まぁ、中級でいいか。上級はDPたかそうだからな。
「《取得中級細剣術》」
あ、出来た。うまく形容できないが、スキルを取得したということが漠然と分かるみたいな。そういう感覚がうちから湧き出してきた。
なるほどこういう感じね。
その状態で再びゴブリンに相対する。…本当に小さい人間みたいだな。奴らは見た目も醜いが、より醜いその性格より忌避される、魔物。
俺が構えたのを見て、リー達も構える。そして俺たちが構えた音でゴブリンも気付いたのか、こちらに飛びかかってきた。そこから繰り出される技は、ゴブリンの魔物として認めさせるには充分な威力だ。が、
『創火双乱舞』
と。リーの放った魔法によりもはや地獄のように、目の前が赤に染まり、ゴブリン達を包み込む。まあ、そのゴブリンにとって間違えなく地獄だったろうが。てかリーさん魔法も使えたんですね…。
しかしこんなところでゴブリンがいるか?と思いリーに質問したが、おそらく狩りに来たオスだろうと言われた。なるほどそれなら納得なのだが、が。
「なんでゴブリンが農耕してんだ?」
これ、思った以上に辛そうだ…。
最近読者さんに100pt超えて喜んでおります!
みなさんのおかげでございます。ということで、
評価をください。




