遭遇日和!ー遭遇する冒険者ー
スゴークどうでもいいんですけど眠いです
一日ほど歩いただろうか。城壁が見えてきた。見ると。
「おい、あれはどういうことだ。」
「すごー。」
「雄大ですねー」
巨大な城壁を前に口をポカンと開けるブロとドグ。まあ俺もなのだが。
城壁に沿って並ぶとんでもない数の人が見えた。そして、その列は何列にも重なっており、尋常ではない人の多さにあっけにとられる。耳が生えた商人や冒険者。魔物をカゴに入れて歩く魔物商。長蛇のごとく人が連なる姿は、圧巻の一言であった。
「なんの列だ?あれ。」
「ケバビーへの正規入場門です。初めて来る人やしばらく来てなかった人は、列に並ぶんです。」
…あれ入るのにも2日くらいかかるんじゃねえの。
「なぁ、俺初めてここに来るんだが…」
「私がここに住んでるから、勝手口っていうか自由門から入れますよ。」
俺が全て言う前に不安を解消させてくれた。よ、良かったー。あそこに並ぶとか嫌だよ俺。
自由門は小さめ…否大きいのだが、本門よりは何回りか小さい門だった。槍を構えた門番は知り合いも多いのか、行き来する人に頻繁に声をかける。
かくいうリーも門番の人に声をかけられていた。
「おっ!そこにいる男はお前の恋人か愛人かなんかか?リーおい!俺はそういう趣味は否定しねぇけどよ!ぶひゃひゃひゃひゃひゃ。」
「ちょ、違いますよ、この人はただの…っていうのも違いますけど命の恩人です!どつきますよ!剣でどつきますよ!」
顔を赤く染めて拳を握り締めるリー。結構仲いいのかな…。
「はっ!また扱いてやろうか?一年前なんて剣に振られてたくせに!」
「うるさいですよ!もう行きましょうみなさん!」
そう言って強引に俺の手を引くリー。なされるがままに引きずられていたら…
「まだちっちゃいんだから無理すんなよ!朝も夜も!」
「黙れ!」
…仲いいなぁ。
そんな目で見ていると俺の手をドグが引っ張ってきた。なんだと思ったら…
「ますたーはおんなたらし。」
「やめろバカ!!」
○○○
「ココですよ!冒険者組合。」
そこにあったのは大きな建物。木造で質素な見た目に、瓦の屋根。随分と古く造られたことが分かる。そして古めかしい見た目にそぐわず、人の往来はとても激しい。
そして扉に手をかけ…扉を開けてその大きさに驚く。というか、人が多すぎる。酒場と隣接している受付は、6つの窓口全てに人が並んでいる。受理と依頼と報告か。反対には依頼と受理、あと総合。
奥にある酒場からは騒がしい声が聞こえ、繁盛が伺われた。
他の三人を酒場に置いて、受付のうちの総合に並ぶ俺とリー。隣の受理の列にふと知った顔が見えた。そしてその顔の人物はふとこちらを向いた時言った。
「ペルシャじゃん。」
「スタピラーさんじゃないですか。」
以前のこと(ダンジョンバトル前)があったからか、少しよそよそしいペルシャだが、会えたことに喜び半分困惑半分といった顔でこちらを見つめる。…恥ずかしい。
「どうしたんですか?スタピラーさんが街におりてくるなんて。」
「俺のことを山にこもるモンスターのような認識をしているならば早急に改善を要求する。」
「えっ?ちょっと待って下さい。」
リーが唐突に声を掛けてきたのでそちらを見ると、心底困惑した顔でこっちを見てきた。
「お知り合いだったんですか?」
「あー。うんそうだけど。」
「ぇぇぇぇぇええええ!?」
驚くリーをわきに、ペルシャが本題に入る。
「なぜギルドに?」
「いや。登録しとこうと思って。」
直後ペルシャが俺の肩を掴んで揺さぶってきた。
「冒険者は色々と危険なので危ないんですよ?危ないんですよ!?」
知ってるし。文法おかしいし。てか俺どんだけ弱いと思われてんの。
「いや。俺そんな弱くないし。あとあいつらもいるし。」
そう言って酒場にいるブロ達を指差す。
「女性じゃないですか!いや弱いとは思ってませんよ。ただ依頼を受けて詐欺されたりとかそういうことが俗にあるんですよ?だから俗世慣れしてないスタピラーさんはちょっと心配っていうか。」
「舐めんな。そもそもそこまで俗世慣れしてないわけじゃないし、いざとなったらギルドに言うし。」
「ていうかあの方たちは?」
「あぁ。こいつ等がブロとドグで姉妹だ。こっちはクレセイノ。まぁ、友達だよ。」
と、そんな会話が暫く続いた。
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