お出かけ日和!ー気分的にお出かけ日和ー
三本目。今日はこれで最後。
ある朝のことでした。その日はとても晴れていて、スタピラー(俺)は、機嫌が良かったです。なのであることを思いつきました。
人里に出てみようと。もうお分かりでしょうか。ここ臨海商業巨大都市ケバビー。大きさは約1440トロム(面積)。都市全体で。また、そこは半島になっており、半島の先の先にあるもんだから、俺のいる森の川の上流に居を構える俺達は川に沿って歩けばよかった。歩けばよかったァァァァああああ!
も う お 分 か り で し ょ う か。
はい、森を出てすぐのところに冒険者が倒れています。早急なフラグ回収ありがとうございました。
○○○
「今日は機嫌がいいな。木の間から差し込む光が心地よい。メイトは嫌がるだろうが。」
「いやっほーい!」
すっかり元気になったドグが、ケルシー(葉っぱに擬態する魔物)との追いかけっこに夢中になってる。…いつの間に仲良くなったのだか。
「マスター。お茶です。」
「ああ、うん。ありがと。ブロ。」
DPで出すからいいって言ってるけど、ダンジョンバトル以降DPの節約と、マスターのお世話と言ってやめないのだ。
「あら、モテモテね。ついでに私を構ってもらえると嬉しいのだけど。」
モテモテか…?これ。
あれ以降。クレセイノが俺のそばに控えて、帰らないのだ。いや実のところ一瞬で帰れるのだが、あいつ隙あらば俺の貞操を狙ってやがるので要注意。
何かと便利だからそばに置いてるけど、飽きたら帰れって命令するかな。ちなみに名誉の為言わせてもらうと、未だ私の貞操は守られております。
そんな時間を過ごしていると、俺は衝動的にあることを思いつく。
「よし、人里に行って見るか。」
その言葉に、メイト以外の全員が目を輝かせる。
「メイト。乗り気じゃないのなら留守番お願いな。」
留守をメイトに任せるとメイトはお辞儀をしてダンジョンへ戻ってった。嬉しそう。めっちゃ嬉しそう。
「お前ら、準備はいいか。」
「私はいつでもいいわよ。化粧とかしないし。」
「わたしもいいー。」
「私も異論はありません。」
なんかすげー衝動的だがまあいい。俺も荷物をまとめて行くか。取り敢えずテントだろ、川に沿っていくから水はいいとして、鍋と金か?金はないからテントと鍋でいっか。香辛料と塩も。
その場でDPでだして、整えればいいからまぁ手ぶらていくか。
そんなこんなで、川に沿っての野営生活が始ま、らなかった。森の途中でレッサーワイバーンに懐かれ、空をゆうゆう森を超えたところで冒険者を見かけ今に至る。
レッサーワイバーン?あいつは森に返しましたよ。クレセイノがめっちゃ反対してたけど。これもスキル【リーダーシップ】の恩恵かな…。なんのスキルかわからないけど。
わからぬ。が、とにかく今は冒険者だ。何故わざわざ助けるかって?美女だからだよ。ぶっちゃけた話男が倒れてても助けないね、俺は。
「おいあんた。大丈夫か?」
人間として動いている手前、見捨てる訳にもいかず声をかけてみた。
「うう。…うぁ。」
聞こえたのは美しい声。極上の声天使の声とでも言うのか。そんな声だった。嘘。ちょっと盛った。
うつ伏せを仰向けにひっくり返し、顔を確認する。そこにいたのは俺の想定通り美女であった。
20中盤かな?大人しい色気を放つ唇に、白い肌。相反した色のコントラストが、神秘的な美しさを描き出している。深い青髪は、長く降ろされており、彫りが深いその顔は、美人であることを際立たせた。閉じられた瞳は微かに動くが、意識がないのか開く事はない。
なんだろ。この人には残念美人であってほしく…ないなぁ。クレセイノをちらっと見ると、彼女は不思議そうな顔をしてこちらを見返していた。
顔はいいんだよ。顔は。
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