疑念日和!ー友人だったペルシャー
また投稿が遅れたのだ!
すいません。
とりあえずダンジョンバトルとはなんだ。俺はまだダンジョンについて知らなさすぎる。ダンジョンバトルの本とかないかな。あの神様のことだもん絶対あるだろ。むしろないとこっちがピンチ。
あ、あった。多分これだな。ダンジョン同士の交流。これだなダンジョンバトル。とりあえずこれ読破してダンジョンバトルについて知っとくか。…なになに?
ダンジョンバトルとはダンジョン同士がダンジョンの誇りと強さを競う、賭け勝負である。自分のダンジョンが勝った場合は相手が準備期間を含むダンジョン開催期間内に使ったDPの量と対等な要求をすることができる。要求はある条件内の中で制限がなく、アイスおごってから俺の所有物になれまで相手にできることならなんでもさせられる。
うわぁ。軽い感じでうけちまったが結構酷いなダンジョンバトル。
勝てばよいが、負けたらダンジョンバトル期間内に使ったDPと同じだけの要求をされる。つまり期間内にDPを節約しつつ勝つのは必須か。また、所持DPが1000以下の場合、自分の半分以下のDP使って戦った場合負ければ相手側に自分の残りDPの半分を取られるらしい。1000DP…もないな。これ、別にいいんだが、1DPの価値がビミョーに分からないからあんまり使いたく無い。
ぶっちゃけ相手の戦力もわかんないし。そんな状況で戦うのはあまりよろしく無い。ということでまずは情報集めから始めよう。部屋の中を見回していると、実験書みたいなものがあり、そこには魔方陣が書いてある。なんだこれと思いつつ、描いてあった一つの魔法陣を描いてみる。"魔法系統:水 水発生効果。魔法陣を描き、手をかざすと発動。使用すると魔法陣は消滅。"だそうだ。
指示の通り手をかざすと、水が溢れ出し…俺の意識は闇へと消えた。
○○○
……………。
「……さんっ!……、ピ…さん!」
小さく聞こえる声に、意識が朦朧とするも何とか回復した。そこには手を振る女性がいた。真っ白い空間の中、俺の意識は覚醒し、そこにいる女性を捉えた。人間離れした美しさに見とれていると、突如右頬を痛みが襲う。
右を見るとそこには涙を流すペルシャが。首を傾げて前を見ると、そこには真っ白な空間などなく小屋だった。不思議に思ったもののそれは一旦おいて。自分をたたいたのはペルシャのようだ。
「あっ…!」
目を開いた俺に、驚いたように声を上げたペルシャ。それから泣いてたのが恥ずかしかったのか、サッと目を伏せる。可愛いですごちそうさまでした。
「あ、あのしんじゃったかとおもって…す、すいませ、」
「ペルシャ、いつ来たの?」
「ついさっきです。」
「…ありがと。それと俺がどうして倒れたのか知ってるか?」
自然な感じで聞いたのだが、帰って来たのは意外な答えだった。
「それには…スタピラーさんの秘密を明かしてもらいます。隠し事してますね。別に私に聞く権利なんてないですが…嫌なら教えません。ただ教えなかったからと言って何かする訳でもありません。」
どこで気付かれた?なぜ今のタイミングなんだ?そう思って周りを見渡す。
「この水なんですか?おそらく魔力過多で倒れたんですよね?どうしてそれで生きていられるんですか?」
しまった!ここで魔法知識の無さが完全に足を引っ張った。
「教えてくださいッッ!!」
これは信用できるのか?なんだかんだ言っても相手は人。そう、ダンジョンマスターである、人間側だ。言い触らされたらたまらないが、かと言ってペルシャとの関係を悪化させるのは嫌だ。情報源としてではない、友人として。
天秤にかけられない…ような二つの選択肢が俺の中でせめぎ合って頭の中でぐるぐるしている。命を失う可能性。友人を失い情報源も失う可能性。
何が最善なのかを自分の頭で考えろ。自分の正体を明かす事によって生じる、敵対される可能性と情報と信頼。何が最善なのかは分からないが、
リスクが高すぎる。
命がけ、すぎる。どうして急にこんな境地に立たされたんだ?どうしてッ!?なんでこのタイミングなんだ!
「召喚《対象の一時間前からの記憶を消す魔道具》」
「えっ!ちょっと何やってるん…」
結果。逃げた。恐怖と関係性から逃げ、安全策を取った。多分、最善の選択。
「あれ?なんでこの部屋濡れてるんですか?ていうか私いつの間にここに?」
不安や疑念などない純粋な眼差しが、痛くて痛くてたまらなかった。
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