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君が変えた未来

作者: 葉耶

今回、初めて書いた小説なので文や表現がおかしい所があるかもしれません。ご了承ください。

※龍馬君目線での話です。

 俺の名は龍馬、名前の由来は両親が歴史好きで特に坂本龍馬が大好きで龍馬と名付けられた1人っ子だ。身体があまり強くなく、結構な頻度で病院に行くけれど、ごく普通の中学生だ。

 ある日体験した夢か現実かよくわからない出来事を除けば…だが。


ーーー中学2年生6月ーーー

 部活が終わり、自分の部屋でゆっくりしていると…普段より早く睡魔が襲ってきて、ベッドに倒れ込むように眠りについた俺は、目が覚めると…変な空間に居た。何が起きたのかわからず辺りを見回していると、突然後から声をかけられた。

「 初めまして、突然の出来事で何が起きてるのかわからないって顔してるね。」

 振り向くとそこには男か女かわからない真っ白な子がそこにいた。

(見た目的に15、6歳ぐらいの子だろうか?周囲にはこの子しか居ないようだし、とりあえず名前を聞いてみるか…。)

そう思った俺は少年(?)に尋ねた。

「…君は一体誰だ?」

「ん?僕?僕の事はそうだな…ロンとでも呼んでくれないか?」

 ロンは無邪気な少年のような笑顔を浮かべてそう言った。その顔が誰かに似ているような気がした。

 名前を聞いたわけじゃないんだが…と思いながら俺は、

「えーっと、ロン…ここはどこなんだ?俺は自分の部屋を出た記憶が無いぞ??」

(それに、誰かに運ばれたのならすぐに気付きそうだが…。)

「ここはそうだな…例えるなら、脳内の談話室みたいなとこだよ龍馬君。」

「脳内の談話室…??何わけのわからないことを言って…え?な、なんで俺の名を?!一言も名前を言った覚えは…!!」

「なんで知ってるのかって?簡単な話じゃないか、ここには僕が招待したからさ。」

「はぁ?!なんで俺を招待したんだ??」

(俺はこいつと出会ったことなんてないし、外国人に知り合いとか居ねぇのに…。)

「君なら僕の話を最後まで聞いてくれるかなーと思ってさ。」

(そんな適当な理由で俺が選ばれたのか…?ロンの話を聞くためだけに??)

 呆れてモノも言えぬ俺を見てロンが、

「ダメ…かな?」

 とても悲しげな表情で見上げてきた。

「…わかったよ、聞けばいいんだろ?ロンの話を。」

 俺の返答に、ロンが表情を一気に明るくしながら言った。

「やった!!ありがと!!龍馬君!!」

(意外と肌が綺麗なんだな)

と関係の無い事を思いつつ、俺は尋ねた。

「それで?話っていうのは??」

「うん、実は…。」


 ロンは友人Aととても仲が良く、ゲームの話や好きな子の話などをよく話す程だった。

 しかし、ある時から友人Aの事が嫌になった。

「原因としては多分…普段はなんとも思わない些細な事、例えば突然後から軽く叩かれたり、他愛ない話でコンプレックスをいじられたり…。友達同士なら普通にするような事が僕にとってはストレスでしかなく、それが限界を迎えたからだと思う。」

 どこか遠くを見たままロンが言った。

「それに気付いたのなら直接友人Aってやつに言えばよかったんじゃないのか?」

「普通ならそうするんだろうね…でも、僕は違ったんだ。関係が崩れるかもしれない事に怯えて、してはいけないことをしてしまった…。」

「してはいけないことってなんだよ??」

(一体どんな事をしてしまったんだ…?普通に考えるなら他の友達に愚痴ってしまったとかそういうのか??)

「それは…これ以上一緒に居たらもっと嫌いになってしまうそれだけは嫌だと、そう思っていた僕はSNSに書き込んでしまったんだ。友人Aと一緒に居たくない…と。」

「それは…。」

(中学生の俺でも知っている。)

 近年SNSを利用していて、何気ない一言でトラブルに発展し、酷い場合ではイジメの原因になってしまうと。

「わかっているよ、それがどんなにいけない事かなんてさ。」

「知っていてなんで書き込んだんだ??」

「気持ちがどうしても抑えられなくてね、気付いたら…って。」

「そんな事書いて、友人Aとはどうなったんだよ?」

「僕はすぐ消したんだけどね、友人Aはそれを見てしまった後だったみたいで…それからは近寄る事さえ出来なくなって、もう彼から話す事は無いんだなってそう思ったよ。」

「おかしくないか?そんなに仲の良かった友人なら、いつから嫌いだったのかとか色々聞いてくるだろうし、全部話して和解するとか出来たはずだろ??」

(もし無理でも、同じ立場なら俺はどうにか和解しようとする…なのに、なんでロンは…。)

「彼から聞いてくる事は無かったし、全部話して和解するには何もかも遅すぎたんだよ、龍馬君。」

 ネガティヴな事ばかり言っているロンに対し、イラッとなった俺は思わず…怒鳴ってしまっていた。

「何もかも遅すぎるなんてことあるわけないだろ?!そう思うって事は、和解を諦めたって事じゃないか!!」

 我に返って、すぐに怒鳴った事を慌てて謝ろうとした俺を遮るように、ロンがポツリと呟いた。

「…僕は和解を諦めたわけじゃない。」

 さっきまでの雰囲気と違うロンに気圧されながら俺は

「…一体何があったんだ?」

 それだけしか言えなかった。そんな俺をチラッと見てからロンは言った。

「彼は…僕の書き込みを見て自殺したんだ。」


 俺はそれを聞いてしばらく何も言えず、その場で立ち尽くすしかなかった。そんな俺の様子を知ってか知らずかロンがそのまま話を続ける。

「次の日にね、彼にきちんと書き込みについて謝罪をしようと思っていたのに、HRが始まっても来る気配がなくて不思議だったんだ。彼は遅刻するような人じゃなかったから…。教頭先生が慌てた様子で教室に来て、友人Aが自殺したって聞くまでは…。僕はその時に彼の死を知ったんだ。」

 衝撃的な内容に対し、俺はしばらく悩んだ結果…。

「その時点ではロンの書き込みが原因だと決まってないだろ?」

と、素直な疑問をぶつけてみた。

「そうだね、でも…家に帰ってSNSを開いたら友人Aからのメッセージが届いてたんだ。『そんなに俺とが嫌なら俺が消えればいいんだろ?望み通り消えてやるよ』ってね。後から聞いた話によると、家の方で親や兄弟達の言い争いの仲介役をしていたらしく、それで心身共に疲れきっていて…そんな状態だったのに、僕の書き込みを見つけてしまい…。」

「…。」

 どう答えたらいいのか考え込んでいる俺を見てロンは

「ごめん…こんな話反応に困るよね。でも、僕の後悔を誰でもいいから話したかったんだ。」

と申し訳なさそうな顔をして謝りながらそう答えた。

「無理矢理連れてきたくせに謝るなよ。そりゃ友人が…自殺したなんて聞いて反応に困らないやつは居ないし、そもそもそんな話をした所で友人Aが生き返る事はないけど、俺なんかが話を聞くだけでロンの後悔を少しでも減らせたのなら構わない」

 俺の言葉にロンは少し驚いたような顔をしていたけれど、すぐに微笑みながら

「ありがと……。」

 (ありがとの後に何か言っていた気がする)

「さっき…。」

 疑問を言葉にしようとした時、ロンに

「よし、そろそろ時間だね。」

 そう言われた。俺は何のことかわからず首を傾げていると、

「もうすぐ僕達はそれぞれの帰るべき場所に帰る時間なんだよ。だって、僕は後悔していたこと全部君に伝えられて満足したからね。」

「へ?」

 思わず変な声を出してしまった。そんな俺を可笑しそうに見つめながらロンは

「そういや、君が勘違いしていそうだから一言言っておくと、僕…君より一回り以上年上だからね?」

 今までの話と関係ない事を言ったロンに対し、状況に全然追いつけていない俺は間抜けな面をしながらただ見つめ返していた…気がする。何故かこの辺の記憶が曖昧で、もしかしたら何か言い返したかもしれないが、全く覚えていない。ただ、最後に…

「本当にありがとね、龍馬君…無理矢理だったけど、()の話を最後まで聞いてくれて。君はきちんと気持ちを直接伝えろよ。」

 どこか遠い所からロンの声が聞こえた。



 目を覚ますと、俺は自分の部屋のベッドの上に居た。夢を見ていたのかもしれないが、とても現実味があり、本当に夢だったのだろうか?と悩むほどだった。


ーーー数年後ーーー

 社会人となった俺は、最近ふとした時に思い出すことがある。

 それは、高校入学して半年後、俺と同じクラスにいる友人…黎斗(あきと)と、一緒に居るだけでストレスになっていた時の事だ。

 当時は、表面上には出さないようにしていたが、何故こんなにも友人であるはずの黎斗と一緒に居てストレスを感じてしまうのか全くわからず、イライラしていた。

 ある日、そんな感情をどうにかして収めようと思った俺は、衝動的にSNSに書き込もうとした。その時、今まで何度思い出そうとしても思い出せなかったロンの話を突然思い出し、直接話す事を決意した俺は翌日、俺は思っていた事を全て黎斗に話した。

 その後、黎斗から謝罪され家族間の問題で精神的に疲れていた事を聞き、俺も気付いてあげられなかった事を謝罪し、前よりも仲良くなることが出来た。もし、ロンの話を聞いていなかったら、俺と黎斗の仲に亀裂が入っていただろう。そして、ロンが話した通りの事が起こったとしたら黎斗は…。

 ロンの話と似たような出来事があり、俺はロンがもしかしたら未来から来た俺で、黎斗を救えなかった事をいつまでも後悔していたのかもしれない…。そして、黎斗を救う為にわざわざ俺のとこに…。


 気付いたら何も無い原っぱに着いていた。どうやら、考え込んだまま歩いて来てたようだ。寝転んで空を見上げてみると雲一つない青空だった。

 周囲には誰も居らず、俺はポツリ…独り言を言った。

「ロン、君のおかげで俺は友を失わずに済んだ。ありがとな…。」

 届く事の無い声に『こちらこそ、友を救ってくれてありがとう。』そんな返事が聞こえ、慌てて立ち上がってみるも誰も居なかった。

 もう一度寝転んでゆっくりしようとしたら携帯が鳴った。俺は、友の元へと走り出した。

読みにくい所があったかもしれませんが、最後まで読んで下さりありがとうございました!!

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