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魔王と勇者と厄災の魔女  作者: いわなです
第1章『厄災の魔女』という名の少女
8/15

番外編 夢のユウくん

初の番外編です

 ティナスならわかるかな。


「ティナスおはよう。今日マヤ、ユウくんの夢見たの。でもね、なんか違うの。」


「ん、おはよう。どんな夢だったんだ?」


「昔の夢でね、ユウくんと一緒に魔法の練習してたの。でも、ユウくんがおかしいの。ティナスみたいに、マヤのことかわいいって、大好きって言ってたの。魔法上手だって褒めてくれたり、頭撫でてくれたり、名前呼んでくれたの。ユウくん、マヤにそんなのしたことないよ。ティナス、なんでかわかる?」


「…マヤは、それを見てどう思った?」


 どう思った?

 ユウくんは優しかったけど、ティナスとは違う。でも、夢で見たユウくんはティナスみたいだった。


 …


「ユウくん、まじょ、魔法で新しいことできたの。そこ、切れろ。」


 スパン


「ね、すぐに木、切れるの。まじょの魔法すごい?」


「ああ、本当に魔法が上手なんだな。」


「ユウくんもすぐにできるよ。」


「ありがとう。でもこれ、人に使うなよ。」


「うん、わかった。」


 ユウくんは優しい。まじょに石投げないし、まじょのこと見てくれる。まじょと話すのユウくんだけ、笑ってくれるのもユウくんだけなの。

 でも、ユウくんだけまじょのことまじょって、『厄災の魔女』って呼んでくれない。


「ユウくん、もう魔法いっぱい練習したよ。次何するの?」


「そうだな、今日は一緒に魚を捕ろう。川で魚を採って、一緒に食べよう。」


「うん、川行く。」


 ユウくんと一緒。まじょ、ユウくん大好き。まじょ、いっぱい魚捕る。


「上がれ。解けろ。」


「たくさん捕れたから、そろそろ終わろうか。お疲れ。」


 ユウくん、頭撫でてくれる。暖かい大きな手、まじょこれ大好き。

 あれ、ユウくんそんなに大きかったっけ。


「魚、焼けてきたね。はい、先に食べて。」


「まじょ、ユウくんと一緒に食べるの。」


「わかった、わかった。じゃあ一緒に食べよう。せーの、」


「「いただきます。」」


「おいしい。」


「はは、大袈裟だなあ。塩かけて焼いただけだよ。本当にかわいいなあ。」


「ユウくんと一緒だからおいしいの。誰かと食べるのはおいしいって、教えてくれたのユウくんだよ?」


 まじょに教えてくれるのはユウくんだけ、ご飯食べてくれるのも。

 あれ、何か…違う?


「まじょ…『厄災の魔女』、大好きだよ。」


 名前、ユウくんが名前呼んでくれる。大好きって言ってる。まじょも大好き。

 違う。


「お前の名前は…マヤだ。マヤ・アレグル」


 マヤ、まじょの名前。ティナスが付けてくれた、名前。

 違う、マヤの名前、『厄災の魔女』。ユウくんも呼んでくれたの、大好きなユウくんが言ってたもん。ユウくんもまじょが大好きって。

 あれ、ユウくん大好きって…言ってくれた?


 …


「おい、どうした?」


「ティナス、マヤのこと好き?」


「どうした、急に。自分の娘だぞ、もちろん大好きだ。」


 あ、ティナスだ。あのユウくん、ティナスだったのかも。それなら。


「マヤも、大好きって思ったの。あれ、ユウくんじゃなかったの。ティナス、大好き。」


「夢のことはもういいのか?」


「うん。」


 ティナスが、まじょをマヤにしてくれた。マヤはティナス大好き。


「なら、朝飯を食べよう。ほら、早く座れ。今日のパンは焼きたてだ。」


「うん、食べる。」


 一緒にご飯食べるのはティナスだけ。


「「いただきます。」」


 いつか大好きなティナスと、夢で見たみたいに、一緒にお魚食べられるかな。

個人的に『まじょ』の、子供らしいのに少し異常で無茶苦茶な思考を書くの、凄く好きです

※すみません、移動できなかったので投稿しなおしました。ご迷惑をおかけしますm(_ _)m

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