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魔王と勇者と厄災の魔女  作者: いわなです
第1章『厄災の魔女』という名の少女
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『厄災の魔女』は待つ

週1話以上と言いつつ1日1話以上更新しております

 お家の中はすごく広かった。

 まじょ、お家の中見るの初めて。まじょの作ったお家は、魔法で土を小屋の形にしただけだったし、村にあるお家の中がどうなってるかなんて見たことなかったから、すごい。椅子があってテーブルがあって、ふかふかしてて背もたれがあるやつ、あれがソファーだよね。

 あ、ベッドもあった。これだけはまじょ、ちゃんと作ったからわかる。このベッドすごくふかふかしてて、暖かそう。


「解けろ。」


 でも、なんでティナス寝ちゃったのかな。そういえば会ったときも、ティナス倒れてた。よし、ティナスが起きるまでに、ご飯作ろう。きっとお腹が空いてるんだ。

 お家には台所があるらしいけど、まじょは魔法上手だからそんなのなくても困らない。

 森の中なら食べ物もいっぱいあるし、なんでも作れる。あ、でも川がないとお魚は取れないか。ユウくん、ご飯作ってくれるのに食べてくれたことないから、まじょのご飯、誰かに食べてもらうの初めてだなあ。



 帰ってくると、ティナスは起きてた。


「ティナス、えっと、ただいま?」


「おかえり、なぜ疑問形なんだ?」


「ただいまって言ったの初めてなの。おかえりって言われたのも初めて。だからまじょ、合ってるかわかんなかったの。」


「…」


 ティナス、変な顔してじっとまじょのこと見てる。なにかあったのかな。


「手に持ってるのと浮いてるのは何だ?」


「熊とキノコと野草でご飯作ったの。まじょ、魔法上手だからお皿も作って、料理もできるんだよ。ユウくんが教えてくれたから、絶対においしいの。ティナスはまじょのご飯食べる?」


「…いや、こいつの魔法が常識はずれなのはもう見たか。」


 どうしたのかな、ティナスもユウくんみたいに、まじょのご飯食べないのかな。まじょのご飯ダメなのかな。


「ティナス、まじょのご飯食べない?」


「違う、食べる食べる。ちょうど腹もすいてるし、なにより良い匂いがするからな。」


 ティナス、まじょのご飯、食べてくれる。


「うん、じゃあテーブルに置くね。まじょこっちに座るから、ティナスそっちに座って。ティナスの大盛にするね。」


 まじょ、一緒に食べるの初めて。


「ティナス、早く食べよう。」


「ああ、温かいものは温かいうちに、だな。」


「「いただきます。」」


「おいしい。」


「うまい。」


 おいしい、いつもと同じ味なのに不思議。いつもよりたくさん食べられそう。


「なんで自分で作った料理に驚いてるんだ、味見しなかったのか?」


 ティナス笑ってる。おいしいって言ってた。


「したよ、でもいつもよりおいしいの。味見の時は普通だったのに、今はおいしいの。」


「そりゃあ、一人よりも誰かと一緒に食べる方がうまいのは、当たり前だろう。」


「?まじょ、誰かと食べたことないよ。まじょ、ユウくんとご飯食べたことないし、ユウくんに教えてもらってないよ。だから知らない。」


 ユウくんも知らないことあるんだ。ユウくんが会いに来たら、一緒にご飯食べてくれるかな。


「…そうか、ならこれからは俺と一緒に飯を食おう。飯を作るのもな。どうせ、一緒にここに住むんだからな。」


「うん、まじょ、ティナスと毎日ご飯作って食べる。それと、ユウくんが会いに来たら、ユウくんも一緒にご飯食べても良い?」


「…ああ、そうだな。」


 ユウくんが会いに来るまで、まじょ、ティナスと一緒。

 ティナスはユウくんと同じ眼の色で、ユウくんと同じで優しくて、笑ってくれる。だから、まじょ大丈夫。

 ユウくんが会いに来るの待ってる。

前回、ティナス変な人連呼されてましたが、見ての通り彼は変態さんではありません

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