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魔王と勇者と厄災の魔女  作者: いわなです
第2章 幸せとティナス
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アルとティナス

更新ペース低下してます

 初めて町に来て、ほんとにいっぱい魔族の人たちがいたの。でも、誰もマヤのこと見ても気にしないの。石投げないし、逃げたりしないの。ちょっと変な顔する人もいたけど、ティナスの方見たらすぐに気にしなくなるの。

 ティナスの言った通りだった。眼の色変えるだけでマヤ、町に来ていいんだ。

 それで、初めてお店に入ったの。


「いらっしゃい。お、アルじゃないか、久しぶりだな。」


「よう、カタル最近調子はどうだ?」


「特に変わりはないが、昨日初めて竜族系の客が来てよ、髪が固いのなんのって。自慢のはさみが二本も欠けやがったんだ。まあ、職人の意地できっちり仕上げてやったがな。」


「竜族系か、珍しいな。」


「だろ?だがまあ、それでなにがあったって訳じゃあないんだが。それよりも、今日はなんの用だ?」


「ああ、それがな」


「お父さん、アルって?」


「ああ、そうだった。この町ではお父さんの名前、アレグルを略してアルって呼ばれてるんだ。」


「そうなんだ。」


 だからマヤ、ティナスじゃなくてお父さんって呼ばないといけないのかな?


「アル、その子供どうした?」


 マヤのことだよね。


「初めまして、マヤです。お父さんが、お世話になってます。」


 手を前にしてお辞儀する。

 ティナスに教えてもらった、ティナスのこと知ってる人にする挨拶。この人、ティナスと楽しそうに話してたから合ってるよね。


「…おいアル、こんなかわいい子供、どこから拐ってきた?」


「人聞き悪いことを言うんじゃない。ちゃんと話し合いと同意の上で、こいつは俺の大事なかわいい娘になったんだ。な、マヤは俺が好きで、一緒にいたいんだよな。」


「うん、マヤ、お父さんのこと大好き。ずっと一緒にいる。」


「ああ、俺も大好きだ。」


「でれでれだな、おい。かわいいし羨ましいなあ。おい、お前と俺は独身仲間だったはずだろう?」


「マヤは俺の娘だ。独身なのは変わってないだろう?」


「そうだけどよ…潤いがなあ、違うんだよ。こんなかわいい子が毎日一緒に、」


「そんなことよりも、さっさと仕事をしろ。」


「そんなことじゃねぇだろう。あー、まあ仕事するか。で、なんの用なんだ?その嬢ちゃんか?」


「ああ、こいつの髪をきれいにしてやってくれ。」


 マヤの髪?


「マヤの髪、お父さんが毎日きれいにしてくれてるよ?」


「マヤ、こいつはカタル。俺の知り合いで、人の髪をきれいにする職人さんなんだ。だから、俺よりもずっとマヤのことをきれいにしてくれるぞ。」


「そうなの?」


「ああそうだ、俺はきれいになったマヤが見たいから、やってもらってこい。」


「うん、わかった。カタルさん、よろしくお願いします。」


「ああ、俺の人生で最高のできにしてやる。どんな髪型か希望はあるか?」


「お前に任せる。とにかくマヤを、さらにかわいくしてやってくれ。」


「…」


「なんだカタル、その目は。」


「なんでもねえ。よし、マヤちゃんそこに座りな。そのきれいな銀髪、もっときれいにしてやる。」


「はい。」


 ティナス以外の人の返事は、うんじゃなくてはい。


「よし、始めるぞ。ってアル、いつまでそこにいるんだ?」


「マヤに町にいる間は、ずっと一緒にいるように言ったからな。」


「親バカめ。じゃあとりあえず、向こうに椅子があるから座ってろ。ずっと見られてたら、終わったときに驚かせられないだろ。な、マヤちゃん。」


ティナスを驚かせる。


「はい。」


「…わかった。マヤ、こいつがなにかしたら、すぐに呼ぶんだぞ。」


「さっさと行け。よし、始めるぞ。」


 …


 じっとしてるって難しい。髪の毛触ってもらうのって、なんか落ち着かない。マヤの髪、初めて切ったのはユウくんだったなあ。

 ユウくん、いつ会いに来るのかな。

 まじょ、ちゃんと待ってるのに。


 …


「マヤちゃん、終わったよ。」


「うん…マヤ、また寝てた。」


「はは、アルのやつ呼んできてやるから、ちゃんと起きて待ってろよ。」


「うん…待ってる。」


 あ、返事。はいって、言わなきゃ。


「マヤ、終わったか?」


 あ、ティナス来た。


「終わったよ。お父さん、マヤきれいになった?」


「…」


 あれ、ティナス返事してくれない。マヤ、きれいになってない?


「マヤ、きれいになってない?」


「違う。ほら、鏡をちゃんと見てみろ。」


 マヤの髪、全部まっすぐになってる。それに、さわったらすっごくさらさら。


「マヤの髪、きれい。」


「カタル、今までで一番いい仕事したな。」


「いい仕事なもんか。ちょっと手入れして、切り揃えただけだぞ。」


「だが、これが一番マヤに似合うって思ったんだろう?」


「まあ、素材はかなりいいと思ったよ。だが、ここまでとはな。ほんとにいい子を拐ってきたな、アル。」


「拐ってない…聞かないんだな。」


「まあ、お前のことだからな。どうせ聞いても言わんだろう。それに、ほら。」


 ティナスもカタルさんも、マヤのこと見てる?


「まあな。」


 ティナスがマヤの頭、笑いながら撫でてくれる。でもティナス、笑顔なのに変な顔してる。


「二人の話、マヤよくわかんない。でも、マヤ、お父さん大好き。マヤ、お父さんと一緒にいるの。」


「マヤ…よし、次はマヤに似合う新しい服を買いに行こう。」


 ティナス笑顔になった。


「うん、行く。」


「羨ましいなあ、くそ。おいアル、今回代金は要らねぇから、その分マヤちゃんになんか買ってやんな。それと、マヤちゃんをまた連れてこいよ。」


「そういうことなら断れないな。礼を言う、また頼む。」


「カタルさんありがとう、またね。」


 お別れの時には、またねって言うんだって。また会おうねって意味で、そう言って別れたら次にまた会えるんだって。ユウくんとお別れするときに、またねって言ってないってティナスに言ったら、次に会ったとき教えてあげたらいいって言ってた。


「マヤ、次はあの店に入るぞ。」


「うん。」


 またねって言ったから、カタルさんとはまた会えるんだよね。ユウくんにも早く、またねって言いたいな。

やっとキャラと会話が増えた

でも明るい話にしてくれないマヤちゃん

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