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漆黒の絶望峰  作者: 香久山ルイ
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黒曜石

 何が彼をこんなに苦しめるの?

 彼が囁いた、


『赤黒い薔薇』


『殺したいほど愛している』


 その言葉は私にとって、嬉しいものでしかなくて。

 何故貴方は苦しみながら、泣きながら、そんな言葉を口にするの?

 苦しませているのは、

 もしかしてずっと私が目を合わせなかったから?

 私のせい? 私のせいなの?




 私は堪らなくなって、彼を抱き寄せた。抱きしめた。拒絶のためにもがくのも無視し、やめてというのも聞かないふりをして。


 そんなに愛してくれるのなら、

 本当に私を殺してみてください。






 そんな残酷なことを囁いた。


 彼に黒水晶をもらってから、私は石について色々調べた。

 その中で私が気にいったのは、黒曜石という……これもまた黒い石だった。


 黒曜石は古くから人間に使われている馴染み深い石。石器などに利用された。

 石としての効果には、あらゆる才能を倍加するといったものがあるが、中でも私の目を引いたのは、




『悪縁を断つ』




 というもの。

 黒水晶の邪気祓いより具体的でわかりやすいかもしれない。






 ねぇ、私と貴方の縁が悪しきものだというならば。


 私は、社会科の先生から借りていた擬似的に石器を再現した黒曜石を彼に握らせる。






 断ってみせて、と、笑顔で。



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