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1-2話

「あなたは異世界より召喚されました。ここはハートフルピース王国です。お願いです、私達に協力して下さい!」


 俺は説明を聞いて異世界に召喚された勇者であることを理解した。


 しかし、そんな事はどうでも良いのだ。興味の対象は俺の目の前にすごい勢いで近づいてきて説明してくれた、可愛らしくもありそれでいて華があるこの美人のお姫様らしき人だ。俺の国に居たなら一億年に一人しか誕生しないトップアイドル、億年ちゃんと呼ばれていたことだろう!確実に。


 召喚されたからにはもう元の世界には帰れないだろう。だが、活躍して勇者として成功したなら、姫を嫁にもらうのが典型的なパターンだ!充分あり得る!いや99.998パーセントあり得るはずだ(妄想)!俺の幸せはこの異世界にこそあるに違いない!


「お任せください!事情はよく分かりませんが、俺は都合が良く便利な男なので何かと役に立てると思います。何より、あなたのような美しい女性を悲しませるわけにはいきません。何をすれば良いのでしょうか?」


「まあ!」


 目の前の姫様らしき人はポッと顔を赤らめた。そして、気を取り直してすぐに真剣な顔になって言った。


「この国は隣国から戦争を仕掛けられました。しかし平和を愛する我が国の軍事力は脆弱であり、とても隣国との戦争に耐えうるものではありません。したがって、今、この国は存亡の危機なのです。どうか勇者様の力でこの国をお助け下さいませんでしょうか!?」


 目がうるうるしている。かわいい!やはりこの姫を嫁にもらう!邪な考えではない!平和のために決めたのだ!


「うむ、任せなさい」


 俺は自信を持ってそう答えた。根拠は無い。しかし、召喚勇者なら何らかの強力なスキルをたぶん持っているはずだ。いや、主人公なんだから絶対持っているはず!俺は、自分の体にバーコードリーダーを押し当て、スイッチを押した。


【性別】男

【種別】たぶん人

【年齢】15歳かな

【レベル】F

【スキル】[コンビニ]New


 性別男か。うん。種別、たぶん人って何?人じゃない何かなの?年齢、15歳!若くなってるよ!レベル、F、まあ生まれらばかりだし。こんなものでしょう。肝心のスキル。


[コンビニ]New って何?


 店長でも店員でもなく[コンビニ]?スキルもらったようだけど想像してたのと違う。戦いに投入されるまでに自身の能力を確認せねば。とりあえずは、この世界の情報を集めよう。


「勇者よ!我達と一緒に戦うことを決意してくれて嬉しいぞ!」


「えっと、王様とお姫様と魔術師さんですよね?」


「おお!さすが勇者だ!そんなことも分かるのか!」


「いえ、今のは着ている服を見て予想しただけです。たぶん誰でも分かると思います」


「ははは!そうだな!紹介が遅れたな!俺がヒツジキング三世、この国の王だ!ちなみにこう見えても太マッチョだ!お前は痩せすぎだな。筋肉付けるために肉を食え!」


 王様はそう言って、高級そうな金銀財宝のついたコートを脱いだ!下はタンクトップに半パンですよ!そして筋肉を俺に見せつけているよ!


「王女のシャムです。アイドル活動もやってます。握手券買って下さい!いや売ってきてください!今年もセンター狙ってます『てへ!』」


 王女様はなぜか目の付近で横ピースをし、ウインクしながら舌を可愛く出してポーズを決めている!かわいい!ここでそんなポーズをとる必要があるのかどうかなどどうでも良いことだ!誰が言った言葉かは知らないが、『かわいいは正義』は本当だ!


「魔術師のシバじゃ。私が召喚魔術を執り行った。初めて成功して自分でもびっくりしておる。それもこれも図書館で借りた『初級 勇者の召喚の仕方~とにかくやってみよう編~』の通りにやったおかげじゃがのう」


 ぽっちゃりして髭を生やした典型的な魔術師だ!しかし、さっきバーコードリーダーで見たときの年齢・・・人間じゃないのだろうか?それとも、こちらの人は皆長生き?


 とにかく皆さんフレンドリーで良い人そうだが、かなり平和ボケしているように見える。というか特に困ってないような気がする。


「俺は筒香義男ツツゴウヨシオです。ヨシオと呼んでください。ちなみに今回はどのような条件で勇者を召喚したのでしょうか?」


「我々にとって都合の良い人材を願ったのだ!」


「都合の良い人材?」


「どんな勇者が必要なのか色々とありすぎて決まらなかったのじゃ。そこで、そのまま『我々にとって都合の良い人材』を条件にしたのじゃ」


 【コンビニエンス(略称コンビニ)】の意味:都合が良い。便利なもの。


 コンビニ的な名前のコンビニ店員が呼ばれただけーーーー!!!大丈夫かな俺ーーー!


「わかりました。戦うには、しばらく時間がほしい」


「うむ、この世界に来たばかりで疲れているかもしれぬしな。部屋は用意してある。しばらく休んでおくが良い」


 俺は、コンビニの制服のまま用意された部屋へと案内された。


 早急に自分の能力を把握せねばなるまい。室内には鎧と剣が準備してあった。試しに持ってみたけど重すぎて使えそうにない。俺の筋力は間違いなく転移前と同じだ。剣士のスキルは無いな。


 以前の世界から持ってきた唯一の道具、バーコードリーダー。これが何かの役に立ちそうだ。色々な物にバーコードリーダーをかざしてみよう。実は道具の隠れた能力がわかるとか?先ほどの剣はどうかな。


【種別】鉄でできた剣


「使えねー!」


 今のところ概略が表示されるだけだ。もし、役立たずのハズレ勇者だったら町でコンビニ開いて店長やろうかな、そんなことを思いながら俺はいつの間にかベッドの上で眠っていた・・・

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