表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引き取った女の子は邪神の転生体でした  作者: 遠野空
第五章 幻の地下都市
111/140

大浴場の夜


 仮本部に戻るまでは、さすがにもうなにも起きなかった。


 それに、俺達があの女に遭遇した話が既にマリアを通じて伝わったのか、途中から山のように援軍が駆けつけてきたしな。

 そこでもサクラを下ろす下ろさないで揉めたが、結局俺は最後まで背負っていった。途中でサクラがまた寝ちまったようなので、起こすのも悪いし。

 俺はマリアの指示でサクラを医務室的な部屋へ寝かせ、ようやく一息つくことができた。


 その後、俺達はアデリーヌに、探査中の遭遇事件について話した。

 アイナのことは朗報としても、あのやたらと冷酷そうな金髪女――ブレイブハートのテレサ・パラディーヌのことを聞くと、アデリーヌは見る見る顔を曇らせたな。


「もはや、この地下拠点まで見つけるとは……すぐに、手を打ちます」

「まあ、みんな無事だったんだからいいけど、進入路が何処だったのかは、突き止める必要があるかもなあ」


 俺としては、そう言う他はなかった。





 サクラは当分安静らしいので、俺も今日は休みということにして、自分の部屋――というか、自分の仮部屋につかっている部屋に戻ろうとした。

 しかし、俺とユメの後ろを、当たり前のような顔でアイナがついてくるのには参った。


「そういえば、アイナの部屋も確保しないとなあ。まあ、そこら中で部屋が余ってるから、別に問題ないだろうけど」

「よかったねぇ、アイナ。お家賃もいらなくて、おとくなのよー」


 ユメが所帯じみたことを言ってくれた。

 ただし、アイナはなぜか驚愕していたが。


「えっ。……私はマスターと一緒の部屋でご奉仕するのでは? そう理解していましたが」

「ま、まさか!」

「パパの部屋は、ユメとパパの愛の巣だから、駄目なのよっ」

「ちょっ! そもそも本来は、おまえにも部屋があるんだぞっ。俺の隣だと決めたろっ」

「あそこはもう、アイナにあげるモンっ」

「おいおいっ」


 俺は慌ててユメにも突っ込む。

 そういやユメも、ずっと俺の部屋にいるしな!

 今更、気付いたぜっ。


「と、とにかく」


 俺は慌てて手を振った。


「俺は凡人なんで、大して世話する必要なんかないよ。それより、今日はアイナも活躍したんだし、早めに部屋を決めて、お風呂にでも入ってゆっくりしたら? 誰の趣味か知らんけど、浴槽付きの部屋が多いししな、ここ。そこら辺探せばあると思うぞ」


 ……ただ、俺の部屋の近辺は、なぜかささっと全部埋まってしまってんだがな。


「あ、それならっ」

 胸の前で両手を合わせ、アイナが嬉しそうに言う。

 弾みで、純白の綺麗な髪がふんわりと舞った。

「私、大きな浴場のある場所、知っています。ここから近いです、マスター」


「なんと!」

「おっきなお風呂、入りたいのっ」


 俺とユメは思わず声を上げてしまった。

 しかし、アイナってちょっとした仕草が、普通の女の子以上に女の子っぽく見えるな。

 さすがは、最新型だぜ……いつの最新型だって感じだが、どうせこの子を上回る新型なんて、もう二度と出ないだろうからな。永遠の最新型だ。


「近いなら、行ってみるか」


 俺もユメも風呂好きなので、速攻、方針が決まってしまった。




 一度部屋に戻り、着替えやらタオルやらを持ち出し、俺達は再出発した。

 マリアのコントロールを外れた区画だとさすがにヤバいが、どうやら俺達が知らなかっただけで、さらに地下に巨大な浴場があったらしい。

でもって、そこも現在進行形でマリアの管理下にあるとか。


 よく考えたら入るまでに準備に時間がかかる気がしたが、マリアにもついでに訊くと、管理は常にしてあるので、「すぐに湯を張ります」とのこと。


 ……そういう美味しい設備があるなら、もっと早く教えてほしかった! 

 こういうトコ、やはりマリアはAIなのだなぁと思ったね。





 で、アイナの先導で、俺達が存在すら知らなかった専用エレベーターでさらに地下に下りると、なんとそこは、もはや脱衣場みたいな場所だった。


 入り口が二つあって、ちゃんと男女別に分かれている!

 未来世界っぽい場所のくせに、内部は鏡台やら籠やらが並んでいるという……マジで、元の世界の銭湯みたいだな!


 俺とユメは、大喜びでそのままいつも通り服を脱ぎかけたんだが、そこで俺はようやく気付いた。

 ……俺達の隣では、一緒になってアイナも脱いでいたっ。


「わあっ」


 焦った俺は前を隠して、思わず叫んじまった!

 ちらっと横向いた瞬間、もうホント、モロに彼女の胸の膨らみが全部見えたっ。


「ここ、男湯用の脱衣場だけどっ」

「はい。でも、わたしはマスターの持ち物も同然ですし」


 きょとんとアイナが言う。

 こっち見た瞬間に豊かな胸も微妙に揺れて、一気に俺の体温が上昇したし。


「それに、ユメちゃんだって、女の子ですわ」

「きゃははっ。アイナ、いこっ」


 浴場への入り口が巨大なせいか、期待感満載のユメが歓声を上げて走り出した……アイナの手を引いて。

 当然ながら、二人とも裸である。


 うわ……ヤバいっ。ユメはともかく、アイナの曲線が素晴らし過ぎるお尻とか、一気に全部みちまったぞっ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ