第二話 大柄な男
「どうだった?初めてのバイト」
「大変だったけど楽しかったよ~」
百合は楽しそうに大柄な男と親しげに話している。
「君が百合に仕事を教えたのか?」
「はい」
大柄な男と言っても身長は僕と同じだが、ガタイが良い。しかもイケメンである。彼氏はいないと言っていたがあれは嘘なのか、
「あ、すみません兄の陸です」
突然、百合が口を開いた。
「あ、お兄さんなんですね」
「どう?似てるでしょ!」
「あ、まぁそうですね」
「君は何歳なの?」
「あ、僕は8月で21歳です。」
「え、同じなんだけど!仲良くなれそう」
正直苦手なタイプだ。別にグイグイ来るような人は嫌いではないが、初対面で急に距離を詰めてくる人は苦手だ。ただ良い人なんだろうなとは思う。
「じゃあおつかれさまです」
百合が挨拶をした後、二人は歩いて帰っていった。僕もあの兄弟みたいに妹と仲良くなりたいなぁと思うのであった。
2025年6月23日AM13:00 有田と昼食を食べる。
「この間彼女と水族館行ってさー楽しすぎたのよ。ほら見てこの写真!」
有田が笹原に彼女と顔出しパネルで撮った写真を見せる。
「可愛いだろ~これ」
彼女ができた有田は最近俺にのろけ話をしてくる。別に人の恋愛話を聞くのは嫌いではない。こんなひねくれた性格なのに正直僕自身もおかしいと思う。
「お前もさー出会いとかないわけ?」
「ないなー。俺もサークルとか入ってればよかったかな」
「お前中高バスケ部だろ?」
「いや、そうだけどそんなうまくないよ?」
「いいか!笹原君。サークルなんて遊びの場なんだ。バスケを真剣にやるわけないだろ!」
有田が真剣な顔で僕に訴えかけている。
「あ、てか俺のバイト新しい人入ったわ」
「え?スーパー?でもどうせおばさんがおじさんか男だろ」
有田がそう言った時俺はおじさんは男じゃないのか?と思った。
「女子だよ」
「じょ、、、、じょ、、、女子!?」
有田が男子校の中に男装してた女子が女子と男子生徒が知ってしまった時のようなリアクションをしていた。(分かりにくくてすみません)
「どういういう子なのよその子は〜」
有田がグイグイと聞いてくる。
「目が大きくて髪長くてとにかく可愛い子だな。仕事も覚えるの早いし」
「おぉ好き?」
「バカ言うな。そんな入ったばっかで好きにならねぇよ。」
「えーそうかぁ。で、その子は何年生なのよ」
「2年生」
「1個下かぁありやん」
「違う4つ下」
「え、、、、、高二!?」
「あぁ。だから好きにならねぇのよ」
「く、く、く、、、、分かってないね笹原君は」
「え?」
「恋愛に年齢は関係ないだろー!」
有田がとてつもない熱量で僕に言った。まぁ女子高生に恋をしない気である僕も年齢と恋愛は関係ないと思っている。
「でもさそんなその子の良いところが出るんだったらもう好きなんじゃない?」
有田にこれを言われた途端怖くなった。自分がこんなすぐに好きになってしまう人間なのだと。
「え、あれ、ねえねえー君!笹原君だよね」
食堂で2人で話していると後ろから肩を叩かれ、誰かが僕に話しかけてきた。
「え、まじか」
話しかけられた方を見るとまさかの陸だった。
「ほらやっぱりー!陸だよ覚えてる?」
「そりゃ昨日あったから覚えてますよ。てかなんで名前を」
「百合から聞いたのよ」
「あぁなるほど」
百合に名前を覚えられていたから俺は少し嬉しくなった。
「まさか同じ大学とは思わなかったねぇ」
「確かにそうですね。僕も驚きました。」
「今日バイトだよね?百合をよろしくねー」
そう言うと陸は去っていった。
「えーっと」
有田がすぐに聞いてきた。
「あ、その高校生のお兄ちゃん」
「まじか!これはチャンスじゃねぇか!」
「え?チャンス?」
「だってお兄ちゃんがいるってことはその子の好きなタイプとか趣味とか聞けるんだろ!」
「まだ好きとか思ってないって」
「てかあんなお兄ちゃんかっこいいってことはさ」
「妹めちゃくちゃ可愛いぞ」
「羨ましいんですけど」
そんな会話をした後、三限を受けてバイトに向かった。
「おはようございます」
「ガシャーーーン」
俺が挨拶をすると何かが崩れたような音がした。
第三話からキュンキュンしますよー!お楽しみに




