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八人の最狂ポンコツヒロイン、最強の絆で世界を護るらしい ~結果的にS級冒険者、でもポンコツしかおらん!~  作者: ざつ
本編

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第37話 王家の隠し事と魔王復活を阻止せよ -1

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1. 魔王復活の不穏な噂とルナのフリーズ

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王都アルテミスの王宮の一室は、いつになく重苦しい空気に包まれていた。


普段は優雅なルチアナ姫も、この日は顔色を変え、七人のヒロインたちを迎え入れた。その表情には、微かな不安の色が浮かんでいる。


「皆さま。この度、わたくしは非常に不穏な噂を耳にいたしましたの」

「不穏な噂、ですか?」


フィーネは、いつものように報酬計算機を脳内で起動させながら、姫の言葉を促した。どんな厄介な依頼だろうと、金になるなら構わない。それが彼女の信条だった。


「はい。魔王を復活させるための儀式が、始まろうとしておりますわ」

「な、なんだって!?」


フィーネの顔から血の気が引いた。魔王──その言葉は、金儲けの虫も引っ込ませるほどの破壊力を持つ。報酬計算機はエラー音を立てて停止した。


ルチアナ姫から渡された、禍々しいオーラを放つ「黒い本」にルナがそっと触れる。その瞬間、ルナの全身が小刻みに震え始めた。


「魔王復活……データによると……世界が……終わる……」

「ひっ……たくさんの……絶望が……ま、まぶしい……」


ルナは、ルチアナ姫の言葉と、その背後にある世界の終焉に関する膨大な情報に圧倒され、全身を震わせながら小声で呟いた。顔色は青ざめ、今にもフリーズしそうになっている。


「ルナさん!?」

「大丈夫ですか、ルナちゃん!?」


フィーネとアキナが慌ててルナに駆け寄る。

イリスは、ルナの様子と「黒い本」に興味津々だ。


「ふむ。世界の終焉のデータが、これほどまでに鮮明に観測されるとは。これは、私の研究にとっても貴重な……」

「イリス様!データどころじゃないです!世界が終わるんですよ!」


フィーネはイリスの言葉に内心でツッコミを入れるが、今はそれどころではない。リリアは腕を組み、呆れたように呟く。


「まったく、こんな大事に巻き込まれるなんて。魔王なんて、私には無縁だわ」

「リリア様、そんなこと言わないでください」


リリアはフィーネにそう言われた後、腕を組み直して続けた。


「……フン、だが、アークライト家の名に懸けて、この国の危機を見過ごすわけにはいかないわね。仕方ないから、協力してあげるわ」


エルミナも無表情ながら、どこか決意を秘めた声で言った。


「王家の依頼とあらば、任務は遂行します。破壊対象は……魔王復活の儀式、ですね」


セラは、魔王復活の儀式に関する古文書を熱心に読み込んでいる。


「この魔装具を使えば、儀式の魔力反応を解析できますね!実験のしがいがあります!」

「セラちゃん、暴走させないでくださいね!」


フィーネの胃は、すでにキリキリと痛み始めていた。世界の命運をかけた最終任務を前に、その痛みは最高潮に達していた。




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2. 作戦会議とフィーネの最後の計画

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フィーネの錬金工房は、再びホワイトボードが占拠された。今度は魔王復活の儀式陣の予想図と、儀式阻止計画の予想図、そして「完璧な魔王復活阻止計画」と書かれた文字が乱雑に貼り付けられている。フィーネは、マーカーを手に、熱心に計画を説明していた。


「というわけで、今回の任務は、魔王復活の儀式を阻止し、世界を救うことです!」

「魔王復活阻止か!うおおおお!燃えてきたぜ!正義の剣でぶった斬ってやる!」


アキナが目を輝かせ、剣を構える。


「魔王を……破壊……ですか。とりあえず、やってみます」


エルミナは無表情で頷く。フィーネは、その言葉に思わず顔を引きつらせた。


「報酬は破格ですし、これを機に私の商会の名を轟かせれば、莫大な利益が……ぐふふ」


フィーネは、世界の危機よりも、目先の利益を優先しようとしている。

ルナが小声で指摘する。


「フィーネ、顔が怖いですよ」

「いいですか、フィーネ。今回の依頼は、姫からの最終依頼ですからね!絶対に成功させなさい!」


工房の扉が開き、エルザが紅茶を片手に現れた。その完璧な笑顔の裏には、獲物を狙う猛獣のような鋭い眼光が宿っている。フィーネはエルザの気迫に押され、思わず後ずさった。


「大丈夫、今回はたぶん大丈夫、うん、そうおそらく大丈夫……」


フィーネはブツブツと呟く。


「ふん、私たちに任せておきたまえ。このイリス・ヴィクトリアが、この世界の真理を解き明かしてやろう」


イリスは胸を張る。


「あと、アキナちゃん、エルミナちゃん!魔王はとても危険な存在です。

 儀式を邪魔するだけでいいですからね!

 刺激して完全に復活させてしまわないように、くれぐれも慎重に動いてください!

 今回はあくまで阻止ですからね!」


「あと、アキナちゃんも! 魔王はぶった斬っちゃダメです!

 ぶった切ったら刺激しちゃうでしょ!」

「魔王の破壊は禁止ですね。残念です。

 しかし、効率的な制圧は許可されるのでしょうか?」

「許可されません!絶対に!今回はあくまで阻止ですからね!

 魔王を刺激して、完全に復活させてしまわないように、くれぐれも慎重に!」


フィーネの必死の懇願に、アキナとエルミナは笑顔で答えた。


「「「わかりました~!」」」


フィーネは、その笑顔に一抹の不安を覚える。リリアは腕を組み、呆れたように呟く。


「まったく、また面倒なことに巻き込まれるわね。儀式阻止なんて、私には無縁だわ」

「リリア様、そんなこと言わないでください」


セラは、儀式阻止計画図に興味津々だ。


「この魔装具を使えば、儀式の魔力反応を効率的に解析できますね!実験のしがいがあります!」

「セラちゃん、暴走させないでくださいね!」


フィーネはエルミナの無表情な顔を見つめる。

イリスは、ルナから渡された魔王復活の儀式に関する古文書を熱心に読み込んでいる。


「ふむ。魔王復活の儀式は、古代の禁忌魔法と深く関連しているわね。儀式の行動原理を分析すれば、阻止の手順もより効率的になるはずよ」

「ルナ、何か情報ありますか?」

「えっと……儀式は……とても……複雑で……予測不能な……」


ルナは緊張しながら、断片的な情報を口にする。フィーネは、すでに頭を抱えていた。


「わ、分かってます!もう!皆さん、お願いしますから、今回はちゃんと計画通りに動いてくださいね!」


フィーネの叫びは、虚しく錬金工房に響き渡るだけだった。

絶対に失敗できない作戦、でもおそらく計画は大失敗に終わるだろう。


フィーネは半ば諦めていた。

でも、きっと何とかなると信じて。



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