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八人の最狂ポンコツヒロイン、最強の絆で世界を護るらしい ~結果的にS級冒険者、でもポンコツしかおらん!~  作者: ざつ
本編

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第21話 第三王女の突拍子もない依頼 -4

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9. アキナの無鉄砲な行動と偶然の出会い

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ルナがフリーズしてしまい、情報収集が滞る中、アキナはルチアナ姫の「お友達」を探すべく、無鉄砲な行動に出た。


「よし!ルナがフリーズしちゃったなら、俺が直接探してやるぜ!」

「アキナちゃん!どこに行くんですか!?」

「姫様のお友達は、きっと俺みたいな正義の味方と気が合うはずだ!」


アキナはそう叫ぶと、王宮内を縦横無尽に駆け回り始めた。その姿は、まるで迷子になった犬のようだ。


「アキナちゃん、そっちは侍女の部屋ですよーっ!」

「こっちは騎士団の訓練場だ!」


フィーネが叫ぶが、アキナは全く聞いていない。エルミナは、そんなアキナの行動を冷静に観察していた。


「アキナの行動パターンは予測不能ですね。しかし、その無鉄砲さが、時に隠された場所を発見する可能性を秘めているわ」

「まさか、それが姫様のお友達の居場所、ですか?」


イリスがエルミナの言葉に興味を示す。アキナは、王宮の裏庭にある、あまり人が立ち入らないような古びた温室へと足を踏み入れた。


「ん?なんだここ?誰もいないな……」


アキナが温室の中を見回すと、その奥で、一人の少女が静かに本を読んでいた。ルチアナ姫と同じくらい可憐な面立ちの少女は、アキナの突然の訪問に、驚いて顔を上げた。


「あ、あなたは……?」

「お、お前が姫様のお友達か!?」


アキナは、直感的にその少女がルチアナ姫の「お友達」だと確信した。






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10. 姫の「お友達」の正体と友情の芽生え

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アキナが温室で発見したのは、ルチアナ姫の「お友達」――それは、王宮の片隅でひっそりと暮らす、一人の孤独な少女だった。


彼女は、王宮のしきたりや貴族社会の人間関係に馴染めず、いつも一人で本を読んでいたのだ。


「あら、あなたたち。どうしてこんなところに?」

「姫様!?この子が、お友達ですか!?」

「はい。わたくし、彼女と静かに読書を楽しんでおりましたの」


ルチアナ姫は、温室の奥から姿を現した。彼女は、少女に優しく微笑みかける。


「姫様、この子を護衛すればいいんですか!?」

「ええ。わたくしの大切な『お友達』ですもの」


フィーネは、この状況に頭を抱えた。護衛対象が二人になっただけでなく、まさか「お友達」がこんなに地味な存在だったとは。


「お友達探しって、まさか、こんな地味な……」

「フィーネさん、失礼ですよ!」

「だって、大赤字確定じゃないですか!」


フィーネの悲鳴に、セラが慌てて口を挟む。アキナは、少女の孤独な雰囲気に気づき、優しく語りかけた。


「お前、一人で寂しかったのか?大丈夫だ!俺たちがいるからな!」

「あ、あの……」

「俺はアキナ!正義の味方だ!お前を寂しい思いなんてさせないぜ!」


アキナの真っ直ぐな言葉に、少女の表情が、わずかに和らいだように見えた。リリアは、そんなアキナの姿を横目に、呆れたように呟く。


「まったく、お人好しにもほどがあるわね」

「でも、それがアキナのいいところよ」


アリスが笑いながら、リュートで優しい旋律を奏でる。その音色は、少女の心を包み込むように響いた。







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11. 騒動の収束と姫との個人的な繋がり

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ルチアナ姫の「お友達」を発見したことで、王宮内での騒動は収束に向かった。フィーネは、この依頼が大赤字に終わることを確信し、すでに胃薬を飲んでいた。


「姫様、お友達も見つかりましたし、これで護衛任務は完了ということでよろしいでしょうか?」

「ええ、皆さまのおかげで、わたくしの大切な『お友達』を見つけることができましたわ。本当に感謝いたします」


ルチアナ姫はにこやかに微笑んだ。フィーネは、内心で「感謝だけじゃお腹いっぱいになりませんよ!」と叫びながら、頭を下げた。


「フィーネ様、そして皆さま。今回の件で、わたくしはあなたたちの『特別な能力』を、改めて認識いたしましたわ」

「特に、アキナの真っ直ぐな心と、アリスの歌声には、心を打たれました」

「そして、あなたたちの『ポンコツ』なやり方も、なかなか面白いですわね」


ルチアナ姫は意味深な笑みを浮かべた。その言葉に、フィーネは背筋が凍るような感覚を覚える。


「これからも、わたくしから個人的な依頼を差し上げることがあるかもしれませんわ。その時は、どうぞよろしくお願いいたしますね」

「個人的な依頼……?」


フィーネの目が、再びきらりと輝いた。王族からの個人的な依頼は、莫大な利益に繋がる可能性がある。


「姫様、喜んでお引き受けいたします!」


フィーネは力強く頷いた。彼女の胃の痛みは、一瞬にして吹き飛んだかのようだった。






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12. ギルドでの収支報告とエルザの腹黒い笑み

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冒険者ギルドの受付カウンター。

フィーネは、頭を抱えながら、今回の護衛任務の収支報告書をエルザに提出していた。


「エルザさん!信じられますか!?

 姫様のお友達探しに、こんなに費用がかかるなんて!」


「まさかの大赤字ですよ! 私の苦労が報われません!」


フィーネは机に突っ伏し、半泣きで訴える。エルザは報告書をちらりと見て、にこやかに微笑んだ。


「ふふふ……でも、ルチアナ姫様との個人的な繋がりを築くことができましたわね」

「姫様が新たな『パトロン』になってくださる可能性もございますもの」

「目に見える利益だけが全てではないわ、フィーネ。長期的な関係構築を考えれば……大成功ですわよ」


エルザの言葉に、フィーネは顔を上げて食い下がった。


「長期的な関係構築!?こんな大赤字がですかーっ!」


「ふふふ…フィーネ。今回の出費は、いわば顧客満足度向上への投資ですわ。信頼という名の、最高の財産を手に入れたのですから」


「顧客満足度!?そんな抽象的なもので、私の借金が返せるんですかーっ!?」


「ええ。それにしても、あなたたちの『騒動』は、時に思わぬ真実を暴き出す。

 これもまた、あなたの手腕、ということにしておきましょうか」


エルザはそう言って、口元だけで笑った。その瞳の奥には、すべてが計画通りに進んだことへの満足感が宿っている。


(さて、次の依頼は、姫様の『お友達』を増やすための、さらに突拍子もない依頼でも持ちかけてみるか……)


エルザは心の中でそう呟いているようだった。ギルドの奥からは、アリスの歌声が響いてくる。


「〜♪突拍子もない姫様の依頼〜、お友達探しは波乱万丈〜、ポンコツだけど最強の絆で〜、世界を救う物語は続く〜♪」


アリスは、今回の冒険をすでに伝説として美化し、高らかに歌い上げていた。フィーネは、その歌声を聞きながら、再び机に突っ伏すしかなかった。



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