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荒れた大国  作者: CC
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03

あれから一週間。

特にめぼしいこともなく。

僕の頭がようやく起き上がれる程度にまで回復した。

ちなみに食事は断固として一人で食べた。

「あーん」なんかしてもらおうものなら末代までたたられそうな気がした。

あの女性にも「やりましょうか?」と言われたが断固として拒否した。

いやほんとにべつに下心とか全くn


「失礼しますよー」


そういって部屋に入ってきたのは、仮面をつけた男性だ。

女性顔の能面を身に着けており、白衣を着たこの男性。

職員の皆さん曰く、彼がこの病院の院長らしい。

アルフレッド・カーロ氏。

内科外科、その他体の部位もろもろのことをかなり詳しく知っているらしい。

常時仮面を身に着けており、食事中、睡眠中、その他生活の中で絶対仮面を外すことはないそうだ。

別の看護師さんからの情報によると、「マジで強い男」だそうだ。

聞くところによると、彼にはいろいろな伝説が語り継がれており、めちゃくちゃ強い人なんじゃないかと院内で話題になっているらしい。

「なんでそんな人がいち病院の院長なんてやってるんですか?」

と聞くと、

「さあ、それがわからないのよ。まあただの噂だから、別に大したことないのかもしれないけど」

とその看護師は話す。

ちなみにこの看護師さんは一番最初のあの女性ではなく、黒髪に紫のメッシュを入れた、また違う女性だ。

もう一つ言うと、一番最初の白髪の女性は看護師ではないらしい。

看護師は上下白か淡いピンク色の服を着ている、ということも教わった。

彼女は呼ばれたら駆けつける、いわば救急隊員みたいな人で、出動中に僕を見つけたそうだ。

看護師とは違い医療資格も持ち合わせているため、ある程度の医療行為ができるそうだ。

また体力も相当あるらしい。

彼女が思っていたよりもすごい人だったことになぜか感心してしまった。


閑話休題。

カーロ氏は部屋に入ると、僕の頭に近づいた。

そして頭のヘルメット(僕からは見えていないが皆そういうので多分そうなんだろう)を触った。

「頭蓋骨は治ったかな~」

一週間ずっとこんなこと言われるのでもう慣れてしまったが、頭蓋骨が破壊されると命が危ないどころな話ではないはずだ。

自分の体の頑丈さとこの人の技術力には頭が上がらない。

「うん、ある程度安定してきたねぇ」

そういうと、カポッと何かが外れたような音がした。

「もう動いても大丈夫だと思うよ。とりあえず、これは外すね。不便でしょこれつけてると」

どうやらヘルメットを外してくれたらしい。

すごい、頭が軽い。

「あ、ありがとうございます」

「しっかし君も不幸中の幸いだったねえ、病院の前で倒れてるとは」

「はい」

「それにしても君ほんとに頑丈だよねえ、頭勝ち割られても生きてるなんて並大抵の人間ではできない芸当だよ」

「はい...」

「ただほんとに危ない状態だからまだしばらく安静だねえ」

この人は話すペースが速い。

会話に自信がない僕は基本相槌を打つだけだ。

正直こういうペースが速い人は苦手なので一刻も早くこの場から離れたい。

この人曰くこの感じはまだまだ続きそうだが...

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