星降る夜に、オパールの夢を
海岸通りの風は
青い海を越え
鴎が空に舞うように
樹々にこぼれた
絵の具のような
オレンジや黄の葉を
煌めかせながら
秋木立の枝の
隙間に広がる空は
オパールの色
虹色の雲の彼方に
青を見つけて
小さないくつもの
金木犀の花が
まるで黄金の
絨毯を編むように
舞い降り薫る
風の坂道を抜けて
夕映えの海を
見渡す丘の上には
光る波のような
オーシャングリーン
やわらかにそよぐ
ローズマリーの花を
青くちりばめて
星降る夜は
ローズマリーとともに
地平線の彼方に
入るさの月を
見送りゆくとき
東の空から
現れる英雄の姿
夜空へと踏み出す
足先には青く
リゲルが煌めいて
八百光年の
時空の波間を越え
海と空の青を
ひとしずくに
あつめたように
星降る夜に
オパールの夢を
夜空を駆け抜ける
オリオン座流星群
流れる星の行き先に
想いを馳せながら
叶えたい夢は
いつも心に
一瞬の煌めきに
その願いを
こめられるように
時に雨が頬の上を
流れていく日も
ぬかるみの上を
越えていく日も
あるけれど
そこにある
足跡を見つめて
今日という日は
今までのいくつもの
足跡の先に
たどり着いた場所
夜空は少しずつ
朝へ明けていくように
踏み出す一歩から
未来がまた
続いていくから
それぞれに描く
夢はきっと
オパールのように
見上げた空には
オリオンが踏み出す
青い星の光
地上に刻まれていく
次の足跡を、
やさしく照らして
オパールは10月の誕生石で、虹のような色彩を放つことから「神の石」とも呼ばれ、石言葉は「希望」「幸福」です。
ローズマリーは、10月頃から青い花が咲き、諸説ありますが、ラテン語の「ロス・マリヌス(海の雫)」が由来で、「静かな力強さ」などの花言葉があります。金木犀には、「謙虚」「真実」などの花言葉があります。
オリオン座流星群は、ハレー彗星の軌跡に沿って毎年10月中下旬にオリオン座から放射状に流星がみられ、2023年は10月22日の前後数日間が見頃で、11月初まで見られる可能性があるとされます。
星座の左足の位置には青白の一等星・リゲル(アラビア語で「足」)が輝き、冬が見頃のため、秋は夜半の南東の空にあります。「入るさの月」は月の入りのことです。
季節の星や花、宝石をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。