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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第4章 剣術を学ぼう

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第93話 インスタしよう

 新しい週になって僕はスマホにインスタのアプリを入れた。メルの画像がその後どうなったのかを知りたかったからだ。しかし入れたのはいいものの使い方がよく分からないな。ツイッターみたいにトレンドが見れるわけでもないみたいだし。何が流行っているのか、ぱっと分かりにくい。


 ぽちぽちとアイコンを押していると、検索を示すのであろう虫眼鏡アイコンに指が触れた。別に検索せずとも無数の画像がサジェストされるようだ。その中に商業施設で撮られたメルの写真が入っていた。


 え? インストールしたばかりの状態でサジェストに載るってヤバくない? 僕のインスタアプリはフラットな状態のはずだ。普通に考えればサジェストされるのは一般的に人気のある写真だ、ということになるんだろう。


 恐る恐る画像をクリックしたら、大きく表示された。ぱっと見ではどれくらいの“いいね!”がついているのかは分からないようだ。ありがたくもあり、怖くもある。あ、でも“いいね!”って書いてあるところタップしたら“いいね!”してる人の一覧が出るな。


 一覧をスクロールしていく。どこまでも続いている。途中で僕は諦めた。とんでもない数の“いいね!”がついているのは確かなようだ。


 吹き出しマークでコメントが見れるのか。コメントも凄い数だが、幸いにして批判的なコメントはあまり見当たらない。ほとんどが“かわいい”というコメントだ。3分の1くらいは英語で書かれているが内容としては大差ない。


 画像を縦にスクロールすると関連の強い画像が表示されるらしく、何枚かメルの画像が出てきた。


 さて、これをどうしたものだろう。


 僕らブラウザで“インスタ 削除要請”で検索した。どうやら…マークから報告すれば削除の要請自体はできるようだ。一応やっておくか。理由は、肖像権の侵害で、っと。


 ただ僕のアカウントからの削除要請なので、僕が映っている分には対応してもらえるかも知れないが、メルだけが映っているような画像の場合、対応してもらえないかも知れない。アカウント作成の時に男性だって入れちゃってるし、メルになりすまして削除要請するというのも何か違うだろう。


 それでも目に付いたメルの画像すべてに削除要請をしておいて、僕は一息吐いた。可愛すぎるというのも結構大変なんだな。


 芸能人ならともかく、一般人でも機会があれば晒されるそんな世の中だ。自分で上げた写真が原因で家まで特定されたというような話も聞く。メルの場合、スマホを持っていないからそういう心配は無いけれど、僕らは顔を隠さずに移動していた。悪意ある誰かがいれば、僕らを家まで追跡して晒すことだってできただろう。


 ただ可愛いというだけでそこまで気を付けなければいけないのか。


 特にメルは日本人にはまずあり得ない赤髪緑眼で、顔立ちも欧米人みたいだ。人違いということはまず起きない。画像を知っていてメルを見れば、あの画像の子だ、と認識するだろう。


 またメルの危機意識の無さも怖い。拡散や炎上がどういうものか分かっていないから当然なのだろうが、自分の姿が全世界に公開されて、人気を博しているという状況を理解できていない。まさかそんなことが起きるわけがないと考えている。


 もちろん画像を見た殆どの人が悪意を持ったりしてはいないだろう。話しかけてくる人がいたとしても、殆どの場合は行きすぎではあっても好意的なもののはずだ。だが1%、それ以下、たった1人でも悪意を持った誰かがいれば、対象となった人、つまり今回の場合はメルの人生が崩れ去るかも知れないのだ。


 アーリアでは守られてばかりだった僕が、日本ではメルを守らなければならない。

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