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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第3章 アーリアのダンジョンに挑もう

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第85話 後悔しよう

 僕の怪我の治療に1時間、念のために魔力が回復するのを1時間待って、僕らは狩りを再開した。とは言っても1時間で回復する魔力の量なんて微々たるものだ。僕らは怪我をしないように慎重に戦った。


 フィールド型のダンジョンでは昼夜の概念が存在する。またそれはアーリアの時間と同期しているようだ。日が暮れる前に僕らは狩りを切り上げる。小集落、いや、駐屯地というべきなのかな? を出て、アーリアへと戻る。


 ご飯を食べてお風呂に行くからというメルと別れて、僕はアーリアの部屋に移動してキャラクターデータコンバートする。こっそり靴を玄関に持って行って、自室に戻るといういつもの作業をした。魔石の入ったリュックサック以外の装備品は、アーリアに置いてきた。


 ボスンとベッドに横になる。


 やってしまった。


 後悔がじわじわと胸を焼く。調子に乗ってしまった。思い上がって第4層でも1人で戦えるなどと思ってしまった。それで怪我をしてメルにも迷惑をかけた。あれが無ければもっと魔物を狩ることができたはずなのだ。


 アーリアのダンジョンはどうだか知らないが、橿原ダンジョンはソロで潜るなら階層の倍のレベルが推奨される。それも第5層までの話だ。それ以降はパーティを組むことが推奨されている。


 そのことを忘れていた。出てくるモンスターは同じなのだから似たような難度なのだと気付くべきだった。メルにおんぶに抱っこで強くなったと思い込んでいたのだ。


 ああ、恥ずかしい。


 僕は顔を覆う。これならまだ檜山たちの方が慎重だった。彼らは3人でパーティを組んで、確実に戦える階層で狩りをしている。回復が必要なくなるくらいまで強くなってから次の階層に進んでいた。


 メルと並んで立つためにはもっと強くならなければならない。


 そしてそのためにはレベルを上げるだけではダメだ。今日のことで僕は戦い方が下手だと分かった。特に魔物と正面を向き合って戦ったことがほとんど無い。いつもメルが魔物の注意を引きつけていた。


「やっぱりどこかで戦い方を学ぶ必要があるよな」


 かと言って日本でそういう教室に通うにはお金が足りない。やはりアーリアで剣術道場なりに通うのが現実的だ。ただ時間がシビアではある。いっそ体が2つあれば便利なのにな。


 そんな風にグダグダ考えている時間こそが無駄だと気付いた僕は起き上がり、勉強机に向き直った。勉強を疎かにもできない。少なくとも補習が終われば、少しは時間に余裕ができるはずなのだ。


 日本に帰還してからおよそ2週間が過ぎたが、内1週間は中間テストで補習も無かった。しかも僕は学年の最初から勉強をやり直している。追いつくのはまだまだ先のことになるだろう。


 日々努力を積み重ねていくしかない。


 レベルの上昇は人の能力を底上げするが、それだけだ。剣を使うのが上手くなるわけでも、勉強が進むわけでもない。


 地道でも一歩ずつ進んでいくしかないのだ。

これにて第3章はおしまいです。第4章からは強くなるために本格的に動き出します。


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