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第8話 僕は異世界言語を理解する

 こうしてメルと色々試しながら話をしていて気が付いたのだが、僕らはどうやら日本語で話をしているわけではないようだった。


 技能欄にある異界言語理解とやらが効果を発揮しているらしく、まるで日本語みたいにメルの使う言語を僕が理解できているということのようだ。


「はぁ、これからどうしたもんかな」


「アーリアで暮らしながら修行するしかないんじゃない? 橿原ダンジョンの3層を私たちで突破できるようになれば、ひーくんは脱出できるでしょ」


「アーリアで暮らすって言っても先立つものがなあ」


「とりあえず手持ちのものを売れば? 運び屋をしてたなら魔石とか拾ってるでしょ」


「まあね、でも大した量じゃないんだ」


「見せて、どれどれ」


 僕は背負ったままだったリュックサックを肩から下ろして中身を確かめる。第2層と第3層で檜山たちが倒したモンスターがドロップした魔石が、大体40個くらいだ。橿原ダンジョンの買取所で売れば1万から2万の間くらいだろう。


「結構あるね。いけるいける。とりあえず入市税は私が立て替えるから、魔石を売ったら精算してよ。住むところは紹介してあげる。後はビシバシ鍛えて、目指せ橿原ダンジョン脱出!」


「メルは……」


 聞くべきか迷ったが、結局僕はその言葉を口にした。


「どうして僕にこんなに良くしてくれるの?」


 彼女にとって僕はただの行き倒れのはずだ。お金を持っているわけではないし、彼女が好意的に接してくれている意味が分からない。


「最初は成り行きだけど、今は面白そうだから、かな。橿原ダンジョンの外は日本って国なんでしょ。私はアーリア以外の町を知らないから、外の世界にすっごく興味あるんだ」


「はは、期待に応えられるかなあ」


 もしもメルを橿原ダンジョンの外にまで連れて行けば、彼女はさぞかしカルチャーショックを受けることだろう。いや、アーリアの町を見てみるまでは、まだそうと決まったわけではない。この世界のほうが技術が進歩しているという可能性はまだ消えてはいない。


 もっともそこまで文明化が進んだ世界であれば町から徒歩で出て行ける距離が、地平線まで見渡す限りの平原ということはまず無いであろうけれど。


「一応今後のためにひーくんのステータス聞いておいていい? 私のも教えるからさ」


「もちろんいいよ。がっかりすると思うけど」


 そう前置きして僕はメルに自分のステータスの値を伝えた。ちなみにメルのステータスはこうだった。


メルシア


レベル 6

体力最大値 226

魔力最大値 184

筋力 33

耐久 28

知力 22

抵抗 18

器用 44

敏捷 53


 僕が勝っているのは唯一知力で、それもたった1のみだ。


「運動不足だねぇ」


 僕はぐうの音も出ない。レベルは上がれば人間の能力を底上げするが、上がっていなければ基本の身体能力が物を言うわけで、僕のステータスからは明らかに運動不足なのが見て取れる。


「よーし、まずはアーリアまで走ろっか」


「走るの?」


「どちらにしても走らなきゃ日が暮れちゃう。門が閉まる前にアーリアに辿り着かなきゃ。ほら、ひーくん、行くよ」


 メルに後ろから押されて僕は走り出す。持久走のペースで走るつもりが、後ろからグイグイ押されてオーバーペース気味になる。


「ちょ、っと、待って、この、ペース、キツい!」


「キツいくらいがちょうどいいんだよ。ほら、口より足を動かす」


 息を切らしながら僕は必死に走った。

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