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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第3章 アーリアのダンジョンに挑もう

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第69話 メルと仕入れをしよう

 僕らは八木駅前の100円ショップに移動する。とりあえず鏡をカゴに入れる。据え置き型が5枚と、手鏡が5枚だ。メルは品揃えに圧倒されたように目をキョロキョロさせている。


「ここにある商品のほとんどが銅貨1枚くらいなんだよ」


「ええー!? 安すぎない? どうなってるの!?」


「どうなってるんだろうねえ。本当に」


 100円ショップの安さは僕にも謎だ。作りは確かに安いが、100円は安すぎる気がする商品が多い。大量生産とか、海外工場とかで、単価を下げているんだろうな。でもメルにこれを説明するのは難しい。


「じゃあこれも? これも銅貨1枚なの?」


 メルは棚から色んな商品を手に取って僕に確認する。


「欲しいものがあったらカゴに入れていいよ」


「欲しいものはいっぱいあるけど、宿暮らしだから、あんまり荷物増やしたくないんだよね」


「僕の部屋に置けばいいじゃない」


「そんなことしたらどこまでも甘えちゃうからダメ!」


 必須のガラスポットを10個。それから用意しておくと言ったのは大きめのビーズか。100円ショップにある品だと大きくても一個が小指の爪より一回り小さいくらいのものだ。でも前回持って行ったのは本当に小さな粒ばっかりだったから、これくらいでも喜ばれるかも知れない。


 筆記用具を忘れてはいけない。渡したボールペンはどれくらい書けただろうか。帳簿付けなんかに業務でガリガリ使ってたら、わりとインクが無くなるのは早いと思う。それでも10枚20枚で使えなくなるということはないはずだ。一応10本入りを2つくらい買っていくか。


 それから前回買った緑茶を飲んでみてもらうための急須だ。アーリアだと誰でも湧水の魔術が使えるから、お茶っ葉を煎じて飲もうという文化が発達しなかったのかも知れない。お湯を沸かすことなく、安全な水がいつでも手に入るのだ。


「とりあえず100円ショップはこんなものかな。次は1階のスーパーに行こう」


「スーパー?」


「食料品なんかを扱っているお店だよ。砂糖を仕入れなきゃ」


「砂糖もここで買えるんだ。なんでも売ってるんだね。コンビニよりすごい?」


「どっちが凄いかは分からないけど、コンビニには無いような商品が多いのは確かだね」


 階段で1階に降りると目の前は衣料品店だ。メルに服を買ってあげてもいいかな。でもどうせならもうちょっとお金が手に入ってから、もっと若い子向けの衣料品店に連れて行ってあげたいし、多分水琴なんかを付き添わせたほうがいい。僕は女の子の服のこととかさっぱりだからな。


 とりあえずスーパーに向かい、1kgの上白糖をカゴに入れる。


「無造作に置かれてるけど、砂糖なんだよね? いくらくらいなの?」


「銅貨2枚くらいだね」


「ええー! 銀貨20枚で売れたよね」


「あ、それなんだけどエイギルさんと契約して一瓶金貨1枚ってことになったんだった」


「金貨!」


 メルが目をぐるぐると回す。


「銅貨2枚が金貨1枚」


「あ、この一袋で5瓶に分けるから金貨5枚だね」


「金貨5枚」


 メルは壊れたロボットみたいに僕の言葉を繰り返すことしかできない。


「え、もうこっちで砂糖買ってあっちで売るだけで生活できるんじゃないの?」


「いや、こっちのお金を稼ぐために魔石の入手は必須だよ。アーリアのお金がこっちで使えるわけじゃないからね」


「なるほど。ひーくんがダンジョンに潜らなくなっちゃったらどうしようって思っちゃった」


「僕だってレベルは上げたいからね。ダンジョンには潜るよ」


「良かったあ」


 どうやらメルはただお金を稼げればそれでいいわけではないようだ。レベルを上げる、あるいはダンジョンに潜る、そこにメルの本当の目的があるのかも知れない。

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