表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第3章 アーリアのダンジョンに挑もう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/541

第68話 日本で魔石を売ろう

 近鉄大和八木駅で下車した僕たちは改札を出てバス乗り場へと移動する。週末は15分ごとに橿原ダンジョンへのシャトルバスが運行されている。


「おっきい車? だね!」


「これはバスって言うんだ」


 土曜日の朝ということもあってバスの待機所には人が多い。誰しもが武装していて、探索者であることが分かる。まあ、探索者以外に橿原ダンジョン行きのバスに乗る人なんて滅多にいないけど。


 僕らは並んでバスの座席に座る。メルは窓側の席を選んだ。まるで小さな子どものように窓の外の景色に釘付けだ。


「どこまで行っても建物があるんだ。日本ってすっごく大きな町だね」


「日本は町というか国だね。今は橿原市って町にいるけど、町と町のつなぎ目はあってないようなものだなあ」


「町の外って無いの?」


「山林とか原野もあるよ。だけど普段生活する範囲で緑があるところとなると田んぼとか畑とか、それか公園だね。それ以外の町は普通に繋がってる感じ」


「はえー」


 あ、これはよく分かっていないな。とは思うが、僕も説明は難しい。


 メルが窓の外の景色に見入っているうちに、バスは橿原ダンジョンに到着する。バスを降車すると橿原ダンジョンを覆う建物の目と鼻の先だ。とは言っても今日は橿原ダンジョンに潜るために来たわけではない。用事があるのは魔石の買取所だけだ。


 買取所はダンジョン入り口の改札より外側にあるのでメルでも付いてくることができる。朝なので買取所はガラガラだった。


「すみません。魔石の買い取りをお願いしたいのですが」


「はい。探索者証をお願いします」


 僕は探索者証を取り出す。マイナンバーに紐付けられた探索者証は魔石によって受け取った金額がきっちりと記録されていて、100万円の控除こそあるものの、それを越えた場合は確定申告して納税が必要だ。


 探索者証のQRコードを読み取った職員さんは、僕が並べた魔石の大きさを確認していく。第1層のスモールスライムの魔石も沢山あるため、ちょっと時間がかかった。


 結局、アーリアのダンジョンで稼いだ魔石は23,000円ほどになった。第3層で1日狩りをすれば3万、あるいは4万だって狙えるだろう。


「ねぇねぇ、いくらくらいになったの?」


「アーリア換算だと銀貨7枚か8枚くらいかなあ」


「あんまり変わんない感じだね」


「確かに」


 しかし日本円は砂糖や鏡などの商品を介することで何十倍にも膨れ上がる。僕らはバス停に戻って大和八木駅へのシャトルバスに乗り込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こっちでもダンジョンに入らないと、いずれ不審に思われそう? そこまで管理してないかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ