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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第3章 アーリアのダンジョンに挑もう

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第64話 水琴を言いくるめよう

「ライン?」


 メルはきょとんとする。当然ながらメルはスマホを持っていないし、それに関する知識も全然無い。


「メルはスマホ持ってないんだよ」


「ええー!? 嘘!? じゃあお兄ちゃんとどうやって連絡取り合ってるの?」


「あらかじめ約束して、後は待ち合わせ?」


「昭和じゃん!」


 失礼な。昭和でもポケベルとかで連絡は取り合えたらしいぞ。詳しくはないけど。


「じゃあ、じゃあ、一緒に自撮りしてもいいですか?」


「自撮り?」


 メルが困ったようにこちらに目線を向ける。


「大丈夫。害は無いから付き合ってやって」


 なんとか合わせてと願いながらメルに言う。


「うん。いいよ」


「やったぁ!」


 水琴はスマホを素早く操作して、メルの隣に移動する。自分たちの姿が小さな板に映っていることにメルはびっくりしたようだったが、なんとか声を上げるのは堪えてくれた。


「メルシアさん、笑ってください」


 メルがぎこちないながらも笑顔を浮かべると、水琴はシャッターを切り、満足げにスマホを操作する。


「これ、インスタに上げてもいいですか?」


「それはダメだろ」


「お兄ちゃんに聞いてなーい!」


「ん~、ひーくんがダメって言うならダメかなあ」


「じゃあ、友だちに見せてもいいですか?」


「お前、友だちに自慢したいだけだろ」


「ええー、いいじゃん。お兄ちゃんだけずるい」


「とにかくあんまり広めるなよ。ネットに上げるのはもってのほか! メルに迷惑がかかったらどうするんだ」


「えー、メルシアさん、こんなに可愛いんだから芸能事務所から連絡が来るかもよ」


「そういうのは迷惑なの。しっしっ」


「イーッだ!」


 水琴は舌を出して部屋を出て行く。入れ替わりに父さんが部屋にやってきた。


「えっと、和也の父です。メルシアさんと言うそうだね。和也とこれからも仲良くしてやってくれませんか」


「はい。メルシアです。ひーくんにはいつもお世話になっています!」


「本当かい? 和也が迷惑をかけてなければいいんだけど」


「いいえ! ひーくんはいつも私を助けてくれます!」


「そうか。なら良かった。これからもウチの和也をこき使ってやってくれ」


「こき使うって、まあ、別に、喜んでやるけど」


「とんでもないです。私たち一緒に頑張ります。一緒です」


「良い子じゃないか。和也、大事にしろよ」


「言われなくたって分かってるよ」


 それで父さんとメルの対面は終わる。


「良い家族だね!」


 メルは笑う。


「そうかもね」


 そう答えながら僕はメルの家族はどうなの? という質問を飲み込んだ。14歳という年齢なのにメルは1人で暮らしている。自分の生活費を自分で稼いでいる。そんなメルはアーリアの外を知らないと言った。つまりメルはアーリアの外からやってきたわけではないのだ。


 聞きたいと思ったが、メルが話したいと思う時まで待つべきだとも思った。

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妹さんやらかしそうだなぁ…
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