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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第3章 アーリアのダンジョンに挑もう

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第58話 メルにエクレアを持っていこう

 10月24日日曜日、アーリアの暦ではオクタルの24日。

 僕はエクレアの入ったコンビニのレジ袋を片手にアーリアの自室へとキャラクターデータコンバートした。


 ショートソードを腰に提げて、トリエラさんの宿に向けて出発する。30分ほど歩いて到着。トリエラさんに声をかけて2階に上がり、メルの部屋の扉をノックする。


「メル、僕だよ」


「ひーくん! いま開けるね」


 ガチャガチャと鍵の開く音がして扉が開く。メルの目線は僕の顔からすぐに手元のレジ袋に移動した。


「これ、前に言ってたエクレアだよ」


「わーい!」


 レジ袋ごとメルに手渡すと、メルは早速エクレアの袋を開けて齧りつく。


「んん~、おいひぃ」


 メルがエクレアに夢中になっている間に僕は部屋の中に入って扉を閉める。


「それからゲーツさんのところで作ってもらった僕の部屋の合鍵と、昨日砂糖とかを売ってできたお金の半分」


「んぐっ、ふぇっ!?」


 備え付けのデスクの上に並んだ金貨に、メルは口の中身を飲み込んだ。


「びっくりしすぎて、味が分かんなくなっちゃった。え、これ何枚あるの?」


「20枚だね」


「にじゅ……、冒険者ギルドに預けたほうがいいよね」


「メルのお金だから好きにすればいいと思うけれど、僕としては防具を買うのを提案したいかな。メルは相手の攻撃を避けるタイプだから、邪魔になるかもだけど」


「うーん、橿原ダンジョンみたいな狭いダンジョンだったら防具はあったほうがいいかもね。でもアーリアのダンジョンは違うからなあ」


「そうなんだ」


「私も入ったことはないから聞いた話だけどね」


「どうせポータルも解放されていないし、1層から挑戦することになるなら、まずは様子見でもいいかな」


「うん。1層はスモールスライムの階層だし、私たちなら3層くらいまでは平気のはずだよ」


「そこは橿原ダンジョンと同じか。それじゃ今日はダンジョンを軽く探索してみようか」


「やった! 最初にダンジョンに入るのはひーくんと一緒がいいと思ってずっと我慢してたんだよ」


「そっか、冒険者になってからメルには仕事休みの日もあったもんね。うーん、我慢させるのも悪いなあ。でも1人でダンジョン行って大丈夫なの?」


「ポータルもあるし、無理さえしなければ町の外で魔物を相手にするより安全だと思うよ」


「確かにそうかも」


 ポータルはいざというときの緊急脱出先にもなる。モンスターは基本的にはポータルを通過できないからだ。モンスターを引き連れてポータルに逃げ込む行為は嫌がられるが、命が天秤に乗っている以上仕方がない。

 故意にモンスターをトレインする馬鹿は時折現れるがそのうち消える。モンスターを処理しきれずに死ぬか、あるいは別の理由で。

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