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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第2章 異世界と交易しよう

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第57話 レザス商会と契約しよう

 そうしているうちにレザスさんは6枚の契約書を書き終えた。鏡とビーズとチョコレートのそれぞれの契約書を2枚ずつだ。


 売上金の3割をレザス商会が手数料として差し引いて、残りの7割を僕に渡すという内容だ。ただし金銭の受け渡しはレザス商会で行うものとしている。


 僕はそれを確認してボールペンでサインする。


 これでレザス商会は僕が持ち込んだ鏡とビーズとチョコレートを販売することで3割の手数料を得られる。販売額で利益が増えるのでできるだけ高く売ろうとしてくれるだろう。僕にとっても益のある話だ。


 とりあえず活動資金は砂糖の販売益で得られる。だからこれらの商品の利益は装備の購入に充てることができる。


 日本円の残金が心許なくなってきたから、そろそろダンジョンに入って魔石を稼ぎたいところだ。


「契約成立だな。今日は良い物を見せてもらった。次からは直接来てもらって構わない。門番には話を通しておこう」


「ありがとうございます」


 僕は折りたたみ傘の金貨30枚を受け取って席を立つ。エイギルさんはここに残るようだ。僕に聞かせられない話があるのかも知れない。


「それでは失礼します」


 レザス商会を後にした僕は職人街に足を向ける。メルのところで昼飯にしよう。


「ひーくん、いらっしゃい。明日ならちゃんと休みだよ」


「今日も日替わりを。それから普通の合鍵を作れる鍛冶屋さんいないかな?」


「大将! 日替わり一丁! 不動産屋のお婆ちゃんから教えてもらったところがあるじゃない」


「あそことはちょっと揉めてね」


「ええー、ひーくん何やったのさ」


「僕じゃなくてあっちが悪い」


「大抵どっちもそう言うからなあ。あ、ジルさんとこって普通の合鍵作ってる?」


 メルは近くに座っていた、前回僕に絡んできたおっちゃんに声をかけた。


「ウチは刃物専門だ。鍵作りの鍛冶屋ならゲーツがいるだろ。他所の仕事を奪えねぇよ」


「おう、鍵ならウチに頼めよ」


 ゲーツさんと思しき男性が手を上げる。幸い僕が煽られたあの鍛冶屋ではない。


「じゃあゲーツさんお願い。いくらくらい?」


「銀貨2枚ってとこだ。変に複雑だったりしないよな?」


 僕は懐から鍵を取り出して見せる。


「こんな感じですけど」


「これなら問題ねえわ。銀貨2枚で請け負うぜ」


「それじゃゲーツさんお願いね」


「おう、任されたぜ」


 そう言うわけで僕は日替わりを手早くかっ込んで、ゲーツさんと一緒に鍛冶屋に向かう。鍵と錠前を専門に扱う鍛冶屋ということで、以前に入った鍛冶屋と似た雰囲気だ。


「それじゃ鍵と銀貨2枚預かるぜ。1時間と少しくらいかかると思うから、しばらくしたらまた来てくれ」


「作業を見ていっていいですか?」


「部外者に作業は見せらんねぇよ。ウチに弟子入りするか?」


「それは遠慮しておきます。それじゃまた後で来ますね」


「ああ、仕事はきっちりするから安心しな」


 僕はゲーツさんの鍛冶屋を後にして市場で時間を過ごす。あっという間に2時間くらいが過ぎた。スマホで時間を確認してゲーツさんの鍛冶屋に戻る。


「おう、できてるぞ」


 僕は元の鍵と合鍵を受け取る。見た感じよく出来ている。専門の職人なのだから当然なのだろうけれど。


 僕は自分の部屋に戻り、どちらの鍵でも錠が動作することを確認して、部屋に入った。キャラクターデータコンバートを使用する。日本の自室に戻ってきた僕は、靴を玄関に戻してから、ベッドにダイブする。経験の無いやりとりが続いてちょっと疲れた。


 しかし得た物は大きい。とりあえず金貨で40枚。うち30枚は今回限りだが、鏡とビーズとチョコレートの販売額の7割が後日手に入る。日本円の手持ちは1万円を切ったが、次の商材を買うお金は十分にある。


 30分ほど頭を休めた僕は起き上がって勉強に意識を切り替える。


 教科書とノートを開き、内容を頭に叩き込んでいく。以前よりずっと勉強は楽になった。まだ楽しいとまではいかないが、知力が上がると明らかに理解力と記憶力が上がる。このままステータスが上がれば、いずれ勉強も楽しくなるのかも知れない。

これにて第2章はおしまいです。連続投稿もここまで。

明日からの第3章をお楽しみに!


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