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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第2章 異世界と交易しよう

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第47話 勉強をしよう

 メルの働く酒場で昼飯を食べた僕は早速さっきの鍛冶屋に戻って普通の合鍵を注文、はしなかった。あれだけ威勢良く啖呵を切った手前、今更普通の合鍵を作ってくれとは言いにくかったからだ。負けた気がする。金貨10枚は流石にアホだったが、1枚くらいならいいんではないだろうか。


 僕が学んだアーリアの金銭感覚からしても一般的な市民が出せるのはこの辺りが限度だろう。オリハルコンなんて値段の想像も付かないし、あれは鍛冶屋なりの商売文句だったと考えるのが普通だ。あっさりノせられる僕も僕だと思うけれど。


 僕は部屋に戻ってキャラクターデータコンバートを使った。夕方にもアーリアに行くかも知れないけれど、靴は1度下駄箱に戻しておく。


 それからは机に向かって勉強の再開だ。1時間毎に軽く筋トレをして気分をリフレッシュする。勉強する教科も1時間毎に変えることにした。


 なお英語に異界言語翻訳は機能しなかった。異界の言語を翻訳する技能なのだろうから、当然のことなのかも知れない。逆に言えば異界の言語ならなんでも理解できるはずで、メルなら英語もペラペラになっているかも知れない。


 誰に邪魔されることもなく、夕方までみっちりと勉強した。授業に追いつくにはまだ遠いが、いくらかは進んだ。その一方で自分に基礎が足りていないこともよく分かる。数学や英語は中学レベルから学び直した方が良いのかも知れない。


 週明け火曜日、つまり明後日から始まる中間テストについてはもう諦めることにした。試験範囲のほとんどが手も付けていない状態だ。テスト範囲すら教えてもらっていないことを考えるに、先生方も期待はしていないということだろう。


 どうせ補習は決定事項なのだから、中間テストくらい、という感じなのかも知れない。一応赤点を取ると後日再テストなのだが、本試験と同じ問題が出るので答え合わせさえちゃんとしておけば、再び赤点を取るということはまず無い。経験者は語るというやつだ。


 今回ばかりは全教科赤点ということもあり得るだろう。なんせ試験範囲のほとんどを授業にすら出ていないからだ。そこを集中的に勉強するという手もあったはずだが、正直に言うと数学や英語は該当の辺りを教科書で読んでもさっぱりだった。それで学年の最初から勉強しなおしているのだ。


 うーん、もうちょっと知力が欲しい。


 アーリアで知力も大きく伸びたのは魔術の構成を学んだからだと思う。タイミングを考えるとそれしかない。魔術の構成というのは複雑な電気回路図のような形をしている。それを正しく自分で構築できなければ魔術は発動しない。形まで寸分違わず、というわけではない。魔術的に意味が通ればそれでいい。


 メルはあまり良い魔術の教師ではなかったが、それでも3つの魔術を覚えた。小回復、着火、湧水の3つだ。いずれも生活に深く根ざしていて、生活魔術とも言われている。普通は親から子に伝えられるものだ。アーリア市民のほとんどがこの3つの魔術は使えるんだそうだ。


 魔術の構成は立体的に入り組んでいるので、紙に書いて教えるということができない。使える人に構成を感じさせてもらって、そこから読み取っていくしかない。僕も結構な時間をメルに使わせた。僕もあまり良い生徒ではなかった。


 話が逸れてしまったが、魔術について学んだことが知力を大きく伸ばしたようだ。ゆえに新しいことを学ぶと知力が伸びやすいんだと思う。そして知力が伸びると、学びやすくなる。


 勉強して知力を上げるか、上げてから勉強するか。


 まあ、勉強していくしかないよな。当然の結論に達して僕は教科書に向き合う。

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