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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第2章 異世界と交易しよう

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第37話 大成功を祝おう

 僕たちは金貨5枚と銀貨130枚を受け取って店を後にした。


 正直に言うとエイギルさんがどう思っているのか最後まで僕には分からなかった。今頃机を蹴って悔しがっているかも知れないし、僕らが安売りをしたと大笑いしているかも知れない。


「ひーくん、凄いね。黒胡椒をテーブルに出した時は何が起きたのかと思ったよ」


「最初の店員さんも容器に注目してたし、エイギルさんも蓋の構造に興味津々だったからね。あえて容器のことには触れずに商談してたんだ。向こうはそのまま中身の値段で容器ごと売ってくれたらラッキーってな感じだったんだろうね」


「はえー、お陰でひーくん、一気に大金持ちだね。羨ましい」


「何を言ってるのさ。半分はメルの分だよ」


「えええっ!? だってひーくんが日本で買ってきたものでしょ」


「元手はメルと一緒に倒した橿原ダンジョンの魔物から出てきた魔石なんだから、メルにも権利があって当然でしょ」


「いいの? 本当にいいの?」


「流石に道ばたで渡すようなお金じゃ無いから、宿か、それともこのまま冒険者ギルドに行って2人とも登録しちゃおうか」


「おお、おおおおお、冒険者だ。私、冒険者になれるんだ!」


 メルはその場でぴょんぴょんと跳ねる。本当に嬉しそうだ。


「正直なところ僕とメルがこちらで冒険者になるのは必要なことなんだ。僕は日本で家族にダンジョンには入らないって約束したから、ダンジョンに行くような素振りは見せられない。だけど日本じゃダンジョンの外にいるとしてもスモールスライムだからレベルなんて上げられない。こっちでダンジョンアタックをして魔石を集めて、日本で売って、日本で商材を買って、こっちで売るというサイクルを作るつもり。これならレベルも上げられてお金も稼げる」


「うーん、よく分かんないけど、冒険者になってひーくんとアーリアのダンジョンで魔石を集めればいいんだね?」


「そうそう。メルには悪いけど、それを一旦僕が全部預かって日本で換金する。日本のお金が無いと砂糖や黒胡椒を仕入れられないからね。そしてまたこっちで売って一儲けというわけ」


「なんかすごい。すっごーい! ひーくん、そこまで考えてたんだ」


「思ってたよりは稼げたから、僕も人頭税を払って正式にアーリアの町の住民として認めてもらって良いかもね。滞在許可証の更新も地味に手間だし」


「そうそう、そうしよう! 宿も月借りできるよ!」


「できれば宿じゃ無くて部屋を借りたいところなんだけどな。僕が長期的に不在にしてても不審に思われにくいだろうし。いくらくらいなんだろう?」


「賃貸のお部屋はピンキリだけど、普通に住めるところだと最低でも月に銀貨7枚くらいかなあ」


「定宿暮らしより安上がりじゃない。なんでそうしないの?」


「毎日新しいシーツで寝られるなら、それくらい払うよ」


「ああ、なるほど」


 そこがメルの譲れない一線なわけだ。


「僕は部屋を借りようかな」


 寝るときは日本の自室に戻るつもりだし、シーツうんぬんがという問題は僕には無い。あくまで転移ポイントの確保が目的だ。


「じゃあ冒険者ギルドに行って、徴税所に行ってから、お部屋の仲介人のところかな。今日はそれで終わっちゃうね」


「まあ、今日は商品を売って、滞在許可証の更新ができればと思っていたから、部屋まで借りられたら万々歳だね」


「善は急げだ。走ってこー!」


 メルが走り出し、僕はその後を追いかけた。

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