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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第8章 輝ける星々とその守護者について

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第372話 こちら側で勢揃いする

 もちろん咲良社長と漫才をしていた程度の時間で女性陣の服選びが終わっているはずもなく、僕はそれに付き合わされることになった。

 ところで、なんでメルもアキちゃんも服を選んでるんですかね?


 あと、僕に評価を求めないで。

 可愛いことしか分からない。

 男ってそういうところあるから。


『違うぞ。カズヤ。同じに見えても違うところを褒めるんだ。柄を褒めて、形を褒めて、色を褒めて、そうすれば違いが分からなくてもどうにかなる』


 イマジナリー父さん!


 僕の味方は父さんだけだ。


 シャノンさんは白いTシャツの上から緑色の薄いパーカー、スキニージーンズにスニーカーだ。

 おしゃれをしたというよりは、服選びが面倒で白Tだけだったんだけど、トップがそれだけなのはなんだったのでパーカーを羽織らせた。


「こっちはすげーな。こんなに同じ服がたくさんあるなんてよ」


 エリスさんは襟付きドレスシャツに、柄の入ったワイドパンツで、足下はパンプス。

 ちゃんとおしゃれをしようとして、おしゃれになってる感じがある。

 うーん、意外なところで違いが出たな。


「服選びが楽しくって一生いてられるわね~」


 ロージアさんが花びらをわっさわっさ散らしているような、これはいつもの幻覚だ。

 ファストファッションにこんなのあるの? みたいな、避暑地に来たご令嬢みたいになってる。高級そうなワンピースだけど、本当にこんなのあった? 別の店で買ってない?


「こんなの買ってもらっちゃっていいんですか?」


 戸惑っているのはニーナちゃん。

 まあ、子ども服だよ。子ども服。こうして子ども用の服を着てると、普通に小学生とか中学生くらいなんだなって安心する。

 この子普段はしっかりしすぎてて、ちょっと心配だからね。


「さっきの稼ぎで皆の衣服代くらいは余裕で出てるよ」


 殺人機械キルマータを倒した後にもポータルまでに何匹かのモンスターを倒して魔石を手に入れている。一人につき何十万かの収入はあった。


「あんな弱いので、ですか」


「服に関してはアーリアが高すぎるんだよ……」


 庶民は新品の服なんて買えないし買わないのがアーリアだ。


「あーっと、アキちゃん、というか、切り替えようか。ユウ。ありがとな」


「やだ」


「えっ?」


「無事に戻れても女の子扱いしてくれるってゆった」


「確かに言ったけど時と場合によるというか、ゆった?」


 なんでか知らんけど幼児化しちゃった?


「死ぬまで恋人ってゆった」


「無事に出られなかった場合の話だよね。それは!」


 無事に脱出できるか、死んでしまうか、どちらかの条件が達成されたときに恋人状態は解除されると思ってたんだけど、長柄秋の中では、無事に脱出できるか、死ぬときまでの、どちらでも条件を満たしていれば恋人継続だと解釈したってこと?

 それ脱出の条件いる?


 長柄秋の向こうに、ニッコニコで腕をぶんぶん回すメルが見える。


 あ、僕、死ぬほうの条件も満たしちゃうかも。


「アキちゃん! あのね、昨日は状況が状況だった。僕が君にしたことを言い訳はしない。だけどこうやって脱出できた今は関係を続けることだけはできない。なぜなら僕には妻がいるからだ」


「えっ……」


「僕は結婚している。だから君と恋人になることはできない」


「で、でもっ、昨日のあれ、ヒロ、慣れてない感じだった」


 あ、はい。ファーストキスでした。


「結婚したばかりなんだ。新婚で、忙しくて、まだそういう関係は持ってない」


 あれ、これ、言う必要あったか?


「じゃあ、カノンは? ユイは? メイはどうなるの?」


「僕の気持ちは先日宣言したとおりだ。僕にはリヴ以外の女性を受け入れる余裕なんてない」


 メルには受け入れられたわけではないですけどね。かなしい。


「リヴって誰ですか?」


 きょとんとした顔でニーナちゃんが言う。

 この子、ずっと聞いてたんか!

 子どもに聞かせていい話じゃなかったような気がする。


「メルがこっちで名乗ってるのがオリヴィアなんだよ」


「そうなんですか! おめでとうございます!」


 パンとニーナちゃんが手を叩いたせいで、皆の注目が僕らに集まった。


「カズヤさんとメルさん結婚したんだって!」


 ニーナちゃんの明るい報告。悪気なんてまったくない。

 書類上の結婚だなんて言っても、きっと伝わらないだろうし、どうしたらいいのこれ。


「マジか! いつの間に、というか、ようやくというか」


 シャノンさんがこっちにきて、僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。

 髪がぐちゃぐちゃだよ。

 まあ、元々今日はセットできてないから、別にいいけど。


「めでてぇな! こっちの世界の酒を飲もうぜ! カズヤの奢りで!」


 エリスさんが僕の肩を叩く。


 ご祝儀とかはないんですかね? なさそうですね。アーリアだと。


「今日は勘弁してください。一晩不在だったせいでこれから色々立て込むんです」


「ええー、こっちの酒くらい飲ませろよ」


「ひとまず店内で知人が来るのを待ちま――」


「どーも、知人女性です」


 ぎえっ!

 どうやってレベル41斥候の背後を取ったのか教えてください。

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