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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第8章 輝ける星々とその守護者について

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第357話 都庁ダンジョンの様子を見る

 探索者証作成の下りはもう省略でいいよね。


 小鳥遊ユウが講習を受けている間に僕はこっそりキャラクターデータコンバートでアーリアから装備を取ってきて、都庁ダンジョンについて情報やらを仕入れた。


 さて都庁ダンジョンはいわゆる屋内型ダンジョンだ。

 元の建物の構造に似た内装の屋内空間が迷宮化していて、その中を進む。

 アーリアのダンジョンと比べると比較的橿原ダンジョンに近いと言える。


 つまり狭い空間の迷路を抜けていくタイプのダンジョンだ。


 そして先駆者たちによってその地図は公開、販売もされている。

 僕は冊子になった都庁ダンジョン地図を買った。

 スマホのダウンロード版も購入。


 それぞれ使い方の感触が違うから、両方あった方が便利なのだ。


 攻略は27層まで進んでいるけれど、地図の公開があるのは22層まで。

 これは一般の探索者が進んでいる最奥が22層か、23層までということだろう。

 27層まで進んでいるのはおそらく自衛隊に違いない。


 とは言え、22層は十分にすごい。

 いわゆる攻略クランが情報開示か、売却をしたのだと思う。

 専業探索者でもレベル20になっている人はほとんどいないとされるのだから、手探りで22層の地図を23層まで繋げているのは驚異的だ。


 ただアーリアのダンジョンのように自然空間が広がっているわけではないので、ポータルの発見が非常に難しい。

 ポータルの最大の特徴が高くまで立ち上る光なのに、都庁ダンジョンは屋内なのでその恩恵を受けられないからだ。

 浅い階層でも現在位置を見失えば、そのまま野垂れ死ぬ恐れがある。


 僕がやや入念に準備を整えていると、小鳥遊ユウから講習が終わったとLINEが入った。


「じゃあ、まずはユウの装備を揃えよう」


「えっと、ボクそんなにお金無いよ」


「気にするな。友だちだろ。出世払いでいいから」


「最終的に回収はするんだね……」


 完全に初心者ということであればショートスピア辺りが扱いやすくていいのだけど、屋内空間ならロングソードか、と思ったけど、都庁ダンジョンは出現モンスターの傾向から打撃武器がオススメなのだとか。

 電撃を発生させるスタンロッドをオススメされたので、それを購入。


 僕自身用にも似たようなものを買っておく。


 あとは防刃防弾チョッキにプロテクター、ポリカーボネートの盾。


 うーん、最小サイズのもので揃えたのに、ぶかぶかだなあ。

 こればっかりは仕方がない。

 小鳥遊ユウが小柄過ぎるのが悪い。


 僕は小鳥遊ユウに値段が分からないようにキャッシュカードで支払った。


 知ってた? 大体のキャッシュカードはレジで支払いに使える。

 デビットカード機能と言って、口座からその場で引き落されるので、使い過ぎる心配もない。

 クレジットカードのように審査に受かる必要もなくて、現金を持ち歩かなくても大きな買い物ができる。

 専用カードを作らないと使えないと思っている人が多いけれど、事業者側がJ-Debitに加入していれば基本的にキャッシュカードがそのまま使えるんだ。


 流石に100万近い会計を小鳥遊ユウには見せられない。


 ちなみに専用カードだと信販会社が間に入ってて、そのブランドのクレジットカードが使えるお店なら使えるよ。

 いや、デビットカードの何が一番大変かって、店員さんが知らなくて一回拒否されるところから始まるのが基本なところなんだよねぇ!


 馬子にも衣装とは言うけれど、なんというか装備に着られている感じになってしまった小鳥遊ユウを連れて改札を通る。


 さてダンジョンというものの入り口はポータルだ。

 ポータルとはつまり光の柱であり、それに触れることで次の階層に移動、あるいはすでに行ったことのある階層に移動ができる。

 そして都庁ダンジョンのポータルは高く伸びた二本の建物の中央にあります。


 外から見ると完全にロード・オブ・ザ・リングのサウロンの目なんだよなあ。

 こわい。


 幸い、建物の中にも浸食していて、内部からポータルに触れることができる。

 面白いことに北側から入ると、出るときは南側に出てくる。南側からだと北側だ。

 入出場管理の関係で、北から入るように順路設定されており、エレベーターで最上階まで上がった僕らは北塔からポータルに触れた。


 パーティを組んでいるし、僕も1層経験しかないから選択肢は出ない。


「これが、ダンジョン……」


 背後にポータルがある以外、都庁の建物内と雰囲気は変わらない。

 だけどこの空間は都庁のフロアよりはるかに広くて、1層ですら全ての探索は終わっていない。

 まあ、スモールスライムしか出ない1層を端まで探索する特異な人がいないだけだろうけれども。


 僕はマップを開く。


「この手のダンジョンは1層目でも迷ったら死ぬ。そのつもりでいて欲しい」


「ボクは命を懸けるとまでは言ってないんだけど……」


「懸けないのか?」


「やるさ。もちろん」


「オーケー。まずは先に進むためのポータルのところまで行こう。心配はいらない。1層に出現するのはスモールスライムだけだ。これに殺された人というのは聞いたことがないよ」


 なんなら過去一番危なかったのは僕だ。

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