表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第7章 メルを配信者にしよう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

240/542

第237話 僕らは下見する

 母さんに連絡を取ったところ、仕事が終わり次第に直で大和西大寺駅に向かってくれるそうで、むしろこちらに時間の余裕ができてしまった感じだ。

 咲良社長にすぐに連絡を取って19時に大和西大寺駅2階の人が近寄らない案内ロボの前というとんでもない場所指定をする。

 いや、話しかけている人がいないわけじゃないんだけど、滅多に見ないよね。


 メルの支度を水琴に任せて、僕が着る服も水琴に任せた。


 いっつも僕の服装に文句言うんだから、お前コーディネートできるんだよな、って無茶振りのつもりだったけど、僕の持ってる服のラインナップからそれなりに見られる組み合わせができてビックリだ。


 いつ履くんだと思っていた淡い色合いのズボン。

 ダサいだけだと思っていた英字Tシャツの上からサマーカーディガン。

 一生被ることはないと思っていたハットを被る。

 胸元には首から下げたトップが大きい革紐のネックレス。


 うーん、僕じゃないみたいだ。


「ほら、できた。邪魔だからリビングで適当に時間潰しててよね」


 手でシッシッと追い払われて、僕は自分の部屋から追い出される。


 カチャカチャPC弄るマンと化していたら、そのうちドアの開く音がしてメルが姿を現した。


 装飾の一杯付いたキャミソールトップの上から編み目の大きい、着ている意味がおしゃれ以外に無いカーディガン。

 タイトなジーンズはダメージありで、所々肌が見えている。

 というか、お腹が見えちゃってるんだよな。

 キャップをツバを前に、一応顔を隠す気はあるって感じだ。


 顔はメルにしては珍しく濃いめの化粧が施してある。

 芸能事務所の社長と会うから、ということもあるだろうし、元々の顔を分からなくする意図もありそうだ。


「どうよ?」


「妹がちゃんと今時の中学生だと分かってお兄ちゃん嬉しいよ」


「突然の兄ムーブウザ」


 お前もうニーナちゃんとチェンジな。


 ひとまず準備はできてしまったけれど、時間はまだまだ早い。


「一応、現地に先入りして店を探しておこうか」


「そうだね。なにかあって電車が遅延しても困るし」


 メルもすっかり日本の移動に慣れたようで何よりだ。


 僕らは徒歩で駅に向かい、大和西大寺に向かう列車に乗った。


 大和西大寺駅は平面交差としては日本でトップクラスに複雑な構造を持つ駅ということで有名だ。

 線路の分岐は41カ所に及び、それが一駅を行き来する列車を正しいホームに招き入れ、正しい路線に送り出すために動き続けている。

 この線路だけを写真に撮りに来る人がいるくらいに複雑だ。


 僕みたいな地元民にとっては普通の光景なんだけどね。


 各ホームからは、同じホームで乗り換えというのでなければ基本的に2階に上がる構造になっている。

 駅全体を屋根のように2階部分は改札や通路というだけでなく、駅ナカ商店街が形成されていて、飲食店から八百屋まである。

 一番奥にはフードコートもあって、僕らには関係ないけど、クラフトビールの自販機というちょっと珍しそうなものも並んでいる。


 でもまあ、このフードコートでというわけにも行かないだろうし、僕らは静かに落ち着ける場所が無いか散策に出た。


 大和西大寺駅から改札を出て北出口から地上に降りるとバスロータリーが整備されている。

 近辺の大きい商業施設というとならファミリーだろうか。

 地元民がならファと略するこの施設の主体は近鉄百貨店だと思うのだけど、公共サービスセンターなんかも入っていて、大和西大寺駅周辺で行くならとりあえずここ、という感じ。

 歩いてすぐだし、店舗も多い。

 その分、人も多いけれど。


 カフェというとスターバックスがすぐ隣の建物にもあったのに、ならファの中にもあるという、トンデモ立地である。

 だけどスタバってどこにでもあるし、落ち着いて重要な話をする場所って感じでも無い。


 うろうろしているとチョコレート屋さんっぽいけど、奥に席も見えるショップがあった。HOTEL CHOCOLATE、ホテルチョコレートでいいのかな?

 覗いてみた感じ、こう言っちゃいけないんだろうけど、奥の座席は賑わっているという感じではないし、2階席もあるようだ。

 店頭に並んだチョコレートにメルが興味津々になってしまったのでちょっとウィンドウショッピング。


 アンティーク調の店内の本棚みたいな棚にずらりとチョコレートが並んでいるのはちょっと壮観。


 メルが棚の前から動きそうにないので、僕はここに仮決めして、メルに好きなのを選んでいいよと伝える。


「ホント? やった!」


 年相応の反応を見せて、メルはより一層真剣にチョコレートと向き直る。

 そういやメルはチョコレート大好きだよね。

 アーリアには存在しないからということもあるだろうけど、メルはどちらかというと甘いものに弱い。とても弱い。

 最近、ちょっと肉付きが良くなってきたの、甘いものの食べ過ぎじゃない?


 3つチョコレートを選んだメルは今度はカフェメニューと睨めっこだ。

 ここは席について注文じゃなくて、レジのところで会計してから商品をセルフで持って行くスタイルのようだ。


 メルはアイスのショコララテにカカオホイップとヘーゼルナッツのシロップをトッピングした。

 じゃあ僕はアイスのカカオラテにカカオホイップとラズベリーのシロップにしよ。


 会計を済ませて、商品を受け取ると、せっかくなので2階に上がる。


 偶然かも知れないけれど2階席に他の客はおらず、この様子なら後でも使えそう。

 問題は営業時間だけだな。

 20時までならとりあえず使えるけど、1件目という扱いになりそう。

ちなみにこちらのならファのチョコレートのお店は閉店済みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ