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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第1章 クソザコナメクジくん、異世界に行く

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第22話 家族に連絡を取ろう

 斉藤さんはスマホをいくらか操作すると耳に当てた。


「もしもし、柊さんのお電話でよろしいでしょうか? 私、ダンジョン管理局奈良支部の斉藤と申します。……ええ、ええ、そうです。……いいえ。遺品ではありません。ご子息、和也さんご本人が無事に発見されたということをお伝えするためにお電話させていただきました。……ええ、はい。こちらにいらっしゃいます」


 斉藤さんが僕に目配せをしてくるので、僕は頷く。


「ご本人とお電話代わります」


 斉藤さんがスマホを差し出してくるので、僕はそれを受け取って耳に当てた。


「お母さん……」


『和也! あんた、間違いないの!? 生きてるのね!?』


「生きてるよ。まだ自分でもちょっと信じられないけど、大学病院で検査も受けた。健康体だって」


『アンタの隠してるえっちな漫画の置き場所を答えなさい!』


「ええー、それで本人確認する?」


 僕がちらりと斉藤さんに目線を向けると、クールな雰囲気のあった斉藤さんが笑いを堪えていた。きちんと聞こえていたらしい。


「本棚の上から3段目。大判コミックの裏」


「ホントに! ホントに和也なのね! ああっ、良かった。良かったよぉ」


 母さんの声があっという間に涙声に変わる。僕は釣られないぞ。母さんにエロ本の隠し場所を知られていたというショックのほうが大きい。電話の向こうで泣き崩れる母さんとは話にならなさそうだ。


 斉藤さんが手を差し出したので、母さんに電話代わるよとだけ言って斉藤さんにスマホを返す。


「お電話代わりました。斉藤です。和也さんは我々が責任を持ってご自宅まで送り届けます。他のご家族への連絡はお母様にお任せしてもよろしいでしょうか? 和也さんの携帯電話はバッテリーが無くなっていて連絡先も分かりませんので。……ええ、はい」


 斉藤さんがちらりと腕時計に目線を向ける。


「分かりました。ご自宅の前は車を駐めても大丈夫ですか? ……大丈夫です。運転の者がおりますので。……分かりました。それではご自宅の方で。……はい。それは車ですか? 運転はご自分で? 逸る気持ちは分かりますが、安全運転でお願いします。はい。それでは一旦失礼致します」


 斉藤さんがスマホを耳から離して通話を切った。


「お母様はすぐに仕事を切り上げて帰宅するそうです。ご家族にも連絡してくださるとのことですので、我々もご自宅の方に向かいましょう」


「すみません。みっともないところを見せてしまって」


「とんでもありません。しっかりしたお母様じゃないですか。ダンジョン行方不明者の家族を狙った特殊詐欺もありますからね。注意喚起に使いたいくらいですよ」


「勘弁してください」

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― 新着の感想 ―
[一言] >本棚の上から3段目。大判コミックの裏 其処まで!?
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