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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第7章 メルを配信者にしよう

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第208話 批評を受けよう

 ニャロさんからの返信が止まる。

 僕が送ったメルの動画を視聴しているのだろう。


 完全な他人から評価をもらうのは初めてなので、心臓がバクバクうるさい。


『すごいね、これ。どれくらい練習したの?』


 結構待った気がしたが、時計を見ると動画の長さくらいしか時間は経っていなかった。


 しかし練習時間か。

 本当のことを言ったら面倒なことになりそうなので、僕は誤魔化す。


『必要なだけ練習しました』


『そうだろうね。ここまで踊れるとなるとプロのダンサーくらいじゃない。アイドルじゃ勝負にならない。なんならルックスでも負けるだろうし』


 一文でこれだけの返信が来て、ニャロさんもちょっと興奮しているんだろうと思った。

 当然、僕は嬉しくなる。

 好きな人が褒められて嬉しくないはずがないのだ。


『ただ動画としてみたら褒められないね』


『……どこがどう悪いのか教えていただけますか?』


『その前に君自身はどう感じているのか教えてくれない?』


『手ぶれですね。あまり質の良くないスマホのカメラで撮った映像なので、手ぶれしてしまっています。そこが気になるくらいですかね』


 これ自体はメルが買ってもらったiphoneなら解決できると思う。

 Androidが悪いわけじゃないんだ。

 僕が持ってる機種が安物なんだ。


『それだけ?』


 返答に迷う。

 指摘される点はいっぱいあるのだろうけれど、僕が認識している問題はそれだけだ。

 それに答えが無い、つまりそれだけだと答えるのが正解の場合もある。


『僕が気になる点はそれだけです』


『ふむ』


 そう返信が来て、しばらくやりとりが止まる。

 僕が不安になって、なにか送信しようと、文字を打っては消してを繰り返していると、ニャロさんから返信が来た。


『この動画をそのまま公開するのはオススメできないな』


『えっ?』


 そりゃ動画としてのレベルはそんなに高くないとは思う。

 だけどメルの魅力とダンスはそれをぶち抜けるだけの力を持っているはずだ。


『ひょっとして君はいいダンスなら夢中で皆が見る、だなんて思っているんじゃないか?』


 僕は返信が打てない。

 まさしくそう思っているからだ。

 僕の無言を肯定と受け取ったのだろう。

 ニャロさんから追撃が来る。


『この動画を公開したとしたら、再生数はある程度伸びるかもしれないけど、そこまでだ。多くの人が再生するのは最初の30秒まで、大きなバズにはならない』


 女性陣から指摘された動画としては長すぎるってヤツか。

 それにしたって30秒って、曲の前奏がほとんどじゃないか。

 その先に見所があるというのに、その前に切られるのか。


『何が足りないんでしょうか?』


『一言で言えば、映像としてのクオリティだね。ダンスだけ一流のホームビデオなんだ、これは。他人のホームビデオなんて興味を持てなくて当然だろ。君が当事者だから楽しく見られてしまうだけでさ』


『でもそんなビデオでバズってる場合もありますよね』


『もちろん、この動画だってバズる可能性はある。何がバズるか分からない世の中だ。百本、千本、一万本の動画を出せば、どこかでバズる可能性はある。君が言っているのは謎にバズっている、それこそ女子高生がスマホをスタンドで固定してその前で踊ってるような動画なんかなんだろうけど、ああいうのは同じような動画が山ほどある中で、なにかの拍子にバズっただけなんだよ。何がバズるかは正直分からない。こうすれば絶対バズるって手法があるわけでもない。だけどね』


 長文が一旦切られる。


『バズる可能性を上げることはできる』

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