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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第7章 メルを配信者にしよう

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第199話 進むための手段を手に入れよう

 必要なのはサムネとしての1枚絵と、動画としての画の作り方。


 とりあえずは今回はサムネが優先だ。


 誰かに依頼するということも考えられるけど、多分だけどお金も納期も結構かかるんじゃないかな。

 かと言ってサムネは自動生成に任せます、というのもちょっといただけない。


 自分が動画を見るかどうかの判断をするときに、普段は意識はしていないけど、サムネの影響が占める割合はかなり大きいように思う。


 こういうの統計データが欲しいな。

 ある程度正確な情報があれば、どこにどれだけ労力を割くべきなのか分かりやすい。


 スマホで検索してみるが、サムネは重要という情報はあっても、具体的な統計データなどは見つからなかった。


 実際にチャンネルを作成したらアナリティクスとして提供されるんだろうか?

 いや、あるとしても流石に自分の動画についての傾向だけだよねえ。


 僕はメルの魅力だけでも勝負できるとは思うが、欲目もあるかもしれない。


 そもそも僕はもう知っている。

 中身で勝負したいなら、まず中身を知ってもらわなければ話にならない。

 そのために外装は必須なのだ。


 ちょっと前の自分に刺さりまくるな、このブーメラン。

 まあ中身も伴ってなかったんだけど。


「水琴の知り合いにサムネ作れそうな人いない? 超特急で」


「イラストを描く子ならいるけど、違うよね」


 イラストはイラストでいいものだけど、サムネとはちょっと違う。

 特に動画が実写なのにサムネがイラストでは、なんというかちぐはぐになってしまうだろう。


「そうだな。それこそ実写系の人気動画制作者がいればいいんだけど」


「流石にないわー」


「だよなー」


 こういう時は人気のある動画のトレースをするしかない。

 俺はスマホでアプリを開く。


「実写系の動画はバストアップか、顔のアップに、下部に大きめのテキストが多いか。でもこれって顔が売れてるから使える手な気がするけど」


「メルさんなら顔がいいから、それでもいいんじゃない」


「確かにメルも顔が売れてるか」


 ええっと、PCの中に画像編集系のソフトは、GIMPかな。

 なんか聞き覚えがある。


 開いてみるが、使い方が分からない。


「ごめん。ちょっと集中する。2人はどうする? あっちに行くなら送っていくけど」


「どっちにしても私は着替えないといけないかな」


 メルは踊ったときの服装のままだ。

 このまま日本で外出すると目立つし、すぐに例の画像の子だとバレてしまう。


「それじゃあっち行ってこようかな。メルさん、案内してくれる?」


「もちろん。それじゃ一緒に行こっか」


「了解。それじゃ夕方にまた迎えに行くから。水琴は身分証忘れるなよ」


「分かってるよ!」


 とりあえず2人をアーリアに送って、僕は日本に戻ってくる。


 つけっぱなしのパソコンに向き直り、GIMPと格闘を始める。


 まずちょうどエンコード作業が終わっていたAviUtlで動画ファイルからサムネの元として画像ファイルを何十枚か書き出した。


 AviUtlには次の動画のエンコードをさせつつ、GIMPで画像ファイルを読み込む。


 一旦この画像を別の名前で保存して、練習用ファイルにすることにした。


 僕に必要そうなのは、テキストを画像の上に貼り付けることと、画像そのもののレタッチだ。

 スマホで解説サイトを見ながら、ひとつひとつ機能を試していく。


 明度や彩度、色相なんかも弄れるみたいだけど、どう動かしたら、結果がどうなるか、全部手探りだ。


 そもそも僕は色のセンスとか皆無なんだよなあ。

 何色と何色を混ぜたら何色になるのかとか、何色の隣に何色を並べたら際立つのかとか、頭で考えても分からないし、実際に並べてみてもピンとこない。


 いや、色以前に絵というか画の才能が無い。

 イラストはもちろん、写真もうまく撮れないし、構図がどうとか、光源がどうとか、全然分からないんだ。


 だから画像編集ソフトの使い方を習熟したところで、目指すべきゴールがどこなのか分からない。


 いや、それでも進むための技術を身に付けていくこと自体はプラスだ。


 いつか目標が見えたときに、そこに進むことができる。


 いつか。

 そう、いつかでいい。


 こっちの世界を救いたいというのは、目標を失ったメルに立ち上がって進んでもらうための方便だ。

 彼女を立ち上がらせるために言ったことでしかない。


 僕は本当は世界なんてどうでもいい。

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