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ユニークスキルで異世界と交易してるけど、商売より恋がしたい ー僕と彼女の異世界マネジメントー  作者: 二上たいら
第7章 メルを配信者にしよう

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第198話 準備が足りていないと気付こう

 メルは半熟のぐるぐる卵オムライスの味は気に入ったみたいだが、やはり半熟というのがどうしても気にかかるらしい。

 この辺は育ちで獲得する感性だろうから、なかなか馴染めないのかもしれない。

 変に慣れすぎて諸外国とか、アーリアで生卵を食べようとしても困るので、このままでいいのかもしれない。

 つまり僕のメニュー選択が間違っていたんだ、反省。


 3人で手分けして皿洗いを終えると、スマホに父さんからLINEが届いていた。


『気にせず好きにやっていい』


『どういうこと?』


『詳しい話は夜にする。仕事に戻る』


 LINEの画面を2人にも見せて、どういうことかと首を傾げる。


「そのままの意味なんじゃない?」


「父さんにしてみれば、かなりリスクのある行動になっちゃうからなあ。最悪損害賠償を請求されて、仕事も続けられないかもしれない。一家が路頭に迷う恐れもあるのに、なんでこんな気軽なんだろう?」


 あるいは僕が悲観的すぎるのだろうか?

 実際、公開が停止された動画は見たことがあるけど、訴えられて損害賠償を請求されたような話は聞いたことが無い。

 その辺も含めて、好きにしていい、ということなのだろうか?


「すぐに公開は止めておこう。今日は準備期間と割り切る。いいかな?」


「ひーくんが言うならそれで」


「ま、お兄ちゃんのやることなんだし」


「あと今村さんたちにも一応状況報告しておくか」


 メルのアカウントを作ったのに教えてなかったら怒られるかもしれないし。


『じゃあメルさんのインスタのIDちょうだいね』


 一通り説明した後、予想はしていたがメルの連絡先を聞かれる形になった。

 というか、LINEじゃなくてインスタなんだ。


『それと用意した動画はそれだけ? もっと短いのは?』


『いや、ないけど』


『作れ』


『(なんか怒ってるぽいスタンプ)』


『分かった。作っておくよ』


「これはどういうことだろう?」


 テーブルに置いてオープンにしてたLINEのやりとりに首を傾げる僕だったが、すぐに水琴から解説が得られた。


「そりゃ長い動画だと途中で切られちゃうからでしょ。メルさんのダンス動画4分ちょっとあるから、キャッチーなところだけ切り抜いた動画もあると入り口になるってことだと思う」


「あー、導線ってやつか。入り口は多い方がいいもんな」


 要は看板になる動画をいくつか作ってばらまいておけば、元の動画の認知度が上がるというか、上がりやすくなるって寸法なんだろう。


 幸い、元動画のエンコードは終わっている。


 またAviUtlを使って動画を弄り始める。

 うーん、どこを切り抜くか。

 ここは水琴の知見と、メルのセンスに頼るか。


 あーだこーだ言いながら、僕らは元の動画から3か所を切り抜く。


 サビの部分。

 ダンスのキレてる部分。

 あとメルが無茶苦茶可愛く映ってる部分。


 うまいこと3人の意見が分かれたな。


 またメルの厳しいチェックを経て、動画のエンコードを始める。


 その間に出来上がった全体動画のチェック。


「凄いんだけど、なにか物足りないなあ。なんだろう?」


 水琴が首を捻っている。

 僕はよくできていると思うけどなあ。


「あー、動画の最後とサムネだあ」


「あっ、確かに」


 言われて気が付いた。

 動画は再生前はサムネイルという表紙のような画面が表示される。

 動画の最後には、他の動画へのリンクや、チャンネル登録ボタンが表示される。


 とりあえず動画はまずはこの1本だけだからいいとして、サムネイルとチャンネル登録ボタンは必須だ。


 つまり画像編集。

 絵、あるいは画、の能力が必要だ。


 そしてそれは今後もずっと必要になる。

 サムネイルだけではなく、動画だってそうだ。


 今回は事実上の固定カメラだけど、動画の魅力ってそうじゃない。

 カメラワーク、つまり、こういうのなんて言えばいいんだろう。

 映像としての動きは、カメラの動きでもあるんだ。


 あれ、ってことはダンスだって1回の撮影で終わらせる必要は無いよな。

 メルのリズム感なら、複数回に分けて撮影して切り貼りしたってテンポはズレないはずだ。


 つまりMVみたいな映像作品を作ることもできる?


 いやいや、でもそのためには構図を決めたり、カメラワークを決める、そういう能力を持った人が必要だ。

 僕らの中にそういう知識や経験はない。


 今から身に着ける?

 それにしたって、経験のある人から教わるなり、盗むなりしたい。


 そのほうが独学でやるよりずっと効率がいい。


 人から学ぶというのは、つまり技術や知識のパワーレベリングだ。

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