0章 不思議な夜
こんにちは。翡翠さんです。僕は基本伝奇物を書いて活動しています。pixivでも「翡翠」というペンネームで活動しているのでよろしければ見てみてください。
はぁ、とひとつ息を吐いてみる。
時刻はもうすぐ午後の7時。大通りでは多くの人が歩いているが僕の街ではほとんど人がいなかった。元々街灯も少ないせいで夜になると随分と暗いのも理由としてはあった。
ぴゅうと風が吹く。季節も暦上では冬に入っていて、空気も冷えていた。
「早く帰らないとね」
大地は右手にぶら下げた買い物袋を揺らしながら、足を進めた。
自分の家の明かりも少し見えたころ、鼻をつくような匂いがした。
(これは…血か?)
1歩、また1歩近づく度にその匂いは強くなる。
たどり着いたそこには、足を食いちぎられていた蒼白な少女が、血をどくりどくりと流しながら倒れていた。
なんともそれは、現実では無いような、絵画を見ているような気分になった。
思えば、彼女──白崎木葉との初めての対面だったのかもしれない。
いかがだったでしょうか。今後、話を読んでいく中で魔法の箱庭を気に入って頂けたら高評価よろしくお願いします。