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ヴァンパイア・アビス  作者: スナマル
4/5

04 約束

更新遅れてすみません!

よろしくお願いします!

読みづらいかと思いますが、暖かい目で見ていただけるとありがたいです!!



博斗達がこの世界に来てから10日ほどが経ていた。この日も昼は基本的な武器の扱いなどの戦闘訓練を行い、夕方は能力に慣れるための訓練をした。

博斗は他の生徒達のようにレベルがカンストしていないためまずは少しでもレベルアップを謀って訓練をしていた、おかげで博斗のレベルはたった10日でLv3にまで上がり、博斗も流石に早すぎないか?と思っていたがライルに「お前も異世界から来たことで多少の加護を貰えていたんじゃないか?」と言われたが、博斗はいまいち納得できなかったがとりあえずそれで良いかと思ったので深く考えはしなかった。



日が沈み始めた頃、その日の訓練は終了していたが博斗は1人裏庭のような場所で能力の訓練を行っていた、ここは4日目に見つけた場所であまり人が来ることもなくそこそこ広いと言った博斗にとっては中々に都合のいい場所だった。

博斗はいつものように自分の体重に能力をかけたり、重い岩を限界まで軽くしてみたりなどをした後で支給された剣を持って素振りをしていた。博斗がいかに重力操作で体重が軽くなり早く動けたとしてもその攻撃手段はやはり剣術になってくる、そこで博斗は剣術の修行にも時間をかけていた。



「ふぅ、やっぱり2倍の重さの剣でもまだ素振りするのは疲れるな・・・もっと体鍛えておけばよかったかな・・・」



元の世界では[体を鍛えるくらいなら趣味に費やす]という方針でろくに運動をしていなかった博斗は同級生達と比べると貧相な体つきをしていて、最初は剣を振るのもなかなかの重労働だったが、召喚されてから毎日の訓練と自主トレーニングのおかげで以前と見違える程に体が鍛えられていた。当然10日やそこらで目に見えて体つきが変わるなどは普通ならばありえない事で、やはり博斗にも異世界に来たことでの何らかの影響を受けているためなのだが、博斗にはそんなことは知るよしもなかった。



「隙だらけだな」



「うわ!?」



突然の首筋に剣を突き立てられた博斗が慌てて飛び退くとそこにはにやけ顔の雅紀がいた。



「今日もやってるねぇ」



「あのさ、突然剣を突きつけるのはどうかと思うんだけど」



「悪い悪い、たまにはこういう登場の仕方もありかなって思って、きっと読者も喜んでると思うぜ?」



「んな、漫画じゃないんだから」



ニヤニヤしている雅紀に博斗は困り顔でツッコミながら件を構え直す、雅紀は博斗が1人でトレーニングをしていると決まって途中で現れ、2人で剣の修行をする、いつの間にかそれが2人の日課になっていた。



「くらえ!一条流剣術、烈火!」



雅紀は技名を叫びながら突きの乱れ打ちをしてくる。



「うわ!危な!て言うか何それ、一条流剣術?」



「どうせなら自分の流派みたいな物を作ろうと思ってさ!かっこいいだろ?」



「それは形になるまではあまり言わない方がいいと思う・・・あとそれはまだ使わないでほしいな、本気で怖いから」



博斗がどうにか躱しながら突っ込むと雅紀はドヤ顔で説明してくる、博斗からして見れば突きの乱れ打ちなどと危ない技をあまり使われるのはかなり怖いのでとりあえず使用を控えてもらうことにした。いくら訓練用に刃先が潰されていて安全な剣でも、突きが当たればかなり痛いのだ、まだ博斗にはそれに耐える自信がなかった。



博斗と雅紀は夢中で修行に励み、気づけば既にあたりは真っ暗でかなり遅い時間になっていた。



「ん?気づいたらもうかなり遅くないか?」



「ほんとだね、今日はいつもより長くやってたみたいだ」



「博斗、俺は強くなるぞ・・・強くなって、戦争になってもお前や紅、寧々さんを守り抜くんだ」



「雅紀・・・そうだね、でも僕のことは守らなくてもいいんだけどね、僕だってまだ諦めたわけじゃない、神からギフトを貰えてようが貰えてなかろうが、結局は自分の努力次第だと思うんだ、だから僕は諦めない、この手で、この力で・・・・・・誰にも負けないくらい強くなってみせるよ」



そう言って博斗は拳を高く上げる、もう自分がチートじゃ無いのは知っている、勇者なんかでもない・・・普通に異世界に召喚されただけの普通の人間だ、でも・・・・・・だったらなってやる、親友を・・・幼なじみを守れる強い存在に、特別な力なんてなくてもいい、ただ・・・・・・・皆を守れる強い存在になる。



この世界に来てからあまり目的も持てず、ただただ修行を繰り返していた博斗にこの日、初めて明確な目標が生まれた。



「そうか、じゃあ俺の背中は任せるな!」



雅紀が少し嬉しそうな顔で博斗に拳を突き出す。



「もちろん、2人で強くなろう」



博斗も拳を突き出し互いに拳を合わせた。



2人は解散して各々の部屋に戻ることにし、その場を後にした。





2人がいなくなり静かになった裏庭の木の陰に1人の少女がいた。

この国の第3王女であるアリス・クーデルタ・オルメナスだ。



「あれが男同士の友情・・・カッコイイです・・・」



実はアリスは博斗が裏庭で訓練をやり始めた時に偶然通り掛かって博斗がここで1人で修行してる事を知り、興味本位で見ていたのだ。

最初は剣の修行をするのかと思って見ていたが、明らかに自身よりも重いであろう岩を持ち上げ始めたり小石を投げたと思えばその小石は地面にとてつもない音をたてて落ち、地面にめり込んだりと想像もしなかったような事をやり始めた事にびっくりしたアリス王女は直ぐに博斗にどうやったのか、どうしてそんな発送を思いつくのか等を聞こうとしたが、博斗のあまりに真剣な様子に聞きそびれ、ずっと見ているうちに少しずつ博斗に惹かれていきいつからか夕方になると裏庭で修行する博斗を影から見るのが王女の日課になっていた。



「結局今日も聞けませんでしたね・・・」



アリスはため息混じりにそう呟く。

アリスは博斗が重力操作の能力を持っていることを知らない、だから何をしているのかの見当がついていないのだ。何か物質を操作する能力なのだろうとは思っているがその能力が一体どんなものなのかが分からないのだ。博斗に確認したいと思っているがなかなか聞き出すことが出来ない、最近は雅紀もいるし、1人の時にいざ聞こうとすると顔が熱くなりドキドキして近くに行くことが出来ない。



「また明日きけばいいですね、明日も来るでしょうし」



王女はそう自分を納得させると裏庭を出ていった。






「ステータス」



博斗は自室のベッドに腰掛けながら自分のステータスを確認していた。




暁 博斗: 16歳

種族:人間

ギフト:重力操作Lv3(種子)




「そんなポンポン上がらないよなぁ・・・ん??種子ってなんだろう?」



ステータスウィンドウに出た謎の表記に博斗は首を傾げる。



「種子?種子・・・本当にわからないや、気にしててもまあわからないものは気にしててもしょうがないかなそのうち分かるだろうし」



博斗はステータスウィンドウを閉じるとベッドに横になった。






「・・・・・・あった」



ここの所重力操作についての文献などを調べていたライルは、1つの文献を開きながら呟いた。



「でも・・・これは・・・・・・」



ライルは文献を読み進めながら頭を抱える。



そこに書かれていたのは1人の英雄の物語、村を救い、国を救い、最後には己の命を賭して世界を救い、死んだ救国の英雄。

万有引力を操り、空を駆け、数々の偉業を成し遂げ、最後には神にまで昇華された英雄「ヘカティス」その文献を読み進めていくとへカティスの若い頃の能力を見ていると重力を操ったと出ている、自由自在にあらゆる物の重さを操り、その場の重力さえも変えたという。



「救国の英雄か・・・しかしこりゃあ大層でかい話だな・・・へカティスっつったら俺でも知ってる神だな、確か重力と時の神だったな・・・しかしあいつ、面白い能力持ってんじゃねえか、どう鍛えてやっかな」



ライルは文献を閉じると不敵に呟いた。

その目はまるで新しい玩具を見つけた子供のような輝きを灯していた。










どうでしたでしょうか、少しずつ、博斗達も進んでいます。

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