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始まりの日
高校では、いつもの毎日。
やることのない無気力な友人。
そんな日々に終止符が打たれるなんて思いもしなかった。
俺の名前は、桐谷翔。高校2年の天文部という名の帰宅部だ。いつも決まって遅刻、保健室でサボり、家に帰ればゲームの毎日。なんとなく大学には行こうかなくらいの気持ちで自分なりの青春を送っていた。
授業前は皆和気あいあいとしている。今のクラスは仲が良くていい。前のクラスは酷かったが。
「なあ、なんかわけわかんないアプリ入ってた」
隣の神木だ。コイツは数少ない友人でもある。
そして、そのアプリは真っ黒で名前もなかった。
自分のスマホにも入っていたが気にしてなかった。
「アップデートで追加されたんじゃない?」
「でも、みんなのにもあるし、消せないんだよ。しかも、開けないし」
そう言われれば気にならなくもないが、正直興味無い。
「開けた!」
教室の隅で聞こえた。例のやつのことなのかな?
周りを見ると今は授業中にも関わらず先生までもスマホを見てた。奇妙な光景だと思った。うん、まぁやってみるか。これが、おれの思ってた普通との別れとなった。