表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/85

わくわく冒険者ギルド(約1名)

アオイさん達と別れた後は兄はスキップをしだしそうなほどうきうきした様子でした。


はぐれないように手をしっかり握ります。


サリエルさんたちと遭遇しないように大通りからはずれたドリューズの道端に開かれたテントの店の明かりの間を歩き、トラブルに遭うこともなく無事ギルドまで到着しました。


ファンがいるから歩けますが、私一人では危険なのでこの道は来ないように注意されてます。




私たちが赤いレンガ造りの冒険者ギルドに入るとギルドの中はざわめいていました。


「どうした?」


ファンが顔見知りとおぼしき冒険者の男性集団に声をかけると「おう。なんか王都のお偉いさんが押し掛けてきたとよ。」「わざわざこんな田舎くんだりまで来るんだから大捕物(おおとりもの)でもあったんじゃねぇのか?」「いや、緊急の魔物の討伐じゃ?」と口ぐちに興奮してしゃべります。




・・・アオイさんを迎えに・・・いえ、脱走したと言っていたから捕まえに来たんでしょう。




「おっ、そっちのカノジョ。ゼットの女じゃねぇ?悍馬(かんば)(青い悍馬亭)で見たぞ。」


冒険者のうちの一人が私と兄に気づくと、「おいおい、大丈夫かよ~。ぼうず、"命知らず"にもほどがあるぞ。」とファンを小突いています。


「アイツの女じゃない。俺の女だ。腕輪も贈り合う約束をした。」


ファンはそれだけ言うと、冒険者の男たちから抜け出て「さ、リサ。行こう。」と私の腰を抱いてカウンターへと促す。




カウンターに用事があるのは兄なんですが・・・。




「約束だけで安心すんなよ!」「贈ってからが勝負だ!」「キめるまで油断すんな!」


何やら後ろから冷やかしっぽい声が聞こえました。




私たちをよそに兄はカウンターの受付を見てがっかりしていました。


ギルド受付=美人おねーさんを期待したよね?私もしたからわかるけど。


ティルディグが男性社会だということは言ってなかったよ。


そして何かあったら今のこと美嘉(みか)さんに今のこと告げ口してやろうっと。




兄はこちらのお金を持っていないので登録料を立て替えておきます。


(じゅん)=川原です。」


名前を告げると案の定「ドュニュー?=カーラ?」と思いっきり変な変換をされています。


アリサはファリサでジュンはドュニュー・・・。


サガラはナガラーなのに、アオイさんはアオイでレイジさんはレージ。


不思議変換の法則がよくわかりません。


「ジェイ=カーラで登録できるか?」


「ジェイ=カーラさんですね。少々お待ち下さい。」


あ、兄ズルイ!


兄はよく潤の【J】を使っている。


ゲームの名前やハンドルネームも"J"のつくものだ。


ちなみに6月生まれという安易な名前の由来を持つ兄。


"ジェイ"はそのまま通用した・・・不思議だ。




兄も焼印のついた木札(仮ギルドカード)を手に入れて上機嫌になった。


とりあえず木札でもいいようでなにより。


今日その木札を握りしめて寝る兄が想像できてコワイけど(笑)




お茶コーナーで例のお茶を飲んでいると通りすがりの冒険者の一人が兄に「その服、染め損なった布で作ったのか?珍しいな。」と声をかけてきました。


その人は既にお茶(鎮静効果がある)を口にしているので喧嘩はないだろうと見守っていると、兄は「これは冒険者が森や草むらで目立たないような模様で染めムラじゃないんですよ。うちの国の特産品です。」とメチャクチャな説明をしていた。


どこが国の特産品だ!


「まぁ確かに目立たなそうな模様だな。珍しいモンを見せてもらったよ。」


その冒険者は手を振って席を離れて行った。


・・・あんまり人目をひくものも気をつけないと。


兄を見てそう感じたのでした。


「武器が欲しいな。」


調子にのった兄に苦笑するファン。


後でファンの剣を持たせてもらって潰されるがいい!


危険な魔物がいるというこの国で、まだ魔物を見たこともない私たちはきっと物事を軽く考えすぎだろう。


この前攫われて初めて未知の国で危険があるということが身にしみた私。


観光気分じゃいけないということはわかっている。


ここがゲームの中ならいいんだけど、怪我もすれば命の危険もある世界ということをイマイチ兄は実感していないと思う。




「ドュニュー兄さん行くわよ。」


「誰がドュニューだ!ジェイと呼べ!」


あー、ハイハイ。


「ファン。"おやっさんの店"に行こうか。」


「そうだな。あの時(・・・)に騒がせたままだったな。顔を出してから帰ろう。」


私たちの時間では過去の話でも、ドリューズではさっきおこったばかりの出来事です。


アオイさんは見事に日本行きの帳尻を合わせました。


「ドゥニュー兄さんははぐれないでついてきてよ。はぐれて明日死体で発見されても教会で生き返らないし警察もいなければ"蘇生"の魔法もないからね!」


ギルドカードを手に入れて浮かれてどこかに行ってしまいそうな兄は、タビー用に買った猫リードで引っ張っていきたいくらいです。


リードはファンの収納に入ってるけど。




ファンの左手に腕を絡ませて、二人仲良く・・・後ろに兄もいますが、"おやっさんの店"へと向かいました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ