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休日は二人で

すっかり若いオトコにはまっている川原(かわはら)亜莉紗(ありさ)26歳独身OLです。




おかげさまですっかり肌の調子もよろしくて・・・冗談ではなく目に見えて肌がピチピチしてるような・・・異様さを感じます。


水のはじき方も違うような気がするし、寝不足なのに化粧のノリも全然違いました。


一体どんなホルモンが出ているのか・・・それとも何か別の要因があるのか・・・鏡の前でしきりに首を捻っているとファンがどうしたのかと聞いてきます。


どうしたのかと言われても、お肌の曲がり角なんてとっくに曲がった私が"良い方に肌の調子が気になるだけ"なので「別に。」としか言えませんでした。







「ファン。何かこちら(・・・)で見てみたいこととか、知りたいことはない?」


朝食を終えて部屋に戻ってチェックアウトするまで、荷物を片づけつつファンの希望をとる私です。


ファンは少し考えて「そうだな。前に"てれび"で見たこちらの"月"とやらには行けないだろうか。飼いならされた飛竜に乗っても空の上には何もないと聞くし。」と言いました。


月は無理です!


「・・・ごめんね。まだそこは一般の人には行けない場所なのよ。」


「"ヒコーキ"では行けないのか?あんなに沢山あるのに。」


だから無理です!


「飛行機は路線のある馬車みたいに行き先が決まってるの。月は・・・うーん、残念だけどすごく遠いから普通の飛行機じゃ行けないのよ。」


少し考えて「・・・そうか、残念だ。」とファンは諦めたようでした。


「"ものすごく高い場所"は昨日見たし、"デンシャ"は今日もまた乗るし。リサが一緒ならどこでも楽しめそうだ。」と気をつかってくれてか言います。


電車好きですね、ファン。


ずっと乗ってましょうか。


そう思ったものの、それはちょっとなぁ・・・とスマホで今日のイベントを検索すると、ここの隣の県で花火大会があることがわかり、ファンに花火を知っているか聞くと知らないと言うので、今日はそちらで宿泊できないか調べてから移動することになりました。




電車も二日目になるとファンの緊張もほぐれてきたようです。


今日は体のこわばりもないようでなによりでした。




ファンは何か変わったものを見ても驚かないように気をつけているそうです。


ダメージすぎるジーンズをはいた人を見て「こちら(・・・)は豊かそうに見えるけど、やはり貧民はいるところにはいるのだな。」と納得するファンに「あれはファッションだから。」と訂正しました。


「こっちに来て何に一番驚いた?」と聞くと、蓋が自動で上がって使用後に勝手に流れたトイレだそうです(笑)


確かに・・・知ってても急だとビックリしますね。


そういえばむこう(・・・)のトイレに違和感を感じたことはなかったなぁ。


誰かこちらの文化を持ち込んだ人でもいたのでしょうか。


私のようにこちら(・・・)向こう(・・・)を行き来できる人が他にいるのかもしれません。







あちこちをうろうろしてなんとか明るいうちにホテルにチェックインした私たちは、ホテルの部屋で花火についての説明をしてから食事に出かけました。


花火はどこがいいポイントかよくわかりませんが、混雑の中土手で空いてる場所を見つけ観覧です。


ファンは浴衣の人たちを珍しそうに見ていました。


「リサもああいう格好をするの?」と質問されたので「私は浴衣は持ってないの。」と答えてファンをがっかりさせました。


いえ、本当にがっかりしてましたよ。


大人っぽく見えるファンも、電車や飛行機に目を輝かせたり、実は中身は年相応なのかもしれません。


「ファンが見たいなら、そのうち見せてあげるね。」とフォローしておきます。




いよいよ花火が始まり、夜空に大きな華が咲くとファンは「すごいな・・・。」とまた目を奪われていました。


耳に口を寄せて「まるで王宮の魔術師の攻撃魔法みたいな音がする。」と囁きました。


「ファンもできるの?」と尋ねると「そんなのができたら一介の冒険者などしていないで王宮勤めをしている。自分ができるのは簡単なものだけだ。」と苦笑しています。


今夜はファンに魔法について教えてもらおうかな。


やはり魔法文化のない国出身からすると気になります。


もし私にもできるなら「ライト(光)」の魔法くらいは伝授していただきたい、ぜひ!




過去に決別したはずの黒い歴史の中の何かが私の中でムクムクと起き上がってくるのを感じました。


昔とった杵柄で妄想力には自信があります!とは言えませんよね。

今回は短めとなりました。

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