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時姫  作者: 久保坂かの
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今日は時々ついているでしょう。~事のはじまり~

はじめまして。私は、ファンタジーが大好きです。

いつも、和風ものが読みたい!と思っていたので書いてみました。

執筆速度は遅めなのでお気をつけください。

コトコトという音を立て古い暖炉で沸かされた紅茶をアンティーク調のカップに注ぐ。その濁った水面に写る人影。それは、黒いマントに赤い唇の女の姿だった。女はゆっくりと口をひらき静寂をやぶった。

「この子ね。いい?あんたがこの子の使い魔になっておやり。そして、時が来るまで少しお待ち。」と言い聞かせるように言った。女の目の前には真っ黒な美しい毛並みの直立二足歩行の猫。その猫は女に忠誠を誓うかのようにそっとひざまついてのだった。窓からちらりとのぞく月が不気味にひかり、女は怪しげに微笑んだかのように見えた。女はカップをそっと持ち上げて冷めかけた紅茶を口に含んで見せた。


小さい頃の夢を見ていた。だけどそれは鮮明すぎて夢か現実か一瞬わからなくなるくらいはっきりと覚えていた。8歳の誕生日のことだった。黒いマントを着た女の人が「ねえ、お嬢ちゃん。猫飼わない?とっても頭のいいメスの黒猫なの。お姉さんちょっとした事情で飼えなくなっちゃたの。」と赤い唇で婀娜っぽく言った。見てみる?という風に見せてくれたその子猫があまりにも可愛らしかったのでついついもらってしまった。

後で「黒い服をかぶった女の人にもらった。」と言うとママに「<かぶった>ではなくて<着た>でしょう。」と注意されたが当時の私の言葉の引き出しには黒マントなんて言葉はなかったので仕方ない。しかし、13歳となった今では説明することも可能である。ちなみに、今でもその猫は<クロリン>と私に名付けられ我が家にいる。

そんな風に思いながらウトウトしていると上のほうから「琵川びかわ、授業中だぞ。夏ばてか?もうすぐ夏休みだからって気をぬくなよ」という声と教室中からクラスメイトの中学生らしくもない「ふふふ・・」という上品そうな声が聞こえた。それもそのはず、ここは私には不釣合いな歴史あるお嬢様学校。幼稚園から始まり大学までよほど成績が悪くない限りエスカレート式。しかし、その条件として家柄が重視される。これでわかったと思うが私は家柄だけはお嬢様なのだ。

なんたってうちは、江戸時代に創業した歴史ある呉服店『琵川屋』なのだ。創業当時から将軍や幕府の重鎮から贔屓にされ平成の今でさえも有名人にも贔屓にされている。商売繁盛。といっても皆が想像するようないなにもお嬢様というかんじではない。クラスメイトは別として。

こんな事を思っているとまた上のほうから「琵川、寝不足か?」という暢気そうな先生の声がしてきた。


今日は本当についてない。そもそも朝のニュースの占いからおかしかった。「新しい自分に出会えるでしょう」だなんて。それもあってか今日は授業中2回も注意を受けた。普通の学校ならいいもののうちの学校だとかなり浮く。てゆうか、社交界での弱みとなる。これだけでもかなりのダメージだがさらにスーパーのタイムセールに間に合わなかったことがここ1番のショックだ。

そもそも私がスーパーへ夕食の買い物をしにいく時点でおかしい話だ。両親は健在、しかもバリバリ働いている。そして、祖父母も。兄弟はいない。つまり、私が夕食の準備をしないといけないかというと、できることは自分たちでという意見の両親は家政婦を雇わなかった。でも、2人とも裕福に育ってきたのでびっくりするくらい家事ができないのだ。それでも本人達は自分達でできていると信じて疑わない。だから、苦肉の策としておばあちゃんが私に家事を教え込んだのだ。そんなわけで私はスーパーへ行くことが日課になっている。

それにしてもついてない。私何か悪いことしたかなぁ。思いあたりがありすぎる。例えば、言葉巧みに小言を言い返したりとか。でも、たったそれくらいで―――そのとき、雨がポツリと降り出しはじめた。

最悪。ついてない、をとうりこして。朝の天気予報では「快晴!洗濯日和」だったのに。洗濯物ほしてきちゃったよ。ちなみに今、私は右肩にスクールバック、右手に体操袋そして左手に買い物袋、という状況である。つまり傘なんて持っていない。持っていたとしても、さす余裕すらない。そうこうしているうちに雨はどんどん強くなる。「早く帰って夕食作らないと、お母さんたちまってるから」と雨の中へ濡れるのも気にせず駆け出した。

しかし、突然ドンと大きな音がした。雷だ。音の前に目の前で何かが光っていた。その瞬間私は意識を失った。

読まれた方は、是非、感想を!!


楽しんでいただけたら、幸いです☆

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