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破壊者_全ての敵を破壊せし復讐/デストロイヤー_ペネトレイト・ヴェンジェンス  作者: D-delta
第一章 世界の裏と奥底の真実に隠れた憎き仇敵、復讐すべし
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▽1・1 人類連合軍・実戦配備

 世界の国々が人類国際宇宙連合を組織して宇宙へ旅立ってから数百年。

 人類が連合の下で生存可能な惑星を開拓、生活圏を広げる時代。

 プランヴェル軍という名の異文明勢力と戦争を経験した戦後。

 開拓された惑星の中で(もっと)も新しい第六の居住惑星――『ヘキサ』の日本領。そこに存在する人類国際宇宙連合軍(通称:人類連合軍)の基地の一つ、蝦夷(えぞ)基地にて。


「ここが配属先ですか」

「そうだ。今日からはこの空軍基地の第一一三重装甲機兵中隊に所属となる」


 蝦夷基地に到着した輸送トラックから降り、二人が目にする蝦夷基地内部の光景。

 空軍基地らしく、Fデバイス搭載型単発戦闘機『デーモンフライ』がFデバイスで基地に垂直着陸または基地から垂直離陸する姿が二人の視界に入る。


「タキ一等兵とノア軍曹ですか?」


 背後から来る少女の声。

 二人は振り返り、少女の声に違わず容姿も少女を見る。

 その容姿、少女らしい華奢(きゃしゃ)な体と育ちの良さから気品漂う少女の顔立ち、その髪は闇夜の如く黒い。

 一言で言えば美少女。軍服を着ていても軍人とは認識出来ない容姿をしている。


「はい。今日から第一一三重装甲機兵中隊に配属となる、ノア・フォート軍曹及びタキ・ヨシノリ一等兵です」


 そんな相手だが、ノアは敬礼して敬語で話す。空気を読んでヨシノリも敬礼をした。


「私はライカゼ・ユリ(来風百合)。階級は少尉です。今日からあなたたちが配属する中隊のフォックス小隊、その指揮を私が担当します」


 少女な見た目でも士官。ライカゼ・ユリは二人よりも階級が高く、しかも小隊長。


「よろしくお願いします、ライカゼ少尉」

「こちらこそよろしくお願いします。それと、私を呼ぶ時は下の名でお願いします」

「了解です、ユリ少尉」

「では、付いてきてください。小隊に案内します」


 ノアとユリの話が終わると案内が始まった。

 ヨシノリは周りに目を向けながら二人の後ろを付いていく。

 行き先は格納庫。進んでいけば格納庫内の第一一三重装甲機兵中隊の兵士の姿とずらりと並ぶ『ベースドアーマー』の光景を見かける。


「ようやく戦場に行けるんだな……」


 ヨシノリは呟く。ここに教官はいない。これからは実戦だということを実感する。


「揃いも揃って若いな、あの小隊」


 こちらが見ていれば向こうも見ている。

 ヨシノリたちを見る兵士の目、噂が飛び交う。


「お、地球に本社を置く来風グループの令嬢が来たぜ」

「名前は確かライカゼ・ユリだったよね。後でなにか恵んでもらおうよ」

「いいねぇ。戦場ではこっちが先輩だ、少し手荒にしても文句はないだろ」


 良からぬ視線とユリが令嬢という噂。

 噂をする声量は当のユリにも聞こえているが、無視。周りの視線を浴びながら兵舎も兼ねた格納庫の奧へ奧へと進む。


「ここです、お二人共」


 そうしてユリが率いる小隊に到着。

 先に小隊にいる兵士は三人。全員が女性で、十代か二十代を思わせるほどに若い。


「お、ユリ隊長! おかえりなさい!」


 三人いる内の褐色肌の娘が戻ってきたユリに気付く。それに続いて子供と見間違うほどに背の低い娘に、ツンとした雰囲気の娘も気付き、三人揃って出迎えに出てきた。


「隊長、後ろの二人は新しい隊員ですか?」


 背の低い娘が質問する。


「そうです。タキ一等兵、こちらの三人に自己紹介をお願いします。私はノア軍曹と共にブリーフィングに行きます」

「てことだ、ヨシノリ。ちゃんと仲良くしていろよ」


 質問に軽く返したユリはノア軍曹と共にブリーフィングへと出向く。

 この場に残るのはヨシノリと三人娘だ。


「とりあえず私たちから自己紹介しよっか」


 まずは褐色肌の娘が自己紹介を始める。


「私はアカクサ・ラウラ(赤草ラウラ)上等兵。敵の撃破数は二十機、すごいっしょ?」


 自慢気なラウラの自己紹介。

 そこに「二十機の撃破数は私たち三人でやった数だけどね」と、ツンとした雰囲気の娘が補足を入れる。

 話を盛ったラウラは少し恥ずかしい様子で目を逸らした。


「次はアタシ」


 今度はツンとした雰囲気の娘の自己紹介。


「アタシはアイゼン・ハート上等兵。ラウラとは同期よ。よろしくね」


 自己紹介を短く終える。

 そこにラウラが「ちなみに漢字表記にするとね」と補足を入れ、メモ帳に書いた愛染愛の名を見せてくる。つまりは愛染(アイゼン)(ハート)ということ、少々キラキラである。


「ちょっと、ラウラ! そのメモ帳没収!」

「取れるもんなら取ってみな!」


 ハートにとって自身の名が相当コンプレックスなのか、ラウラのメモ帳を没収しようと争奪戦を始めてしまった。


「全くもう、これじゃあ新入りに示しが付かないよ」


 そんなラウラとハートに呆れる背の低い娘。


「あ、次は僕が自己紹介するね」


 三人娘の三人目の自己紹介。


「僕はヒイラギ・ナコ(柊奈子)。伍長だよ。あ、これでも三人の中で年長だからね?」


 背の低さが気にしてか、最年長ということをアピールしてくる。


「次はタキ一等兵の番だよ」


 ナコの自己紹介は終わり、これで三人娘全員の自己紹介が終わった。


「はい」


 次はヨシノリが自己紹介をする番。

 そこに丁度良くメモ帳を没収し終えたハートと残念がるラウラが戻ってくる。

 三人娘の目は自己紹介をしようとするヨシノリに注目する。


「自分はタキ・ヨシノリ一等兵です。よろしくお願いします」


 三人に注目されながらの自己紹介。緊張気味で丁寧に告げる。


「たぶん訓練生終えたばかりじゃん? 訓練どうだった?」

「ノア軍曹とはどういう関係なの? あんな親しくしてさ」

「あ、年齢……タキ一等兵、年齢は?」


 直後の三人からの質問攻め。質問の勢いに乗って三人は詰め寄ってくる。


「えっと……」


 顔が近い。ヨシノリは恥ずかしく、一歩下がった。

 すると一歩下がった分、彼女たちは一歩寄ってくる。

 離れられない。彼女たちの匂いや彼女たちとの近さで、ヨシノリの思考が乱される。


「ま、まず、年齢は十七歳で……ノア軍曹は俺が訓練生の時の教官なんです」

「へぇ、十七歳なんですね」

「え?」


 なんとか質問に答えると、不意にユリの声がやってきた。声の方へ向けばユリとノアの姿が視界に入る。


「戻ってきてたんですか、少尉。それにノア軍曹も」

「早速仲良くしているな、ヨシノリ。だけど交流はそこまでだ」

「作戦データを貰ってきました。今から任務の説明をしますね」


 ユリは取り出した情報端末から作戦データを3Dホログラムの立体映像で映し出す。

 戦いに向けての任務説明が始まる。

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