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破壊者_全ての敵を破壊せし復讐/デストロイヤー_ペネトレイト・ヴェンジェンス  作者: D-delta
第一章 世界の裏と奥底の真実に隠れた憎き仇敵、復讐すべし

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▽4・9 ――・空のその先へ

 天倫基地にアルマ大佐とホオズキの死体を残し、三人の乗る昇降機は軌道エレベーターを昇り続ける。

 行き先は空のその先、宇宙。そして軌道エレベーターの天辺にある通信装置だ。


「ふぅ……みんな生きて突破出来ましたね、ユリ少尉」

「突破出来たのはノア軍曹とヨシノリ君のおかげです。それと、プランヴェル軍のおかげでもありますね」

「プランヴェル……」


 三人の力だけでの成功じゃない。

 思惑の分からないプランヴェルの加勢。それが状況打開の糸口となり、全員が生存して強行突破出来た。

 ユリとノアはもちろんのこと、ヨシノリもそれを実感していた。


「まぁなんにせよ、ここからは宇宙です。空間戦闘仕様にする必要がありますが……」


 ノアは話を切り替えて必要な換装装備を告げる。昇降機内の壁面に固定された防衛部隊用の『ベースドアーマー』に目を付けながら。


「それなら私たちの目の前に防衛部隊用の『ベースドアーマー』が丁度良く空間戦闘仕様に換装済みで人数分ありますよ?」


 ユリが言うように空間戦闘仕様の『ベースドアーマー』は人数分揃っていて、都合良くすぐ使える状態にある。

 これを使わない手はない。


「じゃあ、乗り換えてしまいますか」


 そうして三人は今の『ベースドアーマー』を乗り捨て、壁面に固定された空間戦闘仕様に換装済みの『ベースドアーマー』へ搭乗。空中戦闘仕様の天使を思わせる機械翼のスラスターと陸上戦闘仕様の重装甲で無骨な姿が合わさるような姿へと、三人はなっていく。


「固定解除。空間戦闘仕様も、宇宙も、訓練以来だな」


 ヨシノリは機体の固定を解除。自らの体にも等しい自らの機体を解放する。


「本当に久しぶりの宇宙だな、ヨシノリ。武装はどうだ? 変えるなら手伝うぞ」

「私も手伝いますよ、ヨシノリ君!」


 ノアもユリも機体の固定を解除。機体は万全だが、武装はまだ万全ではない。


「あ、お願いします。俺も二人を手伝いますので」


 ヨシノリは武装を変更する。


「俺は元から搭載しているチェーンガンとブリーチングパイルはそのままで、肩部武装に40mmライフルとミサイルがあれば下さい」

「分かった。そこの余った機体から武装を拝借しよう」

「ヨシノリ君、じっとしていてくださいね。まずは両肩部のガトリングを外すので」


 要望に応じて進む武装変更の作業。

 右腕部に30mmチェーンガン、左腕部に一発限りのブリーチングパイル。

 背部に空中戦闘仕様と同じ機械翼のスラスターがある都合上、肩部の左右にそれぞれ空間戦闘用ミサイルポッドと肩部及び背部用の40mmライフルを搭載。

 重力という名の鎖が外れた空間戦闘仕様は陸上戦闘仕様並みの重武装と重装甲、そして空中戦闘仕様並みの高機動を両方持つことが出来る。


「ありがとうございます。じゃあ少尉と軍曹のもやりましょうか」

「あ、私は基本装備なので変更はなくて大丈夫です。ノア軍曹はどうですか?」

「私も扱いやすい基本装備ですけど、追加で肩部にガトリングガンを付けます」


 ユリに武装の変更はない一方で、ノアは武装を変更。


「よし、いいですよ。どうですか?」

「ちゃんと武装がHUDに表示されている。オーケーだ」


 武装変更の作業の末、武装変更を終える。

 三人の準備は万全だ。


「ヨシノリ君――あっ……!」


 ユリの呼び声。それと同時に固定していない全てのものが宙を浮き始める。


「おっと、重力圏を抜けたようですね」

「ということはもう宇宙ですか。流石に防衛部隊用の昇降機は早いですね」


 昇降機はもう『ヘキサ』の空の上、宇宙を昇っている。

 それでも軌道エレベーターの天辺到着まで時間はまだある。


「そういえばユリ少尉、俺のことを呼んでいましたが、なにか話でも?」

「あ、そうそう、話と言っても他愛のないことですけどね」


 そう続けて、ユリは「まだ私をお姉ちゃんと呼ばないんですね?」と告げる。


「あ、いや、それはまだ……ユリ少尉と親しくなったとはいえ、お姉ちゃん呼びは抵抗があります!」

「ふーん」


 ヨシノリは恥ずかしさ半分、申し訳なさ半分で答える。

 それに対してユリは目を細めた意地悪な妖しい笑みを浮かべた。


「そんなに恥ずかしくて言えないなら、後でお姉ちゃんらしく抱いてあげる。そうすればお姉ちゃん呼びも慣れるでしょ?」


 丁寧語を消したユリから放たれる、意味深な言葉。


「だ、抱く、ですか?」


 単純に異性と肌を触れ合う行為とは微妙に違うように聞こえる。


「そう。ベッドで一緒に抱き合って――」

「ユリ少尉? あんまり私の教え子に変なこと吹き込まないでくださいよ」

「フフフ……ごめんあそばせ」


 刺激の強い大人な話。ヨシノリの耳に入る前にノアが止めに入った。


「えっと、どういうことです?」

「ヨシノリ、お前にはまだ早い。こういうのは後一年待って成人になってからだ」

「は、はい!」

「よし。じゃあ気を引き締めろよ? お前にとって初めての宇宙戦になるかもしれないんだからな」


 ノアは続けて「ユリ少尉もですよ。分かりましたね?」とユリにも注意する。


「もちろん分かっていますよ」

「それならいいですが……じゃあ目的地に着くまで機体の最終チェックをしましょう」


 ここからは宇宙。しかも機体は拝借(はいしゃく)したもの。

 不測の事態が起こらないように三人は入念に最終チェックを始める。

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