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破壊者_全ての敵を破壊せし復讐/デストロイヤー_ペネトレイト・ヴェンジェンス  作者: D-delta
第一章 世界の裏と奥底の真実に隠れた憎き仇敵、復讐すべし

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▽4・8 ――・天に昇り行く者たち

 三人は天倫基地内へと一直線に向かう。


「お前たちがなにをしたのかは分からないが、敵であれば通す訳にはいかない!」


 そんな三人の行く手を阻もうと敵の攻撃が来た。


「悪いが、押し通るぞ!」


 誰よりも先行し、派手な機動をするヨシノリに弾丸とミサイルが殺到。

 装甲越しに殺そうと寄ってくる殺意。それを受け流すように回避、更に前に出て敵との距離を縮める。


「訳も分からず死にたくないなら下がれよ!」


 前に行くほど厚くなっていく敵の攻撃、練度(れんど)のある連携、それも全てヨシノリの前では無意味になっていく。


「なんだ? こっちが追い込んでいるはずだぞ!?」

「死角なのにどうして避けられる!?」


 Fデバイスとスラスターのリミッターが解除された常人ではない、不規則で急制動を掛けた機動。推力を限界にまで出した戦闘機並の加速。

 そこにヨシノリの超反応と空間把握、未来予知にも等しい敵位置と射線の把握と予測が加わって敵弾の全てを回避。


「俺は押し通ると言ったぞ!」


 敵がどれだけ四方八方から撃ってもヨシノリに当たる気配はない。

 それどころか、ヨシノリの反撃で四方八方の敵が破壊されていく。


「やっぱりすごい」


 ユリの目に映る、ヨシノリがたった一人で敵の数的有利をひっくり返す姿。


「ヨシノリ君の力、こんなに圧倒的で……」


 たった一人で百機近くの敵を圧倒する一騎当千の力。

 その力にユリは圧倒された。


「実戦を数回重ねただけでこれか! 流石だ、ヨシノリ!」


 一方でヨシノリの力をその身でよく知っているノアも、敵を撃破し始める。


「私も負けてられないな!」


 常人ではない動きのヨシノリと常人で熟練した動きのノア。

 ヨシノリが単機で一騎当千するのに対し、ノアは状況を利用して戦闘。ヨシノリに集中攻撃する敵陣の中に紛れ込み、不意打ちとかく乱を行う。


「ノア軍曹もすごい。でもこれなら、集中出来る」


 ユリは二人の姿を遠目で捉えながら状況を把握。目の前の敵にだけ集中せず、敵の行動予測を頭に入れながら丁寧に狙撃する。


≪フフフ……やはり破壊者(デストロイヤー)の力があれば、こうも簡単に状況が進む!≫


 そして三人と共に戦うプランヴェル。

 赤い一つ目は敵を殺しながらヨシノリを見つめ、その力を味見している。

 それぐらいに余裕がある。敵を圧倒している。

 もはや天倫基地から上がってきた敵の戦力は半分もいない。


「バカな! プランヴェル軍は無視して良い、早くあの三人を殺せ!」

≪私も表舞台に立っているのだから、無視しないでくれたまえよ≫

「なっ!?」


 プランヴェルの恐ろしく人ではない声が通信越しのアルマ大佐に(ささや)く。

 直後、アルマ大佐にピンポイントでエネルギーの光弾が何発も撃ち込まれた。


「プランヴェル……やはり偶然じゃなく……!」


 壁に、アルマ大佐に、また壁に、焼けた風穴が出来ている。まさしく天倫基地の壁など容易に貫通していた。


「情報通りか……計画の外にいる貴様が彼を――」


 絶命の声。風穴の出来たアルマ大佐は倒れた。

 指揮官を失った敵は完全に崩れ、ヨシノリたち三人を止められなくなる。


「今です! 一気に行きます!」

「こっちだ、ヨシノリ!」


 あっさりと天倫基地に侵入。

 敵は襲ってくるプランヴェル軍に対して自衛するので精一杯な状況で、もう三人のことを見ていない。


「あれです、防衛部隊用の大型昇降機!」


 今が好機。

 敵に見られていない隙に三人は急ぎ、防衛部隊用の昇降機を目前にする。


「待って、ユリ!」

「お姉ちゃん!?」


 しかしそこにホオズキの声が来た。

 ボロボロの機体で滑り込み、機体を乗り捨てて焦り気味に寄ってくる。

 三人の進む足は止まった。


「ユリ、私を助けて! プランヴェル軍が襲ってくるの!」

≪来風家の面汚し、逃がすつもりはない≫


 目の前のホオズキは助けを求めている。

 誰にも聞こえない独り言を放つプランヴェルに、その命を狙われている。


「お願い! なんでもするから、早く助けて!」

「私は……」


 家族の情を持つユリも含めて、ノアもヨシノリも人情を持つ。だが、相手は傲慢(ごうまん)で自分のためにユリを追い出し、気に入らないからノアを殺そうとしたホオズキだ。


「ユリ、私を見捨てる気!? あなたと私は家族でしょ!?」


 三人全員、ホオズキに助けの手を出さない。


「そうだね。家族、だね」


 そして家族の情や人情以上にユリの中には黒い感情がある。

 今までホオズキにやられてきたこと。それの恨みがある。


「そうだよね、私たちは家族! 私を今すぐ安全なところに――」

「でも、もうお姉ちゃんはいらない」

「へ……?」

「もういらないの。死んで」


 だからユリはホオズキを切り捨てることを選んだ。


「な、なにを言ってんの!」

「こんなのに構っていられません。ノア軍曹、ヨシノリ君、行きましょう」

「はい。本当に放っておいていいんですね?」

「放っておけ、ヨシノリ。あれに構うほど、私たちに余裕はないんだからな」


 三人はこの戦争を止めるために目前の昇降機に乗り込む。


「待って、置いてかないでよ!」


 昇降機の扉が閉まる。

 もはやホオズキはどうしようもなくなる。


≪英断だな!≫


 その後ろからプランヴェルがやってきて、死が寄ってくる。


「い、嫌だぁ! 助けて!」


 ホオズキは助かりたい一心で昇降機の閉じ切った扉を叩いた。

 三人が助けることはしない。


「この裏切り者! お前たちが代わりに死ねよ!」

≪死ぬのはお前だよ、お姉ちゃん≫

「まっ――ぁぁぁアアアアッ!」


 プランヴェルに捕まり、引きずられるホオズキの悲鳴。


「たすけ、ぇ――!」


 なにかを叩き付ける音。ホオズキの弱っていく声。

 数秒で助けを求めていた声が消える。


「これで邪魔者が一人死にましたね」


 ホオズキは死んだ。

 その死を置き去りに、防衛部隊用の昇降機は上昇。

 三人は天に昇る。

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