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破壊者_全ての敵を破壊せし復讐/デストロイヤー_ペネトレイト・ヴェンジェンス  作者: D-delta
第一章 世界の裏と奥底の真実に隠れた憎き仇敵、復讐すべし

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▽4・5 ――・逃走と追跡

 ハイロウ要塞の司令室から始まった、逃走と追跡。


「お二人共、自分の『ベースドアーマー』へ! ここから逃げます!」

「ユリ少尉、逃げたとして行き先は?」

「私に考えがあります。まずは『ベースドアーマー』へ!」


 三人は第二格納庫へ走り、自分の『ベースドアーマー』へと急ぐ。


「いたぞ!」

「ゴム弾で動きを止めろ!」


 当然障害は現れ、三人の向かう先に拳銃を持ったボディガードが待っている。

 このまま前へ数歩進めば撃たれる。ゴム弾とはいえ、ヨシノリ以外は無事で済まない。


「右だ!」


 ノアの素早い判断で右の通路へ移動。

 正面の敵が発砲するゴム弾から逃れる。


「危なかった……被弾するところでしたね、お二人共」

「だけど第二格納庫は待ち構えている敵の先ですよ?」

「この要塞の構造も通路も把握出来ていない今では、下手に移動出来ないな」


 三人が把握しているのは兵士の案内で歩いた第二格納庫から司令室までのルート。

 その他のルートはまるで分からない。もしも把握していないルートを進み、行き止まりで敵に追いつかれてしまえば、ヨシノリ以外の二人はゴム弾で苦しむことになる。


「追い詰めろ! 誰か一人でも確保すれば、決戦兵器は手出し出来ない!」


 敵の声。複数人の足音が徐々に迫り、距離を詰めてくる。


「仕方ないな……ヨシノリ、アイツらをやっつけろ。私たちが生き残るために」

「はい、殺してきます!」


 敵を殺さなければ全員揃って生き残れない。

 人を殺し、殺人に慣れた今、二人の命のために躊躇いは即座に捨て去って飛び出す。


「なっ!?」


 飛び出したヨシノリに敵は驚く。

 敵が迫って来ていたのもあって距離は近い。急な接近に敵は慌てて銃口を向けてこようとしてくるが、既に遅い。


「悪いな」


 目の前の敵が発砲するより先に、ヨシノリの拳が一瞬の速さで敵の頭を砕く。


「がぁ――」


 敵の一人目を殺した。拳が敵の砕けた血肉で濡れる。


「クソ!」


 まだ二人残っている敵の発砲。

 ヨシノリは殺した一人目の死体を盾にし、ゴム弾は全て死体にめり込む。


「これは使わせてもらう」


 殺した一人目の敵が握ったままの拳銃を取る。

 ここからは反撃。

 死体を盾にしながら発砲し、装填されたゴム弾を必中レベルで敵の眼球を射抜く。


「うぐぁっ!」

「があぁぁぁ!」


 敵の両目を潰して視界を奪った。だが、敵は生きている。


「殺す」


 敵であれば息の根を止めなければならない。

 盾にしていた死体を捨て、目から血を流して動けない敵に拳を近付ける。


「ヨシノリ、殺すな! 銃だけ奪え!」


 しかし敵の無力化は出来ている。殺す必要はなく、隠れて見守っているノアはヨシノリを声だけで制止する。


「……了解しました」


 殺意に満ちた意識を解く。感情を切り替え、言われた通りに目が潰れて無力化された敵から拳銃だけを奪った。

 敵が命を取られないと知ると、自身の目を押さえて大人しくなる。


「よくやった。私とユリ少尉にも銃をくれ、自衛出来る」

「はい。誤射には気を付けてください」


 奪った拳銃を持って、表に出てくるユリとノアに渡す。


「ありがとうございます、ヨシノリ君」


 これで敵を無力化出来た上に、三人揃って一応の武装が出来た。


「では、第二格納庫に急ぎましょう。私の姉の私兵がこれだけとは思えません」

「了解。ヨシノリ、行くぞ」

「はい!」


 三人は再び通路を走り進む。行き先は変わらず第二格納庫。


「目標を発見! あれだ、動きを止めさせろ!」


 急ぐ三人の後ろから聞こえてくる敵の声、発砲音と跳弾音。


「足を止めるな! 後少しで第二格納庫だ!」


 背後で銃撃が響く一方、前方に広い空間――第二格納庫が見えてくる。

 それぞれの『ベースドアーマー』はすぐそこだ。


「やっと来れた」


 足を止めずに走れば、三人は第二格納庫に到着。


「ヨシノリ、援護しろ! ユリ少尉も先に乗ってください!」

「ヨシノリ君、私たちの背後を任せました!」

「任せてください!」


 銃弾を受けても大丈夫なヨシノリを援護に配置。ノアとユリの二人は自分の『ベースドアーマー』に向かう。


「いたぞ! 乗らせるな!」


 敵も第二格納庫に来た。

『ベースドアーマー』に乗らせまいと、ノアとユリを最優先に狙い始める。


「軍曹と少尉はやらせない!」


 二人を狙う敵。それを狙って引き金を引く。


「うぉ――」


 撃ち放ったゴム弾が敵の頭に直撃。続けて発砲して、敵の動きを止める。

 まずは一人目。次を狙い、次も動きを止めさせる。


「全員ノックダウンにしてやる」


 発砲を続け、次々に敵の動きを止めていく。次々に動ける敵が減っていく。

 時間稼ぎが出来ている今、ノアとユリの『ベースドアーマー』の搭乗は順調に進む。


「よし、よし! ヨシノリ君、援護します!」


 時間稼ぎが功を奏して、ノアとユリは『ベースドアーマー』の起動を完了。


「反撃だ! 受け取れよ!」


 Fデバイスとスラスターが正常稼働。第二格納庫の中を浮き、ノアとユリはヨシノリの援護を開始。重火器で敵を蹴散らしていく。


「今の内です! 機体に搭乗を!」


 後はヨシノリが『ベースドアーマー』に搭乗するだけ。

 ノアとユリのおかげで敵からの妨害はなく、すぐに自機に搭乗。あっという間に機体を起動させた。


「起動完了! いつでもいけます」

「後は脱出するだけ。天井の出撃ハッチを破壊するのが早そうですね」


 三人の搭乗が完了。次はハイロウ要塞からの脱出。

 格納庫の天井、出撃ハッチは閉じ切っている。脱出するためにはユリが指示するようにハッチの破壊しかない。


「ハイロウ要塞司令、ハルナカ・ジャンが伝える。第二格納庫の出撃ハッチを開く。ユリ少尉、ノア軍曹、タキ一等兵、貴官らの武運を祈る」


 そんな時、ジャン少将の声が第二格納庫内に響き、天井の出撃ハッチが開く。

 ジャン少将は三人を送り出してくれていた。


「出撃ハッチが開きます!」


 開いていく出撃ハッチ。その先に夕焼けが暗い薄青に変わり行く夜空が見える。


「お二人共、行きましょう!」


 三人は開いたハッチから空へ飛び、ハイロウ要塞の外へと出た。

 後はユリの考えている行き先に向かうだけだ。


「それで行き先は?」

「行き先は天倫(てんりん)基地。軌道エレベーターのある場所です」


 ノアの問いにユリは行き先を答えた。

 その天倫基地というのは日本領内の軌道エレベーターの直下にある基地。軌道エレベーターの防衛、管制と管理を担う場所だ。


「軌道エレベーターでなにを? この星から脱出するにしても『ベースドアーマー』ではワープゲートを通るのは危険ですよ」

「そこは大丈夫です、脱出はしませんので。私の目的は軌道エレベーターの空間歪曲通信で地球本部に『ヘキサ』の鎮圧を要請することですから」

「空間歪曲通信装置というのは?」


 ヨシノリの質問。


「初陣でプランヴェルがワープゲートを開いたのを見ただろう?」


 ノアが答えて教える。


「はい、見ていました。空間歪曲転移ですよね?」

「そうだ。軌道エレベーターの空間歪曲転移装置で開いたワープゲートを通じて遠い星に通信を送るって訳だ」


 ワープゲートを通じて通信を送れば『ヘキサ』から(はる)か何万光年と遠く離れた地球へと通信を送れる。

 地球本部に事態を知らせ、鎮圧を要請すれば『ヘキサ』内戦の終戦は早く進む。


「ともかく善は急げ。そうですよね、ユリ少尉?」

「はい。こんなバカげた戦争を終わらせるためにも急ぎましょう、天倫基地へ!」


 これで行き先は定まった。

 三人はハイロウ要塞から離れて〝計画〟阻止のために天倫基地へと向かう。

 追いかけようとするホオズキを置いて。


  ※


 現体制派と反乱軍。多くの血に濡れた自作自演の茶番。

 その中で舞台裏に潜む黒い影は赤い目を光らせて笑う。ハイロウ要塞から離れる三人に手招きしながら。

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